現場からの声
7月21日 Sさん、その後
(7/3の深夜、渋谷から救急搬送されたSさん退院)
今日、先日救急搬送されたSさんが無事退院した。
当初、Sさんは病院の人から「退院したら、その足で、病院の人と板橋区役所に行く」と言われていたらしいが、実際、退院する際には「一人で渋谷区役所に行ってください」と言われたそうだ。
支援のK君に退院に立ち会うようにお願いしておいてよかった。退院後、そのまま、おぼつかない足下のSさんに、K君がつきそって、渋谷区役所に行き、印鑑を買って生保の継続手続き(?)をした。その際、渋谷の担当のケースワーカーは「ギンセンに行ってください」といったので、K君が「ギンセンしか開いてないの?A寮は?」と尋ねたところ、急遽、A寮への入居が決まった。
K君は、A寮で一緒に手続きをした後、他の渋谷からの仲間をSさんに紹介しておきたかったらしいが、A寮はその時間、何か立てこんでいたらしくて、たまたま、出会ったIさんにだけ、紹介して帰ってきたそうだ。
Sさんは、実質的には、すでに野宿者というより、身寄りの無いお年寄りといえるだろう。にもかかわらず、渋谷区の対応はお世辞にも良いとはいえない。どうやら行政にいじめられているのは野宿者ばかりではないらしい。
ケースワーカーにしても、机の前に座ったきりで、他にやることが無いのだろうか。K君のやったことなど、本来ケースワーカーがするべきことではないのだろうか。K君がいなければ、Sさんは、A寮までたどりつけたのであろうか。再び路上に戻らざる得なかったのではないか。
予算がない、他にもやらなければならない仕事が山ほどある、などという彼らの言い訳が聞こえてきそうだが、では、彼らのやっている仕事は一体何?非効率な上、弱者にとっては極めて冷酷な仕打ちになり得るお役所仕事は、今後、是非とも改められなければならないだろう。(高、P)
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