のじれん・通信「ピカピカのうち」
 

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5.1 MAY DAY


 5月1日、全都野宿労働者メーデーが、新宿柏木公園にて行われた。地元新宿、山谷、上野、隅田川などの仲間、そして我が渋谷の仲間と、支援、労働組合の仲間、併せて300人が参加した。全都の仲間の結集は久し振りである。
 意見の違いを越え、団結を再確認し、打ち固めることが今回のメーデーの主な目的であった。以下は当日の集会でよみあげたのじれんのメーデーアピールである。(文責黒岩)

野宿労働者5・1メーデー のじれんアピール

 本日結集した全ての仲間たち!
 本日メーデーは、労働者、貧困者の闘いの記念日であり、世界中で一斉に、政府=行政権力、資本家や支配者に対して、果敢な行動が取り組まれる日です。100年以上前の5月1日、アメリカシカゴにおいて、労働者の権利を求める激しい闘いに対し、政府や警察権力は、血みどろの虐殺、弾圧をもって答えました。それ以来、毎年この日は、世界各地でデモや暴動といった闘いが繰り広げられ、それは労働者の祭りといった生やさしいものではなく、まさに闘いの日としてあるのです。
 
 そして8年前、オレたちもまた新宿、池袋、山谷、上野、隅田川、東京駅、そして渋谷など、都内各地の仲間とともにメーデーに立ち上がりました。追い出し反対!まともな対策を取れ!社会や行政権力に対し、オレたちを支配、管理しようとする連中に対し、オレたちの血叫びを、拳を、突き上げてきました。オレたち、全都の仲間の闘いは、決して行政や政府に何かをおねだりするものでも、お頼み申し上げるものでもありません。仲間の命は仲間で守る。やられたらやりかえす。奪われ続けてきた権利は仲間の力で勝ち取る。オレたちの未来はオレたちで決める。これがオレたちの流儀です。
 
 そもそもオレたちの仕事を奪い、路上に放り出し、野垂れ死にを強いてきた一切の責任は、政府=行政権力にあります。オレたちは福祉や就労といった対策からもはじき出され、公園や道路から追い立てられ、差別と偏見にさらされ、ガキどもに襲われてきました。一体何人の仲間が殺されてきたか。そしてこれから何人の仲間が殺されようとするのか。自民党をはじめとする政府=行政権力は、オレたちを失業地獄に叩き込み、野宿に追いやり、殺してきた責任を覆い隠し、安上がりの処分策として自立支援という名の「対策」を打ち出してきています。しかしどんな美しい「対策」も、そこに支配、管理の論理があって、排除、分断主義に貫かれたものである限り、オレたちを生かすものではなくまさに飼い殺しにするものであり、オレたちの将来の保障はどこにもありません。「対策」にのる、のらないに関わらず、ゆっくりと真綿で首を締めるが如く殺していくのです。そしてその「対策」が、公園や公共施設の適性化の名による排除=追い出しとセットであるなら、これはまさにオレたちに対する死刑宣告というしかありません。
 
 渋谷において、4月中旬に246号線の地下道の仲間が、突然の撤去、バリケード設置によって強制的に追い出されました。そして宮下公園や代々木公園でも、テント規制や立ち退き工事の動きが強まってきています。渋谷においても遅まきながらこの夏に自立支援センターが開設される予定ですが、これらの追い出しの動きは、行政権力の対策の動きと決して無縁なものではありません。この渋谷や代々木の仲間も山谷の労働センターを窓口にした高齢者特別就労を勝ち取ってきましたが、今後ともいかなる排除の動きも許さず、全都各地の仲間とともに仕事の拡大、窓口の拡大を勝ち取っていきたいと思います。
 
 仲間たち!奪われ、殺され続けてきた兄弟、姉妹たち!世界的な経済、産業支配の再編により、貧富の差が拡大し続け、政府権力と大企業は結託して金持ちを保護して、貧乏人にそのツケを回しています。そして労働者はこの泥沼のようなアブレ地獄に叩き込まれ、失業者が350万人を突破し、これからますます野宿に追い立てられる仲間が増え続けていくという厳しい時代の中で、オレたちの未来をオレたちの手でどう切り開いていくか、自分のことは自分で決めていく自己決定権こそがまさに問われていると思います。そしてオレたちを排除し、追い立て、いわゆる対策に押し込めようとする政府=行政権力、オレたちを殺し続け、これからゆっくりと殺していこうと目論む敵と我との関係を見据えていく必要があると思います。
 
 どう生きていくか、どう闘っていくか。それは仲間自身が決めることです。そしてオレたちの隣には、いや全都、全国、全世界には、必ずやともに闘う仲間たちがいます。場所は違えど、意見や立場は違えど、同じ持たざる仲間の力強い団結こそがオレたち未来を告げる武器であることを、この労働者、貧困者の闘いの日であるメーデーをもって改めて全都、全国各地の仲間、支援の仲間とともに確認したいと思います。
 仲間たち!今後とも団結を打ち固め、ともに闘っていきましょう!


 


(CopyRight) 渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
(のじれんメールアドレス: nojiren@jca.apc.org