2012/3/14 | 兵庫県神戸市立小学校でのいじめ・恐喝裁判(060300)その後。学校の嘘を追及 (2012/5/12 追記) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学校に限らず、事件事故があると必ずのように、隠ぺい工作が行われる。 被害者は、被害のうえに更に、被害を上乗せされる。二次被害、三次被害を受ける。 そして、嘘は、嘘と知りつつ、それ追及せず、むしろ擁護するものがたくさんいるなかで、幅をきかせる。 兵庫県神戸市の市立小学校で、2005年春から2006年にかけて発生したいじめ・恐喝事件(060300)は、最後まで認めようとしない3人の児童の保護者を相手どった裁判で、原告側の訴えが認められ、終結した。 一方で、諸事情により訴訟の対象にはしなかったものの、当時の学校の対応、その後の教育委員会の対応のひどさの問題は何一つ解決されていない。 学校における人間関係のなかで発生したいじめや恐喝事件が学校内で解決されず、被害者側が転校せざるを得なかった、自らの金と時間、膨大な労力と精神力を使って、民事裁判を起こさざるを得なかった。そうでなければ、被害があったことが証明されないことの理不尽さ。加害者親子に反省は生まれず、被害者家族は傷をさらに深くした。それを招いたのが、学校・教育委員会であるという自覚は全くない。 裁判で、公に認められたいじめ・恐喝があったという事実。その結果をもって、学校・教委に反省をせまり、再発防止に努めてほしいという被害者側の思いは、今も届かない。 学校で子どもがいじめにあうなど、たいへん辛い思いをしているときに、本来、子どもを守るべき学校の教職員が、事件が公になって、自分たちに累(るい)が及ぶのを恐れて、被害者側をよってたかってつぶしにかかる。 再発防止は、事件の再発防止ではなく、事件発覚の再発防止策にばかり力がそそがれている。だから、いじめ問題が社会問題になって30年以上たつのに、いまだ解決の糸口さえ見つからない。 この事件の場合、子どもが生きていることで、何があったかを話すことができたから、親は様々な事実を知ることができた。 一方で。子どもが生きているからこそ、過去のいじめ事件による大人の対応のまずさ、子どもたちへの根本的な指導のなさ、いじめ事件に対する大人や子どもの偏見から、保護者はもちろんのこと、一度被害にあった子ども自身もまた、再被害に遭う可能性がある。 被害者が声をあげたくても、なかなか声をあげられないことの理由はここにもある。 全国学校事故・事件を語る会の西尾裕美さん(西尾健司くん020323 のお母さん)が、名前を出せないAさんの変わりに、神戸市議会・文教経済委員会に陳情した。 教師の指導で自殺した自分の息子と、いじめとその後の被害者を複数の教師が責めたてる事情聴取に、指導死があってもおかしくはなかったと思えるからだと思う。 西尾さんとAさんは何度も陳情を行っている。その理由は、教育長や教育委員会事務局指導部長の答弁、市議会議員の対応に納得がいかないからだ。子どもの命に関わることなのに、どうして通じないのだろう、どうすればわかってもらえるのだろうと、強い焦燥感がある。 文面を変えたり、新たな資料を用意したり、一人ひとりの議員を訪ねて説明したり、努力を積み重ねてきた。そのあきらめない姿勢にはほんとうに感服する。 それでも、学校も、教育委員会も、政治も、変わろうとはしない。 ただ、文教経済委員会への陳情の詳細が神戸市のサイトで見ることができる。情報の公開は私たちに考える材料を提供してくれる。ただし、私自身もそうだが、日頃、自分の暮らす自治体で何が話し合われているのか、関心をもってみてこなかった。 とくに神戸市で、選挙権をもつ人たちには、ぜひ、自分の目で各市議が何を発言したのか、確かめてほしい。選挙のときには、「子どものため」「住民のため」と連呼する人たちが、実際の活動のなかでは何をしているのか。 政治家はおそらく、選挙のことを考えて発言している。それを正義を通すことと考えるか、組織票を得る、あるいは組織を敵に回さない方向で動くかは、政党次第だったり、そのひとによる。 なお、ここに上がっているのは、たまたま神戸市の例だが、おそらく日本全国で同じような構造があると思われる。むしろ、そうではない自治体を探すほうが困難ではないかとさえ思う。 ●経 緯(TAKEDAが個人的にまとめた内容。添付資料に経緯の詳細あり) 答弁の中身は、答弁記録のなかから抜粋して、話言葉をできるだけ簡潔にまとめたもの。
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TAKEDA私見 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
不祥事の隠ぺいは掃いて捨てるほどある。しかし、当事者にはわかっていても、裁判所が認めるなど、嘘が客観的にも明らかにされる例はそう多くない。 だからこそ、学校や教育委員会の隠ぺいをなくしていくためには、明らかになった隠ぺいの事実をもって、改革をせまるしかない。 しかし、ここにも構造的な問題が見えてくる。 個人の嘘はばれやすいし、責任も追及されやすい。しかし、組織がつく嘘はばれても、不問にされやすい。組織と組織との利害関係のなかで互いにかばいあうからだ。 学校で事件事故があると、教師が嘘をつく。人間は弱いものだ。わかっていても、つい保身に走ってしまう。それを抑止するものは、嘘は許されない、嘘をつくともっととんでもないことになるという思いや、過去の事例から読み取る教訓だ。 しかし実際には、教師の嘘は、こと組織や管理職の立場に関わることは擁護される。みんなで嘘を支えてくれる。あるいは見て見ぬふりをしてくれる。むしろ、本当のことを言ったほうが、とんでもないことになる。嘘を言うように脅される。責任を追及され、場合によっては職を失う。 嘘をついてあとでばれると、担当した教師一人に責任がかぶせられ、切り捨てられることはあるが、それでも、最初から本当のことを言った場合よりは守られる。せいぜい、減給処分や他の学校に配置替えになる、1年程度の研修を課せられても、うまくいけばほとぼりが冷めた頃、出世コースを与えられることさえある。 不祥事があってもなかったことにしたい、嘘をそのままにしたいという思いは、学校や教委に止まらない。 見て見ぬふりをするだけならまだしも、積極的に被害者たたきをする議員までもがあらわれる。背後にどんなやりとり、利権の供与があるのか気になるところだ。 西尾さんも陳情書のなかに書いているが、子どものいじめの構造にとても似ている。周囲は、正しいもの、困っているものにではなく、大勢の側、権力をもっている側の味方につきやすい。黙って見ているもの、積極的に関与するもの。 なお、今回のやりとりで、行政職員の答弁の仕方というものはほんとうに共通していると感じた。 いままで、文部科学省や教育委員会など、いくつか携わってきた交渉事のデジャヴを見ているようだ。 行政の回答の特徴として、 @質問と正面から向き合わない。わざと聞かれていることとは違うことを答える。そのために、聞いているほうも、だんだん自分が何を聞いているのかわからなくなり、焦点がずらされる。 Aいかに自分たち努力しているかを強調し、その報告に時間をかける。しかもこの実績部分だけは非常に具体的に数字や資料を用意して行われる。 B質問が具体的なことに及ぶと、とたんに、「思います」「そう信じています」「そう理解しています」という、あいまいかつ、主観的な回答に終始する。あとで突っ込まれたとしても、「それは、私の主観を申し上げたまで」と逃れることができるし、上層部も、それは担当者が自分の主観を申し上げただけ」と責任回避できる。 C責任の所在についてやたら気にする。「自分たちには権限がない」「したがって責任もない」と言う。では誰に責任があるのかと聞くと、「わからない」「決まっていない」「誰の責任ということではない」などとあいまいになる。 そして実際、決めるのはいろんな組織の手を経て(経たように装って?)決めることで、責任の所在が明確にされていないことがとても多い。あるいは、すべて現場の責任として押し付けられる。 D自分たちに都合のよい資料は提供するが、都合の悪い資料は、「今、持っていない」「あるかどうかわからない」「書類として残していない」と言って出そうとはしない。実際には、行政関係者と話し合うときには必ずのように記録係がつくし、紙を介して仕事をするという日頃の習性からも、メモも、記録も、報告書もないということは考えがたいのだが。 (私たちが役所に行って、簡単なことでも、書類の1枚も書かずに、口頭だけですむなどということはまずない) E「通常なら」「一般には」と、今議論されている個別の問題ではなく、一般論にすり替えてしまう。 F質問に対し、自分たちがもって行きたい結論を何度でも繰り返す。その時に他の説明をほとんど加えない。 質問したほうは、自分たちの質問の仕方が悪かったのだろうかと思ってみたり、あきらめ感を感じる。 今回も、陳情者は客観的に事実確認できるものしか内容としてあげていないが、様々な情報、書類を簡単に揃えることのできる教育委員会側の回答は非常に漠然としている。その日に、何について聞かれるか、事前にわかっているはずなのに、資料も用意していない。「今は手元に資料はない」「記憶ではこうだ」「思っている」「信じている」ばかりで、具体的な裏付けがない。 言っていることもおかしい。被害者本人の聞き取りを親に反対されたというが、実際には、事実の聴き取りではなく、口封じや問題が大きくなったことを子どものせいにして教師が攻め立てたのを知って、親が怒ったのだ。 また12家族中1家族が子どもに聞かないでくれと言ったことを盾にとって、事実確認できなかったという。学校は警察ではないので、調査できないと言う。 しかし、文科省の通知等で、学校は警察ではないので、調査してはいけないとは書いていない。 ○昭和23年12月22日付け、国家地方警察本部長官・厚生省社会局・文部省学校教育局あての法務庁法務調査意見長官回答「児童懲戒権の限界について」のなかでも、 「盗取、毀損等の行為は刑法上の犯罪にも該当し、従つて刑罰の対象となる得べき行為でもあるが、同時にまた、懲戒の対象となり得べき行為でもある。刑罰は、もちろん、私人がこれを課することはできないが、懲戒を行うことは懲戒権者の権限に属する。故に懲戒のために所問ごとき処置をとることは、懲戒権の範囲を逸脱しないかぎり、さしつかえな(い)」 「学校内の秩序を破壊する行為があつた場合に、これをそのまま見のがすことなく、行為者を探し出してこれに適度の制裁を課することにより、本人ならびに他の学童を戒めてその道徳心の向上を期することは、それ自体、教育活動の一部であり、従つて、合理的な範囲内においては、当然、教師がこれを行う権限を有している。従つて、教師は所問のような訊問を行つてもさしつかえない。ただし,訊問にあたつて威力を用いたり、自白や供述を強制したりしてはならないことはいうまでもない。」とある。 ○平成6年12月16日付け文部省の通知「いじめの問題について当面緊急に対応すべき点について」に添付された「いじめ対策緊急会議」緊急アピール」では、 「いじめがあるのではないかとの問題意識を持って,全ての学校において,直ちに学校を挙げて総点検を行うとともに,実情を把握し,適切な対応をとること。」 「学校・家庭・社会は,社会で許されない行為は子どもでも許されないとの強い認識に立って子どもに臨むべきであり,子どももその自覚を特つこと。」とある。 ○平成7年3月13日付け文部省通知「いじめの問題の解決のために当面取るべき方策等について」には、 「いじめの問題については、まず誰よりもいじめる側が悪いのだという認識に立ち、毅然とした態度で臨むことが必要である。いじめは卑劣な行為であり、人間として絶対に許されないという自覚を促す指導を行い、その責任の所在を明確にすることが重要である。社会で許されない行為は子どもでも許されないものであり、児童生徒に、何をしても責任を問われないという感覚を持たせることは教育上も望ましくないと考えられる。」 「いじめであるか否かの判断は、あくまでもいじめられている子どもの認識の問題であるということを銘記し、表面的・形式的な判断で済ませることなく、子どもの立場に立って細心の注意を払い、親身の指導を行うことが不可欠である。」 「いじめの兆候を発見しても、往々にしていじめる側といじめられる側の主張に隔たりがあったり、いじめられる児童生徒からの訴えが弱いため、問題を軽視してしまうことがある。学校は、いじめを受けている児童生徒の心理的圧迫感をしっかりと受け止めるとともに、当事者だけではなく、その友人関係等からの情報収集等を通じた事実関係の把握を迅速かつ正確に行うことが必要である。」 「いじめを行った児童生徒に対しては、心理的な孤立感・疎外感を与えることなどがないように一定の教育的配慮の下に、いじめの非人間性に気付かせ、他人の痛みを理解できるよう教育的な指導が必要である。しかしながら、いじめの状況が一定の限度を超え、いじめられる側を守るために必要である場合には、いじめる側に対し出席停止の措置を講じたり、警察等適切な関係機関の協力を求め、厳しい対応を取ることも必要である。 また、児童生徒がいじめについて教師に相談あるいは通報したこと等によりかえってひどいいじめを受ける、あるいは新たないじめの対象となるというケースもしばしば見受けられ、こうした場合には、児童生徒は学校に対する信頼をなくし、孤立を深めるという結果につながることが多い。したがって、教師は、そういった児童生徒をきちんと守るといった姿勢を持つとともに、そのとき限りの指導に終わることなく、いじめが完全になくなるまで注意深く継続して徹底的に指導を行っていく必要がある。」と書いている。 これらからすると、学校は警察ではないからと言って、世間では許されないような行為の責任を問わず、放置することは、教育上好ましくないと書いている。いじめる側といじめられる側の主張は隔たることが多いが、いじめられる側の立場に立って指導しなさい、表面的・形式的な判断で済ませてはいけませんと書いている。 陳情者は、前回の答えが納得いかないから再提出している。しかし、何時まで待っても納得がいく答えはやはりない。 2011年9月21日の採決時に、審議打ち切りを表明した議員たちは、 「陳情者がおっしゃっておられます『いじめをなくすために我々はやっているんだ』ということでしたけれども,そういう意味からは教育委員会の対応の仕方なり,また世論なり,社会全体がいじめに対する認識を変えておりますので,そういった意味ではそういう目的には近づいていってるんじゃないかなと思っています。」 「今陳情については,非常に趣旨はよくわかりますし,そういった意味ではこのいじめに対しての警鐘を鳴らした陳情ではなかったかなと思います。過去いろいろと審査の中で疑問点が質問され,教育委員会も真摯にその答えを答えておったわけでございますが,あったのかなかったのかというようなあいまいな結論を出してきておりますが,そういった意味では,この陳情趣旨の世に警鐘を鳴らしたということに対しての効果はあったのではなかろうかなと思います。ただし,この委員会でこの陳情を審査していくことに対しては非常に難しく,なじまないと思います」と述べている。 いつ、教育委員会が真摯に答えていたのか、全く疑問だし、議員や教育委員会のこの対応が、いじめをなくすことには全くつながっていない。むしろ、今、目の前に突き付けられた問題に蓋をして、「次回から」きちんと処理されるはずがない。 今回も、これだけ問題にされながら、結局は追求をかわすことができた。これからも、同じ手が通用するだろうと、教育委員会を慢心させるだけだ。 教育長は答弁のなかで、「(神戸市のいじめの)認知件数では,平成18年度641件をピークに平成22年度には249件と減少しておりまして,発生率も全国平均と比較しまして約3分の1程度になっております。また,追跡調査を行いました平成20年度以降は毎年解消率が100%」と誇った。 しかし、Aさんへの対応をみれば、被害者が被害を訴えても、学校・教育委員会がけっしていじめを認めようとしなければ、いくらでも数字を減らすことができる。いじめの解消率が毎年100%などということは、それこそ、100%あり得ない。しかし、その数字に一切の疑問を持たず、嬉々として文教経済委員会に報告する、そんな教育長だからこそ、学校管理職はそのような嘘の数字しか報告できないのだろう。 子どもたちに直接アンケートをとってみれば、いじめが決して他の自治体より少ないわけではなく、年内に解決していないことも、簡単にわかるだろう。全校調査しなくとも、サンプリング調査だけで簡単にわかるはずだ。 そして、このように、いじめがあってもなかったことにするような環境のなかでこそ、重大事件は起きる。 1997年兵庫県神戸市須磨区で発生した当時14歳の中学生による児童連続殺傷事件。少年は事件前に様々な問題行動を起こしていたという。同級生や殺害された男の子をいじめていたという報道もある。 小学校6年生の頃、同級生3人を使い走りにしたり、万引きを命じたり、殺害された土師淳くんをエアガンの標的にしたり、暴力を振るってけがをさせたり、いじめられて恐怖感から転校した同級生もいたという話も読んだ。 私は厳罰化を言っているのではない。一つひとつの事実を疎かにせず、子どもの問題行動は、その子の発するSOSと捉えて、目をつむらずきちんと対応していくことが、被害者や加害者をも救い、結果、大きな事件を防ぐことができると言っている。 それには、まずは大人たちが、反省すべきことは素直に認めて謝罪し、二度と同じ過ちを繰り返さないための具体策を講じる。そんな手本を見せるべきだと思う。この一連の答弁を子どもにもわかりやすく書き下ろして劇にしたとして、果たして、子どもたちに見せられるだろうか。 たくさんの警鐘を無視して原発事故は起きた。それでも、大人たちは学ぼうとしない。隠していたことが次に表に出るときには、とんでもなく大きな事態に発展しているということを。 なお、西尾さんとAさんの許可をいただいて、神戸市議会に提出した陳情書を以下に添付する。 |
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平成23年3月9日 教育委員会の裁判所への虚偽文書作成・提出 に関する陳情 (陳情第369号) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
神戸市議会議長 様 (陳情者) 全国学校事故・事件を語る会 西 尾 裕 美 <陳情趣旨> 私たちは、学校で起こったあらゆる事故や事件で、子どもが傷つけられたり、命を絶たれてしまった被害者や、支援する者が集まり、活動をしています。 その中で、必ずと言って良いほど、学校のその後の調査や報告といった事後対応の不誠実さにより、それが二次被害となって苦しめ続けられています。事件・事故が起こった場合、その原因を把握していても、まず学校は開口一番「○○○は確認できない」と発表し、その後、マスコミなどの追及があると、個人情報を口実に真実を隠蔽します。まるで全国共通のマニュアルが存在するかのようにとても酷似しています。そして、その隠蔽行為も年々巧妙になってきて、単に隠すという行為に留まらず、その後の時間の経過と共に、真実が意図的に歪曲されていることも明らかになっています。 本来なら失敗から問題点を学び、より良い教育に生かすべき事故の「報告書」が、これでは何のための報告書であるのか、教育者として、教育を司る行政の責任者として、このことについて、是非ともお考え頂きたいと願っております。 今回取り上げる事件は、平成17年度に神戸市立小学校で起こった「いじめ・恐喝事件」です。被害者が加害者の親を提訴した訴訟において、神戸市教育委員会は裁判所に対して、虚偽文書を作成し、提出(行使)し、真実を歪曲したのです。このような行為は見逃すわけにはいきません。 昨年11月30日の文教経済委員会での教育長・指導部長の答弁は、全く反省するどころか、その行為を正当化しています。糾弾せず、このまま放置すれば、それが彼らにとっては成功事例となり、マニュアル化され、今後も同様の事件が繰り返される懸念があります。 従って、神戸市教育委員会に対して、このような過ちが二度と繰り返されないために、再発防止を講じるよう、神戸市会から指導いただきたく陳情させて頂きました。 本件は一見古い事案で、今さら議会で取り上げるには相当でないと思われるかもしれませんが、裁判の過程で被害者・加害者双方から出された証拠により教育委員会の不当行為が判明したのだから、判決の結果、反省し、見直す責務があるのではないかと思います。 <陳情事項> 1. 平成17年度、神戸市立小学校において「いじめ・恐喝事件」が発生しました。教育委員会は校長より、「生徒指導に関する状況報告」(資料2、資料3)というマニュアルで詳細な記載方法が明記されている公文書で、報告を受けています。従って、いじめ・恐喝の存在を把握しています。 にもかかわらず、被害者が加害者の親らを被告とした裁判において、いじめの存在を否定する虚偽文書(資料1)を作成し、提出(行使)して、いじめ・恐喝の存在事実を隠蔽しようとしました。 従って、神戸市教育委員会に対して、この事実を認めさせ、過ちを正すよう指導してください。 2. 万一、教育委員会が1の事実を認めず、裁判所に提出した文書が正当なものだと主張するのであれば、その根拠を示し説明するよう指導ください。 上述の裁判は、平成21年12月、大阪高裁において「いじめ・恐喝の事実」が認められ、判決が確定しています。その根拠となったのは、校長が「いじめ・恐喝」と断定して、教育委員会に提出した報告書(資料2、資料3)であります。 なお、被害者側は、平成22年8月17日付「学校・教育委員会の不当行為について」を資料1〜33の客観的な証拠を添えて、教育委員会に提出し主張しています。当然ながらそれを否定するのであれば、論理的に具体的に説明してください。当時の関係者に確認した事実を述べるのであれば、「いつ・誰が・どのように説明しているのか」責任の所在を明らかにした上での説明を求めます。正当性を主張するのであれば、公務員が公務で行なった行為について、匿名にする必要はないはずです。 <陳情の経緯・理由等> ☆ いじめ隠蔽の経緯
1.いじめ・恐喝の存在と学校の認識(裁判所の判断) まず、いじめ・恐喝の存在と学校の認識について、裁判所の判断を説明します。 神戸地裁は平成21年6月26日、いじめ・恐喝の事実を認定しました。さらに二審でも大阪高裁は平成21年12月18日、「甲33の2、甲64の2における今木教諭及び片寄校長の発言によっても裏付けられており、・・・いじめと評価すべきものであったことは明らかである」と判決文で述べ、いじめ・恐喝の事実を認定しています。 つまり、裁判所は「担任教諭及び校長が、いじめの事実を認識していた」と明確に断定しているのであります。 甲33の2は、資料6です。甲64の2は、資料5です。 ※資料5、資料6は、裁判所がいじめを認定した重要な証拠です。必ずお読みください。 さらに、判決文では、小学校による神戸市教育委員会への報告として、「校長は,神戸市教育委員会に対し,平成18年2月分の生徒指導に関する状況報告書において,恐喝件数1件(加害児童は,男子1人),いじめ1件(加害児童は,男子1人)として報告した。後に,同教育委員会において,上記報告書について,恐喝の加害児童が男子7人,いじめの加害児童が男子9人,女子4人との訂正がされた。」と事実認定されています。つまり、校長の報告書がいじめ・恐喝の事実を決定付ける重要な証拠となっているのです。 2.学校の調査と報告 当時小学5年だった被害児童は、平成17年春ごろより1年あまりにわたって、言葉による精神的な嫌がらせや肉体的暴力などのいじめに遭ったうえ、56万円余の恐喝被害を受けました。学校は平成18年2月のいじめ発覚後、直ちに被害者・加害者ら関係児童の聴き取り調査や、5年生全員(61名)にアンケート調査を行なっています。その結果、片寄校長は「いじめ・恐喝の事実が存在した」と判断したのです。 その判断結果を、資料5の通り、平成18年2月22日、校長と教頭は被害者両親に説明しました。 さらに、平成18年3月5日頃、校長は教育委員会に公文書「生徒指導に関する状況報告」(資料2、資料3)で、いじめ・恐喝の件数を、その補足説明資料で、調査結果を詳細に報告したのです。 資料4は、校長が調査結果をまとめた資料で、2月22日の説明の時に、被害者両親に手渡しています。 資料5は、2月22日の校長・教頭の説明内容を録音したもので、その説明内容の反訳書です。 資料2は、校長が教育委員会へ報告した報告書「生徒指導に関する状況報告」です。 資料3は、資料2の補足説明資料です。情報公開請求では教育委員会が非公開としたため、裁判所が調査嘱託を行ない、公開されたものです。 3.教育委員会のいじめ・恐喝の認識 平成18年3月10日頃、教育委員会指導課主事Mは、校長の報告書(資料2、資料3)について、電話で校長に詳細を確認しました。裁判所が事実認定している通り、その結果、M主事が「恐喝の加害児童が男子7人,いじめの加害児童が男子9人,女子4人」と赤で同報告書を訂正しています。 つまり、遅くともこの段階で、教育委員会は「いじめ・恐喝の存在」を認識していることになります。 なお、M主事が同報告書を訂正したことは、平成20年2月1日、同委員会指導課Y主事がその旨説明しており、裁判所が事実認定しています。 また、校長は、平成18年2月4日のいじめ発覚直後より退職後の現在に至るまで、教育委員会に報告し相談して、逐一指示を仰いでいると述べています。 4.虚偽文書作成の事実 上述の通り、教育委員会は校長より詳細な報告を受けていたのであるから、本件いじめ・恐喝の存在は十分認識していました。にもかかわらず、平成20年2月20日、裁判所からの調査嘱託に対し、次の虚偽内容を裁判所に回答しました。 加害児童の親を被告とした裁判において、「被害者の当人から聞き取りができなかった」などと明らかな虚偽の理由を列挙し、「『いじめ・恐喝の事実があったかなかったかは判断できない』という判断にいたった。」と結論付けているのです。明らかに虚偽文書作成です。 しかも聞き取りができなかった原因を、「被害者の保護者の要望により被害児童本人からは直接事実関係の確認ができず・・・」と事実無根の理由を書き、被害者の保護者に責任転嫁まで行なっています。 教育委員会は片寄校長より、逐一報告・相談を受けており、単に誤って列挙してしまったというものではなく、意識的に事実に反したことを記載したと言うべきであります。 5.虚偽文書作成の証明 A.校長の教育委員会への報告書 平成18年3月5日頃、校長は教育委員会に対し、「生徒指導に関する状況報告」(資料2)により、恐喝・いじめの事実を正式に報告し、「補足説明T」(資料3)でその加害生徒らの氏名を明記し、指導経過も報告しています。 そしてその後、教育委員会指導課 M主事が、校長に確認の上、同報告書について「恐喝の加害児童が男子7人、いじめの加害児童が男子9人,女子4人」と訂正しています。 なお、上述の通り、裁判所も校長が教育委員会に正式に報告し、教育委員会によって訂正がなされた事実を明確に認定しています。(判決文 19頁下から11〜6行目 ) <教育委員会の弁明に対する反論> ところで校長や教育委員会は「生徒指導に関する状況報告」(資料2、資料3)の「恐喝」「いじめ」の報告について、単に「訴え」があったものを記載すると主張しているのです。要するに同報告書は、学校や教育委員会がいじめの存在を覚知したことを意味しないと言い逃れています。 ところが、「生徒指導に関する状況報告」の報告の仕方については詳細なマニュアルが作成されています。それが教育委員会指導課長名の文書です。そのマニュアルにより、校長や教育委員会の弁明が明らかに大嘘であることが証明できます。 同マニュアルによると、 「被害のみや情報のみの事例については人数・件数をカウントしない」(6頁1H項) 「『加害者が特定できない場合で、明らかに(加害者が)在校生』の時は『人数0、件数1』と記載する」(6頁1K項) 同いじめ報告書は、被害の訴えや被害の通報だけでは報告書に人数や件数を記入しません。仮に、被害の訴えがあったとしても、加害者が特定できなければ、人数は0と記載するように定められています。ところが、同報告書では、恐喝は小学校高学年男子7名、いじめは小学校高学年男子9名、女子4名と記載されています。このことは本件いじめ、恐喝が単に被害の訴えがあっただけでなく、調査の結果、具体的に加害者が特定されたことになります。 また、「補足説明T」(資料3)については、マニュアル 7頁4Aに、「該当(加害)児童生徒氏名、学年・性別、日時・場所を必ず記入し、問題行動の概要を記述する。」とあります。 加害児童の氏名が明確に記入されていることは、明らかに特定されていることを意味するのです。 さらに「補足説明T」(資料3)の記述内容は、誰が見ても単なる「訴え」を書いているとは読めません。学校が行なった調査結果が明確に記載されているのです。 以上のことから、校長の報告書(資料2、資料3)は被害の「訴え」を報告したものではなく、「特定された事実」を報告していることがわかります。 校長は教頭、校長を何年も歴任したベテラン校長で、マニュアルの内容を読んでいなかったということはありえません。しかし、万一そうであったとしても、「生徒指導に関する状況報告」の取りまとめを主な業務としているM主事は、マニュアルを熟知しているはずです。 校長や教育委員会の弁解が虚偽であることはもはや明白で、同人らの弁明は誤って回答してしまったというものではなく、意識的に虚偽を述べ、真実を隠蔽しているのであります。 B.各事項の虚偽内容 裁判所への回答書(資料1)の各事項について、具体的に証拠を挙げて説明すると以下の通りです。 (1)「事実発覚直後から、原告保護者の要望により原告本人からは直接事実関係の確認ができず、原告が話したとされる内容を原告の両親から間接的に聞くにとどまった」について、そのような事実は全くありません。 「いじめ」の事実関係については誤解のないように、原則として被害児童本人が直接学校側に幾度も説明しています。 [証拠1] 「生徒指導に関する状況報告 補足説明T」(資料3)は、校長が教育委員会に提出した報告書である。同報告書下から9行目から7行目によると、「2/7 恐喝の事実確認を行っている途中、○○○(被害児童氏名)から下記のいじめについて話が出た。・・・」とあり、直接被害児童から事実確認を行なっていることが明確に書かれている。 [証拠2] 「調査報告一覧(校長作成)」(資料4)と「面談記録S 校長・教頭と被害者両親との面談内容 反訳書」(資料5)から明らかである。 「調査報告一覧(校長作成)」の2/5(日)欄に「9:00〜 A宅にて話を伺う」、2/6(月)〜9(木)欄に「9日 15:40〜16:45 Aさんに話を聞く(いじめの内容)」と校長が自ら作成した資料に明記されている。 同様に、B〜Fの加害児童にも事実確認を行なっていることが明記されている。 校長は説明(資料5)の中で、「調査報告一覧(校長作成)」のAは被害児童、B〜Fは加害児童と、具体的に名前を挙げて説明している。(資料5 2頁下から11〜10行目) [証拠3] 面談記録B(資料7)は、2006年3月6日(月)、神戸市立小学校に於いて、校長・教頭・教諭(担任)と被害児童・父・母の6名で話し合った録音記録である。直接被害児童に会って話をしていることが明白である。 さらに、その会話で2月9日([証拠2]の記載内容)に、H・I両教諭と被害児童の3名で1時間5分、話し合ったことも明確に記録されている。 ※他にも証拠は山ほどあるが、この3点で十分かと思います。教育委員会が納得しなのであれば、納得がいくまでいくらでも出すことは可能です。 (2)「また、2月中旬以降、被告の一人から『子どもから事情をきかないでほしい。』といった趣旨の申し出があったことで、被告側の児童の一人からは事情を聞くことが困難となった。」については、真実かどうか疑わしい。 「調査報告一覧(校長作成)」(資料4)によれば、平成18年2月20日から同月24日まで、12家族に事情を聞いています。 ※加害児童は13名であるが、そのうち女子児童2名が双子の姉妹のため、加害児童家族は12家族となります。 (3)「さらに、2月末に原告が被害届を出して警察の取り調べが始まってからは、被告側の児童を含めた関係児童から事情を聞くことが困難となった。」についても、事実と矛盾しています。 資料8「面談記録F」によれば、H教諭は平成18年3月7日に関係児童を集め、風評被害の調査を実施しています。同資料2頁15行目以下「3月7日のことなんですけど・・・」と実際に聞き取り調査をした状況を説明しています。 また、同資料3頁9行目「いえ、これは5月30日の(時に調査したことです)。」とあり、教頭が再度、平成18年5月30日に関係児童を呼んで再調査を行っています。 そして、これらのことを教育委員会は、平成22年10月6日付「質問状に対する回答について」で、「学校は、うわさをした児童に対して指導を行っています」と、関係児童に事情を聞き、指導したことを正式に認めています。(資料9 下から5行目) さらに、平成19年1月9日に被害児童が加害児童らに「きしょい、あほ、へぼい」などとからかわれたことを申し入れたところ(資料11 2頁1〜3行目)、校長は、加害児童らに直接確認し、担任から指導した旨、文書で回答しています。(資料13 1頁下から8行目〜2頁4行目) このように警察の取り調べ後も、1年にわたり継続的に、加害児童らを指導していて、「関係児童から事情を聞くことが困難となった。」という表現は事実と異なっています。 (4)「4月には、原告本人が指定外通学を申請し転校することになり、原告からの事実の確認ができない状態が続いた。」については、これも事実とは全く異なります。 被害者は、加害者らの反省を促すことを目的に、一貫して学校側に事実関係を関係者に明らかにすることを主張しています。 転校後も現在に至るまで、被害者側は何度も学校に行き、調査を要望しています。 資料8は被害者両親が学校に行った時の反訳書であり、資料10、資料11は学校への申入書であり、資料12、資料13は学校からの回答書です。いずれも被害者が平成18年4月に転校した以後のものであります。 しかも、それら回答書には「教育委員会の関係課と協議の上」と明記されていることから、教育委員会も承知していることがわかります。(資料12 1頁下から21〜20行目、 資料13 1頁下から18行目) 以上のことから、これら資料が示す事実からも、裁判所への回答書(資料1)の「3 調査続行の困難」が全く事実でないことが容易にわかります。 しかも校長は、常に教育委員会の指導課 M主事に相談や報告をしており、同委員会が知らないわけがありません。加えて、仮に「退職や人事異動などにより、裁判所への回答書(資料1)作成時に正確な情報が伝えられていなかった」等の言い訳を行なっても通用しません。なぜならば、資料14の通り、指導課主事 Mは本件発生当時より平成19年3月まで同委員会指導課に席を置き、上司である指導課長Hは平成18年4月より責任者として本件の対応に当たっています。つまり、情報は教育委員会の指導課内部で、両名によって正確に把握されていたのです。 従って、教育委員会は裁判所に対し、意識的に虚偽の回答書を作成したことになります。この行為は、保身のため、いじめを隠蔽するためには、いかなる手段も選ばない身勝手な悪質な行為であります。ましてや裁判所に対して、平然と虚偽の公文書を作成するということは、善なる市民、守られるべき子どもに対しての犯罪行為であるとさえ思え、とうてい許せることではありません。 6.教育委員会の議会での虚偽説明 この悪質な行為は、昨年11月30日の文教経済委員会において、教育長、指導部長の答弁でも繰り返されています。議事録には、指導部長は「被害を受けたと主張されている児童の保護者の方から、子供にもう直接話を聞かないでほしいという強い要望が学校の方にあったと聞いております。」と答弁したと記載されています。 誰が、いつ、誰からそのように聞いたと言うのでしょうか。指導部長が議会で答弁するからには、当然確証があってのことでしょう。であれば、それを詳しく説明するのが責任者の責務ではないでしょうか。 上述の通り、被害者側が提示した証拠資料では、明らかに学校は被害者・加害者双方の児童に、直接聴き取り調査を行なっています。せっかく行なった聴き取り調査で判明した事実を、そのまま議会で説明し、検討し、間違った報告がされていたのなら、それを改める作業をすることで、今後の検討課題となります。それこそが文教経済委員会で述べる答弁だと考えます。 そして、これを機会に再発防止策を講じていただければ、苦しみ続けた子どもたちが救われることに繋がっていくと思います。どうか教育者として心ある答弁をお願い致します。 そうしてくださることで、本来なら楽しいはずの教育現場で、辛い思いをする子どもや最悪、尊い命を絶ってしまうという悲劇を食い止めることに、繋がるはずだと確信しています。 以 上 |
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平成24年2月17日 教育委員会の裁判所への虚偽文書作成・提出、及び 陳情取下げを迫る言動 等に関する陳情 (陳情第54号) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
神戸市会議長 様 (陳情者) 全国学校事故・事件を語る会 西 尾 裕 美 T.陳情趣旨 当陳情は、以下の行為について問うものです。 @平成20年2月20日、教育委員会が第三者(裁判所)に対して、虚偽文書を作成し提出(行使)した行為 A平成23年9月21日、平成23年3月15日、及び平成22年11月30日、教育委員会が文教経済委員会において、虚偽答弁や不適切答弁等を行なった行為 B陳情取下げを迫る言動 等 私たちは、平成23年3月15日、及び同年9月21日の文教経済委員会において、本件に関する陳情を行なってきました。ところが、教育委員会は事実に反した答弁や、不適切な答弁を繰り返しました。そのため、多数の議員が間違った方向に誘導されて、誤った判断がなされ、審査打ち切りの結果となりました。 特に、平成23年9月21日の陳情(以下、「前回陳情」とする)では、答弁者である指導部長、彼こそが当時の指導課長であり、実際に裁判所への文書を作成した担当責任者であるにもかかわらず、まるで第三者であるかのように「わからない」という答弁を繰り返されました。 さらに、「退職した校長に現時点で調査ということだと思いますけれども,当時の実態で判断してございますので,あえて今回は外部の者に対してどうこうという連絡は一切とってございません。」というH部長の答弁には閉口しました。これでは、泥棒をした警察官が、自ら捜査員となり、証拠を隠滅して、窃盗事件があったかどうかはわからないと言っているようなものだと思います。 なお、被害者の方が直接当時のK校長に確認したところ、校長は「今は退職して公務員ではないが、説明を求められれば、いつでも応じます」と述べています。 以上のことから、神戸市教育委員会に対して、このような過ちが二度と繰り返されないために、再発防止を講じるよう、神戸市会からご指導いただきたく陳情させていただきます。過去の事件を正しく記録して、問題点を改善し、子どもたちのより良い教育現場にすることこそが教育行政に求められると考えます。 最後に、私どもはこれまで3回の文教経済委員会を傍聴してきました。その時の感想を述べますと、まるで学校での子どもたちの「いじめ」と全く同じです。いじめは「加害者」と「被害者」の2者間の関係だけで成り立つのでなく、「囃し立てたり、面白がって見ている子」「見て見ぬふりをする子」が加わり、この四重構造で成立していることは周知の通りです。 教育委員会の説明は不十分で、陳情の訴えが事実か否かわからないので、審査打ち切りとする。この行為はいじめを「見て見ぬふりをする子」と全く同じではないでしょうか。大人がこのような態度を取る限り、子どもたちのいじめは永久になくなることはないでしょう。子どもたちのお手本となる審議を強く望みます。 U.陳情事項 前回陳情において、陳情事項2、陳情事項3の合計7つの質問に対して、個々に根拠を示して回答するように求めていましたが、答弁の中には回答が一切ありません。また、「わからない」「わからない」と回答を避ける行為に対して、K先生やK2先生から後日書面での提出を求められていますが、未だ提出された形跡もみられません。従って、再度陳情事項とし、新たに陳情4〜9を加えます。 <陳情事項1> 前々回(平成23年9月15日)陳情3頁以降、<陳情の経緯・理由等>を参照してください。平成17年度、神戸市立小学校において「いじめ・恐喝事件」が発生しました。教育委員会は校長より、「生徒指導に関する状況報告」(資料2、資料3)というマニュアル(資料22)で詳細な記載方法が明記されている公文書で、報告を受けています。従って、いじめ・恐喝の存在を把握しています。にもかかわらず、被害者が加害者の親らを被告とした裁判において、いじめの存在を否定する虚偽文書(資料1)を作成し、提出(行使)して、いじめ・恐喝の存在事実を隠蔽しようとしました。従って、神戸市教育委員会に対して、この事実を認めさせ、過ちを正すよう指導してください。 <陳情事項2> 万一、教育委員会が1の事実を認めず、裁判所に提出した文書が正当なものだと主張するのであれば、裁判所への回答書(資料1)の「3 調査続行の困難」の記載内容について、以下の4つの質問に対しその根拠を示し説明するよう指導してください。 <質問1> 「事実発覚直後から、原告保護者の要望により原告本人からは直接事実関係の確認ができず、原告が話したとされる内容を原告の両親から間接的に聞くにとどまった」について、少なくとも以下の@〜Dの事実があります。これらの事実は学校が被害児童本人に直接聞いて確認しているものです。にもかかわらず、なぜ、「被害児童本人から直接事実関係が確認できない」と記載したのか。明確な根拠を示して説明してください。 なお、被害者への聞き取りは、児童単独でなければならないかのような答弁が繰り返され、論点がすり替えられています。裁判所への回答書(資料1)には、「単独での聞き取りができなかった」などと一言も書かれていません。当該文書を問題にしているのであるから、児童単独か否かは問題ではありません。 @ 教育長の答弁(会議録39 最後から3段落目)で、「学校が,放課後,被害を受けたとされる当該児童本人に1度聞き取りを行いましたが,・・・」とあり、少なくとも1回は被害児童本人から聞き取りをした事実が、教育委員会でも認知されています。 ここで指摘しているのは、「事実発覚直後から、原告保護者の要望により原告本人からは直接事実関係の確認ができず、原告が話したとされる内容を原告の両親から間接的に聞くにとどまった」という表現であります。ゼロ回ではなく、1回以上あるのであれば、「原告本人からは直接事実関係の確認ができず」という表現は明らかに事実と異なります。 A 「生徒指導に関する状況報告 補足説明T」(資料3)は、校長が教育委員会に提出した報告書です。同報告書下から9行目から7行目によると、「2/7 恐喝の事実確認を行っている途中、●●●(被害児童氏名)から下記のいじめについて話が出た。・・・」とあり、直接被害児童から事実確認を行なっていることが明確に書かれています。 B 「調査報告一覧(校長作成)」(資料4)と「面談記録S 校長・教頭と被害者両親との面談内容 反訳書」(資料5)から明らかです。 「調査報告一覧(校長作成)」の2/5(日)欄に「9:00〜 A宅にて話を伺う」、2/6(月)〜9(木)欄に「9日 15:40〜16:45 Aさんに話を聞く(いじめの内容)」、と校長が自ら作成した資料に明記されています。 同様に、B〜Fの加害児童にも事実確認を行なっていることが明記されています。 校長は説明(資料5)の中で、「調査報告一覧(校長作成)」のAは被害児童、B〜Fは加害児童と、具体的に名前を挙げて説明しているのです。(資料5 2頁下から11〜10行目) C 面談記録B(資料7)は、平成18年3月6日(月)、学校に於いて、校長・教頭・教諭(担任)と被害児童・父・母の6名で話し合った録音記録です。直接、被害児童に会って話をしていることが明白であります。 さらに、その会話で2月9日(Aの記載内容)に、H・I両教諭と被害児童の3名で1時間5分、話し合ったことも明確に記録されています。 D 面談記録G(資料18)は、平成18年3月15日、校長、教頭、I(担任教諭)の3名立会いで行われた、被害児童と加害児童Kの話し合い(両親同席)の録音記録です。当資料は、加害児童が3名の教師の前で、いじめを認めていることを証明するものであったため、便宜上、教師が被害児童に聞き取る場面は省略しています。しかし、状況から学校側が被害児童に直接聞くことができたことは証明できます。 (なお、教師が被害児童に直接聞いている箇所を確認したいのであれば、その部分の録音を提出することは可能です。) <質問2> 「また、2月中旬以降、被告の一人から『子どもから事情をきかないでほしい。』といった趣旨の申し出があったことで、被告側の児童の一人からは事情を聞くことが困難となった。」については、以下@の事実と矛盾しています。 なぜ、2月中旬以降困難になったのに、学校は平成18年2月20日から同月24日までに、加害児童とその家族全員から事情を聞くことができたのですか。明確な根拠を示して説明してください。 @ 「調査報告一覧(校長作成)」(資料4)によれば、平成18年2月20日から同月24日まで、12家族に事情を聞いています。 なお、加害児童は13名ですが、そのうち女子児童2名が双子の姉妹のため、加害児童家族は全部で12家族となります。 <質問3> 「さらに、2月末に原告が被害届を出して垂水警察の取り調べが始まってからは、被告側の児童を含めた関係児童から事情を聞くことが困難となった。」についても、以下@〜Dの事実と矛盾しています。 @〜Dの通り、警察の取り調べ後も、学校は1年にわたり継続的に、加害児童らの聞き取りを行ない、指導しています。なぜ、「関係児童から事情を聞くことが困難となった。」と記載しておきながら、学校は1年間も継続的に聞き取り・指導ができたのですか。明確な根拠を示して説明してください。 @ <質問1> Dで述べた資料18は、同様に、平成18年3月15日、加害児童にも直接学校が聞き取りをしていることが証明できます。 A 資料8「面談記録F」によれば、春名教諭は平成18年3月7日に関係児童を集め、風評被害の調査を実施しています。同資料2頁15行目以下「3月7日のことなんですけど・・・」と実際に聞き取り調査をした状況を説明しています。 B 資料8「面談記録F」3頁9行目「いえ、これは5月30日の(時に調査したことです)。」とあり、教頭が再度、平成18年5月30日に関係児童を呼んで再調査を行っています。 C ABについて、これらのことを教育委員会は、平成22年10月6日付「質問状に対する回答について」で、「学校は、うわさをした児童に対して指導を行っています」と、関係児童に事情を聞き、指導したことを正式に認めています。(資料9 下から5行目) D 平成19年1月9日に被害児童が加害児童らに「きしょい、あほ、へぼい」などとからかわれたことを申し入れたところ(資料11 2頁1〜3行目)、片寄校長は、加害児童らに直接確認し、担任から指導した旨、文書で回答しています。(資料13 1頁下から8行目〜2頁4行目) <質問4> 「4月には、原告本人が指定外通学を申請し転校することになり、原告からの事実の確認ができない状態が続いた。」については、これも事実とは全く異なります。 被害者は、加害者らの反省を促すことを目的に、一貫して学校側に事実関係を関係者に明らかにすることを主張しています。 以下の@〜Bの事実から、転校後1年にわたり継続的に、被害者側は何度も学校に行き、調査を要望しています。 なのに、なぜ、「原告(被害者)からの事実の確認ができない状態が続いた。」などと記載したのですか。明確な根拠を示して説明してください。 @ 資料19は、加害児童Tがいじめ・恐喝を認め、被害者に謝罪した際の和解書です。和解書別紙には、具体的ないじめ・恐喝の事実が詳細に記載されています。被害者はこのコピーを校長に手渡し、同席した教頭・教諭を含め3名の教師に報告しています。従って、転校後も学校は事実確認を行なっていることが証明できます。さらに、加害者Uと加害者Nの和解書コピーも、片寄校長は受け取っており、被害者からの報告を受けているのです。 A 資料8は、平成18年6月1日、被害者両親が学校に行った時の反訳書であり、転校後も学校に足を運んで、話し合いを行なっています。 B 資料10、資料11は学校への申入書であり、資料12、資料13は学校からの回答書です。発信は平成18年12月4日〜平成19年2月1日であり、いずれも被害者が平成18年4月に転校した以後のものです。しかも、それら回答書には「教育委員会の関係課と協議の上」と明記されていることから、教育委員会も承知していることがわかります。(資料12 1頁下から21〜20行目、 資料13 1頁下から18行目) <陳情事項3> 陳情第369号(平成23年3月15日文教経済委員会)では、教育委員会は虚偽の答弁を繰り返し、すでに論理破綻をしています。教育委員会の答弁は、その場凌ぎの子どもの幼稚なウソと同じです。嘘をついた子どもが、その嘘を隠すために次の嘘をつく。さらに2度目の嘘を隠すために、3度目の嘘をつく。このように次々とウソをついているのです。学校・教育委員会の関係者はウソがばれていないと思い、平気でウソを繰り返しているのでしょうが、周りからはウソが丸見えなのです。 教育長や指導部長の虚偽答弁を挙げると切りがないので、以下3点のみ質問します。虚偽を認めないのであれば、以下の質問に対しその根拠を示し説明するよう指導してください。 <質問1> 陳情第369号での答弁を要約すると、「平成18年2月末時点の校長の判断は『いじめ・恐喝』である(会議録91 指導部長答弁より)。しかし、その後の調査で、校長の判断が誤りであったことがわかり、平成20年2月20日、裁判所へ資料1の回答書を作成して提出した」とのことです。 ところが一方、陳情で問題にしている裁判所への回答書(資料1)や、陳情第369号、平成22年11月30日の文教経済委員会の答弁でも、一貫して、「いじめ発覚後、被害者・加害者保護者からの調査しないで欲しいという要望で、十分な調査ができなかった」と述べています。 なぜ、十分な調査ができない状況で、2月末の校長の判断を覆すだけの調査ができたのか、全く理解不能です。 2月末に校長が「いじめ・恐喝」と断定し報告した後も、学校は調査と加害者らの指導を行なっています。3月15日に加害者Kが、校長をはじめ教師3名の前で、いじめを認めています(資料18)。そして、その2日後には加害者Nが同様に、教師3名の前でいじめを認めています。さらに、加害者TやU、Nの和解書のコピー(資料19)や加害児童が被害児童に書いた謝罪の手紙(資料17)を校長は受け取って、多数の加害児童がいじめ・恐喝を認めた事実を正確に把握しているのです。 このように、2月末の判断が真実であると裏づけられる調査を、実際に学校は行っている事実がある中で、校長の判断を覆すだけの教育委員会の調査とはいったいどのようなものなのか。明確な根拠を示して説明してください。 <質問2> 平成22年11月30日文教経済委員会の指導部長の答弁では、「被害を受けたと主張されている児童の保護者の方から、子供にもう直接話を聞かないでほしいという強い要望が学校の方にあったと聞いております。」とあります。 また、裁判所への回答書(資料1)でも、「事実発覚直後から、原告保護者の要望により原告本人からは直接事実関係の確認ができず、原告が話したとされる内容を原告の両親から間接的に聞くにとどまった」とあります。 これらの答弁や記載は、事実無根であります。そのことは、前述5〜6頁の<質問1> @〜Dの事実から証明できます。 学校・教育委員会は事件発覚後、いじめを隠蔽することに終始してきました。その不正行為を揉み消すためか、被害者保護者に責任転嫁を図るという極めて卑劣な行為を取っています いったい、「誰が」、「いつ」、「誰から」そのように聞いて、このような答弁や記載をしたのか説明してください。教育長名で公文書を発行し、指導部長が議会で答弁するからには、当然確証があってのことでしょう。であれば、それを詳しく説明するのが行政の責務です。正当性を主張するのであれば、公務員が公務で行なった行為について、匿名にする必要はないはずです。 <質問3> 陳情第369号での答弁で、教育長は「学校側で事実関係を正確に把握できてない状況の中で,被害を受けたとされる当該保護者からの要望で,学年集会が開催されております。学年集会の中で,当該保護者から関係児童を一方的に加害者とされまして,そのために加害者とされた保護者の一部が態度を硬化させて,聞き取り調査の協力が得られなくなったというようなことでございます。」(会議録62)と述べています。これも被害者側に責任転嫁を図る、極めて卑劣な虚偽答弁です。 そもそも被害者側は、学年集会の開催を一切要望していません。学年集会の開催に当たっては、平成18年2月8日、教諭(担任)、教諭(生徒指導係)の両名が被害者宅を訪れ、「本日、加害児童全員がいじめを認めたので、2日後の2月10日に学年集会を開きたい。了承してほしい。」と、学校側が企画をして、被害者両親に実施の了承を得に来たのです。そして、進行内容は以下の通りです。 学年集会の進行内容(*学校が企画) 1.校長− 開催趣旨といじめ・恐喝事件の概要説明 2.担任教諭− いじめ・恐喝事件の詳細説明と生徒への指導 (内容はすべて録音されており、資料20の通り) 3.被害者母− 被害者の手紙朗読(資料21) 担任の説明と指導内容(資料20)を読めば、担任がいじめ・恐喝の事実を小学生にわかる言葉で説明していることがわかり、一目瞭然で教育長の答弁が虚偽であることがわかります。いじめ・恐喝の存在事実を、担任が説明しておきながら、それを隠して被害者側に責任転嫁しているのです。 なお、誤解がないように申し添えると、被害者の手紙朗読は、2日前の2月8日にI・H両教諭が了承しています。当日、母親は被害者の手紙を朗読したのみで、それ以外は一切説明をしていません。 もし仮に、教育長の答弁に誤りがないとすれば、学校が事実関係を正確に把握していないのに、被害者の要望だけで、I担任教諭は、資料20の説明と指導をしたことになります。それこそ、重大な問題ではないでしょうか。 いったい、「誰が」、「いつ」、「誰から」そのように聞いて、このような答弁をしたのか説明してください。教育長が議会で答弁するからには、当然確証があってのことでしょう。であれば、それを詳しく説明するのが行政の責務です。正当性を主張するのであれば、公務員が公務で行なった行為について、匿名にする必要はないはずです。 【補足説明】 教育委員会の虚偽答弁を挙げれば切がないため、質問は3点に留めますが、以下の虚偽答弁は、審議を左右する可能性がありますので、事実を説明します。 @ 会議録39 教育長「・・・児童館で金銭の授受があった・・・」 資料19からわかるように、児童館で金銭の授受を行なっていません。金銭授受の大半は学校や登下校中です。学校とは関係ないと印象付けようとしているのであろうが、いずれにせよ、文科省のいじめの定義では「起こった場所は学校の内外を問わない」と明記されています。 A 会議録39 教育長「・・・警察署は被害届を受理しておりません。」 警察は被害届を受理したから、加害児童らの取り調べを行ない、彼らに「訓戒指導」を与えているのです。この時、校長・教頭・教諭(生徒指導係)の3名も、警察の取り調べを受けており、詳細を承知しています。警察は受理をせず、自発的に捜査をしたと言いたいのであろうか。このような答弁を行なう真意が不明です。 B 会議録39 教育長「・・・報告に当たっては,指導途中のもの,あるいは調査継続中の事案も報告するように口頭で学校には指導しております。したがいまして,生徒指導に関する状況報告は,すべての事実関係が確定したものではございません。 報告の仕方については、指導課長名で発行されたマニュアル(資料22)があり、口頭ではありません。マニュアルには、調査継続中の事案はカウントせず、特定できた事案のみを報告することと明記されています。 C 会議録71 教育長「・・・報告書につきましては,事実が確定したものだけではなくて,当該の学校で,今,調査継続中のものであるとか,そういったものを含めて報告させておりますので,すべてが,例えば,いじめに限っては,いじめが確定した事案じゃないということがございます。・・・」 Bで述べた通り、報告書の記載マニュアル(資料22)では、事実が確定した案件のみを報告するようになっています。「被害のみや情報のみの事例については人数・件数をカウントしない」(6頁1H項)「『加害者が特定できない場合で、明らかに(加害者が)在校生』の時は『人数0、件数1』と記載する」(6頁1K項)と書かれているのです。 調査中のもので事実が確定していないものは、この報告書には記載せず、別の方法で報告することになっています。 D 会議録73 教育長「・・・加害者とされる可能性のある者を延べ人数を報告するようにと。」 BCで述べた通り、「可能性のある人数」ではなく、記載マニュアル(資料22)には、可能性があっても特定できないものはカウントしないと明確に書かれています。 E 会議録104 指導部長「マニュアルのことなんですけども,紙1枚だけで十分に各学校の方に周知ができるのかどうかというようなことは,・・・」 マニュアル(資料22)は紙1枚ではありません。A4サイズで17頁もあり、そのうち、いじめに関しては7頁も割いています。 さらに周知徹底を図るために、毎年年度初めに、各校より代表者を集め、マニュアル(資料22)を配布し、記載方法の研修会まで行っています。 <陳情事項4> <陳情事項3 質問1>にも関連しています。 前回陳情に対する答弁を要約すると、「校長が教育委員会に、『いじめ・恐喝』と断定して報告書を提出した後に、校長自身がその報告書は間違いだったと訂正した。だが、間違いを訂正した資料は一切存在しない。校長にも直接確認していない。」とのことです。 では、資料がなく、校長にも確認していないのに、なぜ、校長自身が訂正したとわかるのですか? 根拠を示して、明確に回答するように求めてください。 <陳情事項5> 前回までの答弁では、「校長が教育委員会に、『いじめ・恐喝』と断定して報告書を提出した後に、校長自身がその報告書は間違いだったと訂正した。だから、現在は『いじめとは断定できない』」とのことです。では、そのような事実があったとするならば、なぜ、そのことを裁判所への回答書に書かなかったのでしょうか。教育委員会の答弁が事実であるとするならば、当方の主張とは別の角度から、虚偽文書ということにもなります。 すみやかに事実に反した文書を訂正するように、教育委員会に求めてください。 <陳情事項6> 前回までの答弁の通り、「校長が教育委員会に、『いじめ・恐喝』と断定して報告書を提出した後に、校長自身がその報告書は間違いだったと訂正した。だから、現在は『いじめとは断定できない』」とのことであれば、裁判所は重大な過ちを犯したことになります。校長が訂正する前の報告書を根拠に、裁判所はいじめを認定しているのですから。つまり、裁判で加害者とされた子どもたちは、冤罪(疑わしきは罰せず)ということになります。 冤罪になった子どもたちが、民事裁判で再審請求できるように、教育委員会にしかるべき措置を講じるよう求めてください。 私どもの活動は、子どもの人権を守り、救済していくことですから、その観点からも強く要望いたします。 なお、教育委員会は、これまで判決内容に対して、「どうこうと言える立場ではない」と答弁してきました。しかし、そのような問題ではなく、冤罪の子どもたちを救済するのが第一義であり、教育委員会の責務です。今一度、そのことを肝に銘じて対応する必要があります。 <陳情事項7> これまでの陳情で訴えてきた教育委員会の行為について、文部科学省も問題があるのでないかと、昨年11月より調査を開始しています。文科省が説明を求め、指導課 T主事が上京したとのことですが、根拠のある説明が一切なされず、遺憾であると述べています。 さらに、H指導部長の次の答弁は、いじめの定義に反し、文科省からのこれまでの通達にも従っていないことになります。 文科省や市会において、真実を隠さず、嘘をつかず、このような行為を正当化しないよう求めてください。 (H指導部長の答弁) 「これも何度も申し上げますけれども,全員の方から話が一致するような努力をしなさいということで学校には言っておりますが,担任,それから生徒指導,校長あたりが中心になっていろいろ動いたと思いますけれども,何人かの方から事情が聞けなかったというのは事実でございます。ですから,話が一致するというところまでなかなか行き着かなかった時期でございます。」 このような学校への指示であれば、全員がいじめを認めない限り、いじめは存在しないことになります。平成17年度当時の文科省のいじめの定義は、以下の通りです。「いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと」と明確に書かれています。 <平成17年度当時の定義> 「いじめ」とは、「自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」とする。 なお、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと。 なお、当時の校長は、平成17年度当時の定義に基づき、「いじめがあった」と断定しています。これまで、教育委員会は何度も、平成18年度から定義が大きく変わったことをもって、自分たちの正当性を主張していますが、それは全くの筋違いであることを申し添えます。 <陳情事項8> 教育長は次の答弁を行なっていました。 「決して虚偽の報告をしたということは断じてないというふうに私自身は信じておりますし,そんな教育委員会ではないというふうに思っておりますので,答弁になっているかどうかわかりませんけれども,以上でございます。」 個人であれば何を信じ、何を思おうと自由です。が、教育長がこのような答弁を行ない、調査を行なわないことは、不作為の行為であります。横に当時の指導課長(現、H指導部長)が座っており、当時の関係者とも常時連絡が取れる状況下です。容易に調査ができるにもかかわらず、なぜ調査を行なわないのですか。 個人の感想は答弁には不要です。教育長の責務を果たし、根拠を示して、真実の答弁を行なうよう求めてください。 <陳情事項9> 前回の陳情において、M党 I議員(文教経済委員会委員)より、被害者保護者に対して、「陳情を取下げるように」と3日連続で発言がありました。 発言内容の概要は次の通りです。 〔I議員の発言〕 @平成23年9月4日(陳情書を議会事務局へ提出する前日)、I議員の事務所に、被害者父が陳情趣旨と概要の説明に訪れたところ、以下の発言があった。 「私は議員バッジをはずしてお話しします。」 ※バッジをはずしていても、議員にはかわりはない。被害者父はあらかじめ電話でアポイントを取り、I議員の事務所の中で会っている。 「陳情をするのを止めれば、私は教育委員会が謝罪するように取り計います。」 ※交換条件を付けて、取り下げを迫る行為ではないか。 「こんな陳情などしていたら、あなたの息子さんはいつまでも苦しい思いをすることになる」 ※脅しにより、取り下げさせる行為ではないか。 被害者父は、教育委員会の形式的な謝罪が陳情の目的ではなく、翌日予定通り、陳情書を議会事務局に提出する旨を話して、事務所を去った。 A翌9月5日(陳情書を議会事務局へ提出した日)、I議員より、被害者父へ電話があり、以下の発言があった。 「私は今、教育委員会のしかるべき人物と会って話をしている。・・・あなた方が今日、議会事務局に出した陳情書がここにあるので、私は困っている。・・・陳情を取下げる用紙を、陳情者の方にFAXするので、住所と署名と印鑑を押すだけいいようにしておくので、陳情者の方に連絡してください。・・・その用紙が事務局に届いたら、私は教育委員会の人に、謝罪するように言います。・・・」 被害者父は、陳情の趣旨はそのようなことではないので、陳情は取下げない旨説明した。 Bさらにその翌9月6日(文教経済委員会委員の視察先から)、I議員より、被害者父へ電話があり、以下の発言があった。 「今私は、文教の委員と視察に来ています。皆、あなた方の陳情を取下げるべきだと言っています。・・・だから、陳情者の方に連絡して陳情を取下げるように連絡しなさい。・・・」 被害者父が、要求を断わり、取下げない旨を話すと、I議員は近くにいた女性に、小声で話しかけていた。 「やっぱり取下げないと言うてるわ」と話し、その女性の返事が聞こえてきた。 さて、I議員のこのような発言は、「国民の議会に陳情をする権利」の侵害に当たると考えます。I議員は、「神戸市小学校PTA連合会会長」「神戸市PTA安全教育振興会副会長」などを歴任し、「神戸市いじめ防止対策推進委員会委員」を務めた方です。特に「神戸市いじめ防止対策推進委員会」は、H指導部長が指導課長当時に立ち上げられた委員会です。 なぜ、I議員は陳情取下げの言動を、執拗に被害者父に行ったのか。教育委員会からの依頼があったのではないかと推測しています。9月5日、教育委員会の「しかるべき人物」と会っている席で、陳情取下げの電話を行なっているのですから。 さらに、9月6日に取下げの電話をした際に、近くにいた女性は誰でしょうか。I議員は「文教の委員と視察に来ています。皆、」と言っています。多数の議員と申し合わせて、電話をしてきたのでしょうか。もし、それが事実であったら大問題です。 @教育委員会は、I議員に陳情取下げを依頼したのか。 AI議員が9月5日に会っていた、教育委員会の「しかるべき人物」とは誰なのか。 BI議員以外の議員にも同様の依頼をしたのか。そして、その一人が、9月6日にI議員が電話をした際に、近くにいた女性なのか。 事実調査を行ない、もし教育委員会が「国民の議会に陳情をする権利」の侵害行為を行っていたのなら、適切な措置を求めます。 なお、万一、I議員が上述の発言を否定するのであれば、3日間の会話録音を提出いたします。 |
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