5・1 メーデー報告
5月1日「のじれん」は、渋谷・新宿・山谷で構成される全都野宿労働者統一行動実行委員会(全都実)による「全都野宿労働者メーデー」に、渋谷80名の仲間の結集で、全都600名の仲間とともに、起ち上がった。
昨年のメーデー実行委を皮切りに、自立支援センターを求める全都実が結成された。
昨年メーデー交渉での都側の約束である自立支援センター年度内実施は、99年度現在に至っても具体的な発表がなされていない。繰り返される怒りの団体交渉は、東京都や予定地と見られる台東区を断続的に攻めつづけてきた。
我々はもう待てない。
予算もついている。候補地も挙がっている。23区と都の役人が面つきあわせて検討会を繰り返してなお、「地元有力者」がどうしたこうした、各福祉事務所の温度差があーだこーだとの言い訳はもうたくさんだ。
そうこうしている最中にも野宿の仲間たちは増えつづけ、路上に叩き込まれたが最後、そこから一歩も踏み出せず、呻吟のうちに路上死を強いられている。この現実、否応のない怒りを呼び覚ます。
失業率が5%を超えたと聞く。しかし日雇い建築・土木の低辺労働者は失業率にすら数えられない不可視の存在に据えられてきた。この社会の「高度な発展」を支え、「社会資本を整備」してきたのは一体誰か。そしてその発展は誰の手に握られたか。俺たちには屋根一つなく、かき消された仲間の断末魔の叫びはもはや一時の猶予もなく、奴らの鼓膜を突き破る怒りの声となりこぶしを握り締めている。
野宿の仲間のメーデーは、社会的下層へリストラのしわ寄せを強いる現実に目をつぶり、手前の生活と雇用を守れと呼号するような質とは対置される。まともな生活も雇用も奪われた労働者たちの、むしろ自己の置かれた規定性そのものをぶち破っていく闘いとしてある。
1800年代後半アメリカシカゴの労働者が生命をはって残虐極まりない権力弾圧と闘った闘いをわがものとすべく、世界中の労働者により今もなお脈々と受け継がれているメーデーの闘いに立ち上がるすべての労働者とともに俺たちはあるのだ。
今回のメーデーに先立ち、渋谷の仲間たちは日雇いで稼いだ日銭を持ちより、「渋谷のじれん」のTシャツを作り、自らで作ったTシャツを着て、晴れ渡る新宿・都庁足下をみなぎるような仲間の勢いを示しきった。
昨年のメーデーをはるかに倍化した80名の渋谷の仲間は、奴らをぎゅうぎゅうとひねり上げ、悲鳴を上げてわれらのその手中にすべき当然のものを彼らが手放すまで攻め立てるであろう。
俺たちは、全都数千名の仲間とともに、全国・全世界の人々ともに、野宿労働者メーデーでうち振るわれた黒赤も鮮やかなのじれん渋谷旗を押し立てて前進するのだ。
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