代々木公園工事立ち退き問題の経過報告
中郡千尋
11/15(金)寄り合い 結集約20名
前回の団交の紛糾(11/8の第3回団体交渉では、公園側が先行して他の仲間を代替地に移転させようとしていたことが発覚し、「話に
ならない」と、仲間の怒号と退席で話し合いが紛糾した)の責任は 公園側にあることを確認し、冬は移転しない、春交渉再開を次回団交で確約させることを確認した。
11/20(水)代々木一斉清掃
清掃が終わるころ、代々木警察署による身元調査が行われる。
(抗議声明参照)テント小屋に住む仲間だけを対象とし、名前をきき、 写真を取り、女性の部屋までずかずかと入り込んだという。万が
一の際の身元確認というものの、野宿者を「犯罪者」扱いした治 安管理対策に他ならなかった。
11/27(水)代表交渉 結集約20名
先行工事の対象となる南門陸橋下の仲間を中心に再度寄り合いを持ち、それぞれの希望場所(近くにスライドさせる仲間が多かった。)をきき、渋谷門から南門の仲間とともに最後まで動くことを再度確認した。
代表交渉ではまず前回の団交の紛糾の責任を認 めさせ、今後話し合いの前提をつき崩すようなことをしないこと
を約束させた。
公園側の「移転−戻るな」という条件を飲むなら、 こちらも「冬移転はしない」ことは絶対に譲れない。
この点は妥結できなかったが、代替地の大幅な拡大、設備など柔軟に対応す る回答を得た。後一押し。
11/29(金)第4回団体交渉 結集約70名
まず、20日の身元調査に関して人権の侵害であり、公園管理者として厳重注意を促す抗議文を管理事務所長に提出。公園側は警察に伝えると約束した。
そして代表交渉の際から焦点となっている 「移転の時期」について公園側は「代替地改善は検討するが時期 は変えられない」と突っ張った。
交渉はしばらく平行線を辿ったが、ついに公園側は以下の提案を出してきた。
1)南門陸橋の耐震工事は緊急性があるため、渋谷門から南門の環境整備工事に先行して行う。工事後は「戻ってこられないようにはしない」
2)12/16から渋谷門から南門間の仲間に対し移転先の希望を聞き、 移転地の調整を行う。
3)明け2/7、第5回団体交渉。最終的な妥結、細かな条件の確認。
4)2/8から22まで仲間自身の主導権で移転場所調整。前回移転地を含めた代替地の改善、整備も並行して行う。
5)3月上旬に移転。 移転の条件として a)代替地の大幅な拡大 b)水道の新設
c)トイレ・街灯の新設は前向きに検討 d)単管パイプの支給
さらに公園側は仕事だしについて言及した。
1)12月23日から3月7日まで
2)代々木公園管理事務所を窓口にして山谷労働センターの求職カードに登録する。
3)緊急雇用制度を使い、5600人分の仕事のうち、4200人分が山谷労働センターにまわる。そのうち420人分以上を代々木を窓口とした仕事として出す。
4)単発ではなく継続して仕事を出す。
仕事だしについてはわずか延べ450人分の仕事だが、局地代々木公園の移転地域だけでなく、仕事を求めるすべての仲間を対象としたの
ものとなった。今後の公的就労要求の突破口であり、大きな第一歩 である。
11/30〜12/15 南門陸橋下の仲間、各人の決めた場所へ一時移転
12/16〜
公園側が工事地域を回り、おおよそ代替地のどこに移りたいかなどをヒアリングにまわりはじめる。
12/18(水)工事移転問題を闘う中で勝ち取った仕事出しの抽選会。
1回9人が5日間(月〜金)×10週の90人分の仕事に渋谷内外 から約200名が代々木公園に集まった。抽選を見守る真剣な張りつめた空気が管理事務所を包んだ。
仕事内容は世代々木公園内、明 治公園、青山公園内の落ち葉かき、池の掃除など。
1/28(火)話し込み2月の交渉再開へ向けて話し込み。
住民の反応は「公園側に自分の 希望を言ったからよい」「住む場所さえあればよい」など消極的な
ものが多かった。
これは前回の団交で代替地移転の話がついてから 長期間開いたことが理由として考えられる。ただし、アルミ缶のつぶし場・音の問題、隣との間隔の問題、人間関係などの問題・不安はある。
1/30(木)
定例会議にのじれんとしての方向性を提起
移転場所決定に際しての目標は公園側の決めるがままにならず、 住民の間で話し合い調整し、みなが納得する形で移ること。
1/31(金)寄り合い 結集約20名
話し込みの反応、また寒さもあって当該地域の仲間の参加が少なかった。
2/5 (水)事前折衝
団体交渉を前に公園側の代替地決定の案を聞く。はじめに代替地の整備
はせず、移る場所が決定してからその人の要望に合わせて手を加える。
水道、その他資材・設備に関しては柔軟に対応する構え。
2/6 (木)定例会議で団交の確認
公園側の説明を受けて団交の流れを会議で確認。話の焦点は以下の通り
・昨年の代々木署による身元調査について代々木公園の責任追求。
・仕事出しについて。継続的な仕事出しと代々木公園に高齢者特別就労の登録窓口を出張させることを要求。仕事に関連して雨の中ずぶぬれで作業をし、風邪をひいてしまったという報告や、2/1には仲間が作業中に倒れ、救急車で運ばれたが、心肺蘇生の甲斐なく心不全でなくなったことを受けて、労働上の安全衛生の問題を業者とその元受けである山谷労働センターに追求していく。センター所長を代々木公園に呼んでくるよう求める。
・前回までの団交の確認項の再確認
・今後の移転地決定の段取り、条件確認
2/7 (金)第5回団体交渉 結集約40名
まず、代々木署の身元調査については「野宿者を犯罪者扱いした調査に対し公園から強く抗議すること」を要請した。次に仕事出しに関し
ては2月半ばにセンター所長と交渉の場を設けることを強く求める。
代替地移転に関してはまず前回までの確認項である「話し合いで決着 がつくまで工事を行わないこと」「移転決定後も住民の要請に従い、継続的に交渉の場を持ち生活環境改善に施策すること」「移転地を他
の追い出しの墓場にしないこと」「移転後はさらなる移転を強要しないこと」を再度確認した。移転地整備に関しては「整備をする前に場
所を決めるのは話が違う」との仲間の声に、2月2週のうちに移転地を全体的に整備することを約束させた。水道3ヶ所設置、単管パイプ
は個人の希望に合わせて調整、トイレ・街灯は現時点では予算が足りないが、今後前向きに検討とのこと。
2/10(月)ビラ撒き(号外)
第5回団体交渉の結果を受けて、11日に代替地の区画落とし、14日に寄り合いを行うことを情宣する。
2/11(火)公園側が代替地に区画を落とす。住民と下見へ。
土地柄 水はけが悪く、高低差も激しい。いくらおおまかな造成をしたとしても、場所決定の際に場所の条件に差が出てしまうことが予想される。
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