2007/4/4 | 自閉症児Nくん転落事件の第三回口頭弁論 | |
2007年3月29日(木)、東京地裁八王子支部401号法廷で、自閉症児Nくんの転落事件の口頭弁論があった。原告側の主任弁護士である清水弁護士は、人身事故による電車の遅れでやむなく欠席。新たに加わった男性弁護士が主に法廷でのやりとりをした。 原告側は教師の行為とNくんがけがをした経緯が問題だと主張。 被告の学校・教師側は、教師が扉を閉めたこと、学校管理下でNくんがけがをしたことは争いがないとして認めたが、Nくんがけがをした場所は、体育館のなかなのか、体育館の窓から落下したときなのか、特定できないとした。 原告側は、自閉症であるNくんを体育館に閉じ込めればパニックを起こすことは容易に想像しえた。体育館はいろんなものが置いてある危険な場所である。けがをすることも予見しえたと主張。そこに故意に閉じ込めることは、監禁に当たるとした。Nくんは当時小学校3年生。自閉症でなくとも、また体育館ではなく教室であったとしても、ひとりにすることは監禁に該当するとした。 それに対して、被告側は体育館の扉にはかぎはかけていない。予見可能性の根拠を示すよう原告側に要求。また、Nくんが過去に転落事故を起こしたことがあるかどうかについて教えるよう要求した。 原告側はすでに予見可能性についての根拠は示しており、事実が特定できようができまいが、教師の責任は逃れられないとした。 裁判長は、被告側で反論を主張してほしいとした。 学校側は体育館にNくんを閉じ込めたことを指導といい、被告側は小学校3年生で、自閉症の児童を体育館に閉じ込めることは、体罰どころか監禁罪にも当たる。窓から転落しなかったとしても、いろいろなものの置いてある体育館内ではけがをする可能性は高く、けがは予見できたとした。 「入ってはいけない」と禁止した場所に閉じ込めるのは、指導と言っても矛盾している。懲戒だったのかどうかを原告側は聞いたが、被告側は明確には答えなかった。 ほかに準備書面の語句について、いくつかの間違いの指摘があった。 次回は5月17日、13時10分より。争点の整理を行う。 |
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