のじれん財政危機一髪!
▲活動の広がり
私たちは、この三年間、私たちなりに精一杯の活動をしてきました。失敗も多く、みなさまにもさまざまなご迷惑をおかけしてきましたが、経験も蓄積もわずかな中、とにかくがむしゃらに試行錯誤を繰り返してきました。戦略と計画性のなさは私たちの大きな短所である反面、「とにかくやってみる」という行動力は私たちの財産でもありました。
その結果、私たちは現在、200名の炊出しを始めとして、渋谷界隈3班、代々木公園3班、世田谷・駒沢公園1班、東京駅1班(「四谷おにぎり仲間」と合同)、大田区周辺(大森・蒲田・平和島・多摩川)6班のパトロール、福祉行動、数ヶ所の施設・病院面会、自立支援センター入所者への面会、定例会議、を日常活動として毎日のようにこなす他、援農やアルミ缶回収等々の自前の仕事づくり、撤去問題や嫌がらせへの介入、季節ごとのレクリエーション(花見・夏祭り・越年祭)にもそれなりの規模で取組むようになりました。
また、東京都レベルでも行政対策を仲間のものとしていくための全都実の議論・交渉・デモに積極的に参加し、全国レベルでは定例の「全国寄せ場懇談会」に参加する他、一昨年来、越年東西交流・野宿者全国行脚・越年全国交流を実現させるなど全国の野宿者の広汎な結びつきを促してきました。その成果は、北九州・浜松の撤去反対運動を全国規模で盛り上げる一助となった他、とりわけ今回の長居公園の行政代執行問題では、多くの仲間が長期にわたって長居公園に住み込み、現場の仲間づくりの中軸を担うとともに、全国や諸外国へのアピール発信で原稿を書く暇もない現地の側面支援を行ってきました。
その結果、多くの仲間たちが活動に参加し、生活保護をとり、仕事に行き、テントを構え、等々といったそれぞれのスタイルで自分の生き方を選び肯定して自信を取り戻し、さらにその次へと進んでいくためのルートと場所を一定程度提供してこれたと自負しています。また、さまざまな活動展開がそれぞれに共感する多くの人との結びつきを作り、のじれんの周りにはいつも新しい構想が渦巻く、そうした活気ある磁場を作り出してもいます。
▲財政危機とその分析
数名の野宿者と支援者がほとんど専従スタッフと化しているようなこののじれんの活動量も、その財政基盤は『ピカうち』読者を始めとする一般の支援者からのカンパのみ、という極めて脆弱なものです。そうでありながら、私たちはこれまで読者・支援者の基盤づくりと支援層の拡大に真剣に取組んできたとは言い難い状況です。小人数の積極的な支援者の多大な負担の上に回してきた活動も、活動規模の拡大にともなってその限界に達しつつある、その結果が今回の財政収支となって表れた、というのが会計担当の現状分析です。より広い人々の理解を得たい、しかし、理解を得にくいからと言ってそのために活動の大事な基本姿勢を曲げるような無原則なことはしたくない、という中で、いかに財政再建を果たしていくか。簡単には答えが出そうにもない課題ですが、引き続き検討していきたいと思います。
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