はじめに
「野宿は本人の責任」と思っている人はどれだけいるでしょうか。割とワカッ
テいると思っていた「知識人」がこんな発言をしているのを聞いて、やれやれ
と思ったことがあります。
実際に多くの野宿している人たちと話してみて感じることは、「それぞれの事
情がある」という当たり前のことです。そう、家のある人たちにもいろいろな
事情があるように。
一方、当人が野宿を抜け出したいと思ったときにそれを支える制度はこの国に
はまったくといっていいほどないのです。それでも「野宿は本人の責任」なの
でしょうか。
のじれん(渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合)の名称にある
「生活」は、単にその日を生き延びるというだけではなく、人間としてのいき
いきとした人生をおくることのできるよりよい生活を意味しています。
「居住権」は、単なる住居を求めるのにとどまらず「適切な」居住環境、さら
に、いかなる環境であれその人が望まない立ち退きを強制されることのない権
利を指しています。
そして私たちは野宿している人たちもそうでない人たちも対等の立場で、個人
の自由意思に基づいて結びつく「自由連合」という形をとっています。
のじれん通信『ピカピカのうち』の役割は、「のじれん」の日々の活動・成果
を報告することと、これまで関心のなかった人にもわかりやすく野宿の問題に
関わるきっかけを提供することです。
もしこの通信を読んで、わからない!もっと知りたい!と思ったら、手紙
をください。ただの感想でもいいのです。できれば現場に来てみてください。
ただ遊びに来る気持ちでもいいのです。一方通行でないやりとりから何かをは
じめてみませんか。
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