のじれん・現場からの声
 

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現場からの声

8月14日(土)夏まつり

 渋谷で初めての仲間の夏祭り。

 当日は、朝から洪水警報が出るほどの大雨。これでは規模縮小は避けれられない。「せっかくの数少ない楽しみに、神様も酷な事をするな」というような滑り出しであった。

 が、準備段階では皆ずぶ濡れで大変な思いをしたけれど、蓋を明けてみれば天気は回復。雨で場所を宮下公園から児童会館前に移したことで、むしろかえって親密さを増した結果になったかもしれない、と思わせるような、和気あいあいとした雰囲気で祭りは行われた。

 普段の寄り合いと同じ場所の児童館前では祭りらしくならないのでは、という不安をよそに、楽しそうにイベントに興じる仲間達を見て一安心。なんとか祭りの華やかさは維持されているようだ。

 予定から1時間遅れで、亡くなった仲間の追悼会が執り行われた後、普段よりちょっと豪華なメニューと、ささやかなアルコールを振るまい、祭りはすすむ。面白いのか面白くないのかよくわからない漫才、Tシャツの販売ブースの賑わい、祭り独特の喧騒がそこにある。すこし高揚した気分が暗い日常を忘れさせる。

 今回の祭りは、渋谷でははじめての試みということもあって、なにかと準備では気を揉むことも多かっただけに、祭りらしく楽しんでもらえるかどうかを一番心配していた。でも良かった、苦労した甲斐があったというものだ。

 だが、気になることもなかったわけではない。カンパの集まりが悪く、予算を絞ったことが、チューハイのアルコール度数の薄さや、変化の少ない出し物にもろに反映しているのは、誰の目にも明らかだった。

 あとは監視の存在。いつもより目立つ感じですぐ後ろに立っている私服の刑事たち。まるで存在を誇示しているかのように、これ見よがしに監視する彼ら。祭りで酒が入った勢いで暴動に発展するとでも思っているのだろうか。でも、残念でした。彼らの思惑は空振りだった。仲間達は彼らの思っているようなアウトローではなく、分別のある大人だったのだ。そのうちにいつのまにか、彼らの姿も見えなくなっていた・・・・。悲しい人達。

 今年の夏祭りは、準備期間が少なかったことが最大の反省点といえるかも知れない。しかし初回としては上出来だ。のじれんのめざす「野宿者は、なったら終わりのただ我慢するだけの棄民ではない。人間らしい楽しみも当然必要だ」という考えのごく一部でも達成されたと思う。

 このささやかな成功を糧として、次回以降はもっと楽しく、盛大に行いたい、などと、片付けながら心はすでに来年に飛んでいるのであった。

 これを読んでいるみなさん、来年はカンパをよろしく!!(高)

 


(C)1998,1999 渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
(のじれんメールアドレス: nojiren@jca.apc.org