わたしの雑記帳



2008/3/23 学校の事件や事故で亡くなった子どもたちの卒業式。森啓祐くん(中2・13)の卒業証書


2008年3月19日(水)から24日(月)の予定で、横浜新都市センター市民フロアで「ジェントルハートメッセージ」を開催。
22日(土)には、福岡県筑前町でいじめ自殺した森啓祐くん(中2・13)のお母さん・森美加さんが来場。小森美登里さんが手書きの卒業証書を手渡した。

生きていれば、この3月に卒業するはずだった啓祐くん。
多くの学校事故・事件で亡くなった子どもたち同様、卒業式に遺族は呼ばれない(me010327参照)。
事件・事故のあと、教育委員会は校長や教頭、関係する教職員を他校へと異動させる。直後の3月に移動がなくとも、たいてい同級生らの卒業と同時に異動させる。教師も生徒もいなくなると同時に学校から、完全に痕跡を消したいと願うのだろう。

しかし、本当に忘れてしまってよいのだろうか。それは、学校のため、子どもたちのためになるのだろうか。
むしろ、一生忘れないようにしっかりと心に刻み付け、二度と他人を傷つけない、心と体への暴力をふるわないという誓いこそが、卒業に際して必要なことではなかっただろうか。それこそが、ひとを傷つけ、自らも傷ついた子どもたちが、不幸な過去を教訓として生かし、未来を切り開く唯一の道だったのではないだろうか。

2005年3月26日、中学校校舎から飛び降り自殺した安達雄大くん(中2・14)ご両親が長崎県・長崎ビューホテル11階で、雄大くんの卒業式を行った。
タイトルは IT'S A MIRACLE TO MEET US TOGETHER <長い長い人生の中、君に出会えたことは奇跡だと思うんだ> 雄大と共に・・・。この一年を振り返って 〜ありがとう〜
そのときの同級生からのメッセージは今、ジェントルハートメッセージのひとつとして、各地の学校で、横浜の会場で、展示されている。そして福岡の会場でも展示されると思う。

同じ親の思い。一方で、教師の叱責が原因で亡くなった雄大くんの展示にはたくさんの同級生らが参加したが、クラスでいじめにあっていた啓祐くんのメッセージ展にはどれだけの子どもたちが来てくれるのだろう。
かつて、横浜でいじめ自殺した小森香澄さん(高1・15)の両親が学校の卒業式に呼ばれず、卒業証書ももらえなかったのを知って、福岡県の私立飯塚高校古賀洵作(しゅんさく)くん(高2・16)のお母さんが、手書きの卒業証書を贈ってくれたという。それがとってもうれしかったから、今度は香澄さんのお母さんの美登里さんが、啓祐くんのお母さんに贈った。

まさしく、啓祐くんが小学校の卒業文集に書いていた「僕は優しくすることをいろんな人に教えてもらいました。優しくすることを僕が下の人たちにしてあげて、その下の人もその下の人にしてあげたら、みんな幸せになると思います」という言葉の実践がそこにある。

2008年4月3日(木)10時00分〜16時00分、福岡県の西鉄グランドホテル(天神)で、森啓祐くん(中2・13)のご両親主催のメッセージ展が開催される。小森美登里さんも駆けつける予定。
たった一日だが、一般の方の参加もOKということなので、ぜひ会場を訪れてほしい。
そして、大人も、子どもも、今一度、心について、命について、啓祐くんが私たちに残していってくれたものについて、亡くなった子どもたちが私たちに残していったメッセージの意味を考えてほしい。
私たちが、亡くなった子どもたちにできることは、それしかないのだから。


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