のじれん・通信「ピカピカのうち」
 

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代々木公園パトロール


ほりぐちあんな

 仲間によるガーデニング。日に当たりが悪いのでなかなか育たない。午前中に開始ということで時間がゆっくりとれる代々木公園パトロールは、参加人員が少ないこともあり、支援の方の力も抜けている。ビラを配りながら健康を尋ねたり、襲撃などの問題が起きていないか聞いて歩くのは土曜のパトと同じだが、違うのは話しこみの時間が長いこと。

 仲間のテントにあがりこみ、お茶をご馳走になりながら30分、時には1時間も話しこむ。

 代々木公園に寝起きする200人近くの野宿者のほとんどがアウトドアテントやブルーシートで作ったテントで暮らしている。居住性の高いものも多く、特に、5年10年とここで野宿している根っこの生えた仲間のテントは、骨組から組んであったり、湿気対策のため床を上げてあったりする。生活用品も布団からカセットコンロまで一式揃っており、駅周辺でダンボールの上に寝ている野宿者よりは静かで快適な?生活をしていると言えるかもしれない。

 パトロールの途中でジョギングや散歩に来ている人と言葉を交わすこともある。毎週来ている人でも、200人の野宿者が代々木に定住していることを知ると大変驚く。それは、仲間がテントを張る際、フェンス沿いや木の茂みといった目立たない場所を選んでいるから。  そんなふうに一般の公園利用者に気を使いながら生活する仲間たちと、公園を管理する管理事務所との関係は、おおむね良好と言える。管理事務所の行う月一回の清掃のときはテントをたたまなければならないが、これまでののじれんとの話合いの中で事務所は強制的な撤去はしないと確約している。代々木公園は都の施設。自らの対策の遅れを考えれば、撤去など許されるはずもない。

 しかし、特有の問題もある。

 木が生い茂り、夜は街頭もなく人通りもない代々木公園は、野宿者にとれば人目が避けられる分住みやすいが、人目がないということは、一方で襲撃や陰湿ないやがらせを招きやすいという欠点にもなる。実際、94年には若者による襲撃事件で仲間が一人殺されている。また、代々木公園にはとりあえず食うに困っておらず、現状にある程度満足している定住層より数こそ少ないものの、昨日今日野宿に追いこまれたような流動的な野宿者もかなりいる。彼らには炊き出し・寄り合いを始めとするのじれんの活動や集団野営のことを紹介し、具合の悪い人は月曜福祉、仕事探しに悩む人は日曜就労相談につなげる。

 ということで、肩の力など抜いていられないのだが、何しろ広いし花がきれいだし、長く続けるためにものんびり適当にやっている。 おしまい。



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(CopyRight) 渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
(のじれんメールアドレス: nojiren@jca.apc.org