<特集:野宿者排斥を許すな!!>
渋谷区福祉事務所への請願書
厚生労働大臣 殿
東京都知事 殿
渋谷区長 殿
渋谷区福祉事務所長 殿
請願書
私たちは渋谷区域において路上生活を強いられている方々(以下
野宿者)の生活状況改善を目指している市民団体の「のじれん(渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合)」と申します。野宿当事者と支援者で構成されているNGO団体です。
この度、渋谷区福祉事務所保護課で公務に就いている相談員 I氏
によって行われてきた野宿者の人権を無視した対応について関係者各位に対して抗議し、I氏への適切な処分と迅速な改善指導を求めます。
1、渋谷区福祉事務所保護課相談員 I氏 に対する懲戒処分の請願
渋谷で野宿生活をしている方々にとって、渋谷区福祉事務所保護課は第一義的な公的機関となります。当課で公務に就いている相談員
I氏
は野宿を強いられている相談者に対して非行的対応を繰り返してきました。その対応の記録とその違法性は別紙(1)に記す通りです。
その諸行為は、憲法第25条を具体化した生活保護法における生存権を無視・侵害し、生活困窮に陥っている人間の命と生活を脅かしました。それは、公的な実施機関における職務遂行の怠慢に留まらず、公的機関である福祉事務所全体の信用を失墜させるものです。
私たちが当課において行っている野宿相談者の付き添いは週に一度のみのため、I氏の対応全てを網羅していませんが、その僅かな記録上ですら、その諸行為は、地方公務員法第30条(服務の根本基準)、同法第32条(法令等および上司の職務上の命令に従う義務)、同法第33条(信用失墜行為の禁止)、同法第35条(職務に専念する義務)と明らかに反しています。
よって、地方公務員法第29条(懲戒処分)により、I氏に対する任命権者の懲戒処分を請願します。
2、渋谷区福祉事務所保護課相談員 I氏 に対する厳格な指導監督の要求
上記と同様の理由で、別紙(1)に記されているような対応を繰り返してきた保護課相談員
I氏に 対して、社会福祉法第20条による都知事の指導監督を要求します。
さらに、非行を重ねるI氏の対応を事実上改善させることができなかった渋谷区福祉事務所長と保護課長に対して深い反省を求めると同時に、I氏に対する厳格な指導監督を要求します。
この請願書を作成するにあたって、I氏の対応について野宿者への聞き取りを行いましたが、決して全ての方が不満を抱いていたわけではありません。しかし、相談者によって態度・対応がずいぶんと異なる傾向があります。
被害者自身や私たちがその非行に対して抗議をすれば謝意を示しますが、「あの時は悪かったね」「すみません」などと謝罪すれば、「何でも」「何度も」繰り返して良いはずはありません。
また、別紙(1)に記した記録は、被害者からの証言や私たちが直接見聞きした事実に基づいています。I氏や関係者と事実認識の差異やそれについての弁解はあるでしょうが、I氏の諸対応が野宿者を酷く傷つけていることは確かな「真実」です。
もし、関係者が記録の事実を一方的に否定するような場合や誠意ある処分がなされない場合には、国家賠償法による損害賠償の訴えなども辞さない構えでいます。
さらには、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」(法律第105号)の成立という、野宿問題改善に関する社会全体の意識の高まりを念頭にして、地域住民やマスコミなどにもこの件の是非を問い、広く社会の注目を集めるよう努めます。
任命権者、都知事、渋谷区福祉事務所長、同所保護課長のI氏に対する迅速で誠意ある処分・指導監督を改めて要求します。
平成14年11月
渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
渋谷区東1−27−8−202
電話(FAX兼用)03−3406−5254
E-mail:nojiren@jca.apc.org
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