のじれん・通信「ピカピカのうち」
 

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日々ののじれん/のじれんの日々


のじれんの日常的な活動を紹介します。

活動はだいたい週単位の(曜日によって行動が決まっている)ものが多いので、 曜日ごとに紹介していきます。

自分たちではもう意識しなくなって普通に使っている言葉も「業界用語」なの かもしれません。できるだけ 欄外に説明を付けてみます

●木曜

広域パト

夜間、土曜日のパト では覆いきれない地域、例えば青山、恵比寿などへの パトを行います。 調査的な性格を帯びる場合もあります。

また曜日は木曜に限ったことではありませんが、「全都実」(新宿や山谷との 共同行動)の池袋や銀座などの パトロールに合流し、全 都の路上の仲間の結束を 訴えています。

●金曜

代々木パト

朝10時 [注] から、代々木公園を回ります。代々木公園にはテントを作って住んで いる仲間約180名 [注] います。また周辺の地区からやってきて芝生やベンチで休んでいる 仲間もいます。彼ら/彼 女らと話し込み、健康や暮らしのことをはじめ、様々な問題を聞き取ります。

[注]原稿執筆時は「朝9時」だったが,現在は「朝10時」(1999年2月).
[注]原稿執筆時は「約130名」だったが,現在は「約180名」(1999年3月).

●土曜

共同炊事、寄り合い、パトロール

週の中でもっとも多くの 仲間と交流し、大事な話 が行われる日です。

炊事風景 夕方5時に、 東京都児童会館玄関前 に集まります。その日の炊事の材料が届き、大 きな鍋に湯を沸かしはじめ、共同炊事が始まります。最近のメニューはもっぱ ら雑炊です。野菜や肉を切る人、事前に器を洗う人など、思い思いに手伝いま す。その間にブルーシートと段ボールを敷いて「寄り合い」の会場作りも進み ます。幸運なことに、これまで本格的に雨に降られたことはありませんが、小 雨の時は上にもブルーシートを吊ってしのいだこともありました。

[注]原稿執筆時は「宮下公園中央付近」だったが, 現在は「東京都児童会館玄関前」.炊事はすぐ脇の美竹公園(1999年2月).

6時半頃には渋谷周辺で野宿している 仲間も多く集まっ てきます。お茶を飲みながら「寄り合い」前の雑談です。最近の困り事から映 画の話まで、ざっくばらんに、でもこの中から大事な話が出てきたりします。

寄り合い風景 7時からは、ビラを見ながらの「寄り合い」です。他の記事にあるような対行 政行動の報告や呼びかけなどの重要な内容が話し合われます。のじれんは支援 と仲間の一体となったグ ループです。この「寄り合い」はのじれんの意思決定機関なのです。

7時半頃から食事です。最近は野宿の 仲間も増え、支援も合わ せて約80食。食後は自分の器は自分で洗って返却。鍋洗いや片付けも野宿の 仲間の力であっという間 に終わります。

少しのんびりした後、9時に パトロールに出発します。 複数の班に分かれて渋谷駅周辺を回ります。最近では、「寄り合い」に来なかっ た人だけで約100名の野宿者と出会います。11時頃に戻ってきて、月曜に 福祉窓口に相談に行く 約束をした人や、具合いの悪い人など問題はなかったかみんなで確認して終了 です。

銀扇閣面会

夕方、 児童会館わきの美竹公園 で炊事が行われている頃、渋谷駅の南の方にある 「銀扇閣」近くの公園で、 銀扇閣に滞在している 仲間と訪問した支援や野 宿者との集まりが開かれます。路上の生活も辛いですが、 銀扇閣の生 活も辛いのです。この集まりの話の中から、銀扇閣の設備待偶改善の動き が実現しました。この報告はまた別の機会に。

●月曜

福祉行動

午前9時、渋谷区役所となりの渋谷公会堂時計台前に集まり、前の週のパトロー ルなどで約束した人をはじめとして、区役所2階の渋谷福祉事務所の相談窓口 に向かいます。

野宿者がひとりで相談に行って職員の冷たい対応に遇い、追い返された例はた くさんあります。ですからできるだけ大人数で、互いに助け合いながら職員と 渡り合うのです。

福祉とのやりとりは、 これも別の機会に詳しく紹介したいと思います。

個別ケースだけではなく、申入書を渡したりなどの行政交渉、また 福祉だけに限らず土木 部や保健所などへの申し入れ行動などもよく月曜日に行われます。

施設・病院面会

午後には、生活保護を得て入院や施設に入所している(元)路上の仲間の激励 に行きます。福祉事務所ののケースワーカーの訪れる頻度は低く、信頼関係の ある私たちに対してのほうが言いやすいこともあるようです。


[解説] 「パトロール」略して「パト」

「棒もって縄張りを見回りに行くの?」と言われてしまうこともありますが、 そんなものではありません。「こんばんはー。のじれんです」と挨拶しながら 野宿の皆さんを訪ねて歩く、ビラをもとにいま焦点になっている問題について 話す、まずは顔見知りになることです。パトをする側は支援だけではなく野宿 の当事者も一緒に加わっています。それから、だんだん暮らしのこと、健康の ことなどを話します。具合いが悪いようだったら手持ちの救急箱でなんとかな ればいいし、そうでなければ月曜の福祉行動 につなげます。本当に厳しいとき は救急車を呼ぶこともあります。行政や商店街の追い出しや若者による襲撃な ど、こっちで聞いた情報をあっちに伝えるなどの役目もあります。場所や人数 を記録しているので、長期的な動向もある程度把握できます。


「銀扇閣」略して「ギンセン」

民間の旅館です。簡易宿泊所とも言われる、みんなが「ドヤ」と呼ぶタイプで す。生活保護を受けた野宿者は、行政の施設が満杯なので、ここで一時待機さ せられます。渋谷区内にはここ一軒しかありません。ところがこの旅館たるや 相当ひどい 設備・待遇なのです。別の機会に報告します。


「仲間」

私たちは互いに「仲間」と呼ぶことが多いです。特に野宿者を「仲間」と呼ぶ こともあります。文字通り「仲間」です。


「福祉」

「福祉事務所」やその窓口、職員のことを略して「福祉」と呼んでしまうこと がしばしばあります。『最近の福祉の対応はひどい』と言えば、福祉事務所や その窓口職員のことです。


「福祉行動」

福祉事務所窓口集中相談行動の略です(ほんとか?)。 いや言葉がどうというより内容的にそういうことです。そのうち特集を組んで お伝えしたいと思います。

 


(CopyRight) 渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
(のじれんメールアドレス: nojiren@jca.apc.org