のじれん・通信「ピカピカのうち」
 

Home | Volume Index | Link Other Pages | Mail Us | About Us | Contact Us   



福祉行動で
私も自立を学んでいます


釜谷明生

 今年の6月頃から、のじれんの活動に参加させていただいています。主に月曜日の福祉行動に参加させていただいていますが、まだまだ慣れないことも多く毎回あたふたしてばかりです。その福祉行動の午後からの面会行動で、いくつかの施設や病院に行かせていただいていますが、私は仲間の方々と落ち着いてゆっくりと話ができるこの時間が一番好きです。

 新大久保療の仲間たちと近くの広場で確かに他の活動の際にも話はできるのですが、この面会行動の時間では私だけでなく、仲間の皆さんもおちついて余裕を持って話をすることができるように感じられます。その余裕というのは単に路上生活から脱却したということで得られるものではないように感じます。それは言葉では表現しにくいのですが、仲間の皆さんの顔の表情を見ているとすぐに伝わってきます。特に以前は苦しい顔をされていた仲間の方が病院から施設へと移動していくごとに、少しずつ少しずつ笑顔になっていく様子は、見ている私もついつい嬉しくなってしまいました。

 私の勝手な想像なのですが、その仲間の方が笑顔になっていったのは、きっと自分がある方向へ向って進んでいるということが感じられるようになったからではないかなと思うのです。  自立という言葉にもいろいろな意味があって、私のような者が「これが自立だ」なんて定義することはできないのですが、その仲間の方の顔が笑顔になり、自然に私まで嬉しくなってしまうのには、その自立というものに触れることができているからではないかなと思います。このように考えると今まで自立というと厳しいイメージがあったのですが、今では自立にもこんなあったかいイメージがあるんだということに気づかされました。

 自立なんてまだまだそんなに甘いものじゃないという声が聞こえてきそうです。確かにそうかもしれません。しかしあのときに私も自然に嬉しくさせられたように、自分だけでなくその周りの人までも幸せにしてしまうようなそんな自立を私自身も目指したいと考えています。


 


(CopyRight) 渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
(のじれんメールアドレス: nojiren@jca.apc.org