くらさん日記
第15回 全国地域寄せ場交流会報告
7月4〜5日、神戸で第15回全国寄せ場交流会に出席した。参加者数159名が
灘カトリック教会の聖堂に集まり、開会。
神戸の野宿問題について基調報告、「神戸の冬を支える会」の狩谷さんが説明
してくれた。
明石海峡大橋の巨大プロジェクトが終了して、若い人までも働くところがなく
なってしまった。手配師が夜逃げ、下請け業者が破産し、飯場は、姫路市や郊
外に散在して、暴力飯場かケタオチ飯場が多くなった。港・神戸の新開地手配
は、港湾労働から土木建設業に変わってきたが、朝の5時から100人のうち10
人が働けるだけで、手配師の車がまったく来ない日もある。こんな寄せ場になっ
てしまった。
安いドヤが減り、ドヤ代の値上げ、寄せ場からの仕事がなくなり、ドヤに宿泊
できる労働者が少なくなってきた。
《働くというのは、はたを楽にしてやることだ》
景気はホップ・ステップ・ジャンプですか……総理大臣どの。
神戸市の生活保護と施設の問題。住所不定者は、福祉事務所長委任規約で更生
センターへ送りこまれ、更生センターは生活保護法による更生相談をして、社
会事業法による一時宿泊となる。食事、風呂、衣料品の支給はなく、夜5時か
ら翌日朝8時までしかいられない。そのうえ、一泊50円の兵庫荘、一泊200円
の磯上荘と、現金が取られてしまう。まだある問題点、それは現在仕事に就い
ていることが条件だということ。
また、女性のホームレスは、兵庫県立婦人相談センターへのみで道が一つしか
ない。
各区福祉事務所は、一週間の居住実績の証明があれば、居宅保護で医療扶助も
うけられる。敷金ができない人は、ドヤで居宅保護を勧められる。
そして野宿者は病院に入り、施設へ行き、また野宿に戻る。悪い循環で、野宿
─病院─野宿の人もいる。
撤去の問題。「少なくとも二週間以上の猶予期間をもたせ、貼り紙をし、事情
を本人に知らせ、今後の行き先等の相談をした上で、本人の了解なしで、強制
的な撤去は行わない」という対市交渉でのとりきめがあるが、震災復興を名目
とした、野宿者に対する立ち退き、撤去が増加している。
また野宿者が増加して、嫌がらせや襲撃もふえている。「命の尊厳について指
導してきた」、「あらゆる人権を守るよう指導してきた」、「教師の指導が通
じない生徒もいる」。一つ一つできることを教育指導願いたい。
神戸市教育委員会は問題を理解し、現在のホームレスに対して、「こうせい、
ああせい」と上から言うんじゃなくて、みんな(当事者)の考えも入れて、民
主的に相談して決めれば、現状よりよくなることでしょう。
神戸の冬を支える会、カトリック社会活動神戸センター、日本バプテスト連盟、
神戸YWCA、兵庫県被災者連絡会、その他参加団体・個人の方、神戸は大変
ですががんばってください。
最後に、みなさんに会えて……本当にありがとうございました。
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