「ホームレス」締め出しを強行し,仲間の命を奪った京王帝都電鉄を許さない!

京王百貨店(などの京王グループ)での不買運動にご協力ください

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突然の締め出しと路上での死

1月24日,東京都は新宿西口4号街路からの「ホームレス」追い出しを強行しま した.そして2月10日,今度は京王帝都電鉄が,京王新線新宿駅構内にフェン スや植木鉢を設置し,大量のガードマン,私服警官を動員することで,「ホー ムレス」の締め出しを突然,強行しました.

追い出された人たちの多くが,風の吹き抜ける西口地下ロータリーに移動する 中,2月13日未明,またしても一人の男性がJR西口改札近くの路上で亡くなっ ていきました.異常に気がついた仲間が声をかけたところ,彼はすでに息をひ きとっており,顔には黄疸があらわれていたそうです.このことから内臓の調 子が悪くて仕事にも出れず,長引く路上での生活がさらに体を悪化させた末の 非業の死であったことが想像されます.

寒さをしのぐ場所を奪うことの意味

京王新線新宿駅は構内が広く,比較的暖かい場所であったため,通路が開放さ れている朝6時から夜11時頃までの間,寒さをしのぎ体を休める人々が多数, 利用していました.厳寒の中,都によって4号街路から追い出された「ホーム レス」にとってこの場所で体を休めることは自らの生命を維持するために最低 限必要なことでした.先日,亡くなられた方も京王新線構内で体を休めていた という証言もあります.京王帝都電鉄がおこなったことは,一年の一番寒い時 期に「ホームレス」を厳寒の寒空のもとに叩き出していくことであり,正に殺 人行為そのものです.

「正しいことをやった」という京王

京王帝都電鉄広報部は一般の駅利用者からの苦情を今回の締め出しの口実にし ていますが,その内容たるや「都は追い出しをやったのに,京王はやらないの か」というもので,いくら理解がとぼしいとは言え,あまりにひどい言いぐさ です.*(注)このような社会的弱者への偏見や無理解を解消していくのが社会 的責任を担う公共事業体としての務めではないでしょうか.

さらに京王新線新宿駅の清水駅長は,2月13日,事情説明を求める申し入れを 行おうとおもむいた私たちが駅構内に入るやいなや,数十人のガードマンをけ しかけ,「正しいことをやったまでだ」という言葉と話し合い拒否を通告して, 私たちを暴力でもって排除しました.

野宿を余儀なくさせられている人々をあたかも野良犬や野良猫に対するかのよ うに追い出し,路上での死を強制することが果たして「正しいこと」なのでしょ うか.

京王の社会的責任を追及しよう!

ヨーロッパなどでは,人道的配慮から24時間,駅構内を開放する事業体もある と言います.今回,京王がおこなったことはそれと全く正反対のことです.

人間の生存権という最も基本的な権利に対し,何らの配慮もせず,これを侵害 する行為を強行することは社会的に容認できるものではありません.

殺人行為を強行し,それを正当化する京王帝都電鉄を社会的に包囲していくた め,こうした事業体の売る品を買わない行動にご協力をお願いします.

(注)こうしたことを言う人は,「ホームレス」を「昼間から寝ている怠け者」 とレッテル貼りして侮辱することで,管理社会に生きる自分自身のつらさやし んどさをごまかそうとする人が多いようです.しかし誰が好きこのんで路上死 と背中あわせの生活をしたがるのでしょうか.「ホームレス」,路上労働者は, 現在の社会のありようによって失業し,路上へと追い込まれているのです.
抗議先:京王帝都電鉄
TEL 03(3346)9623 (新宿事務所)
TEL 0423(37)3112 (本社)
FAX 0423(72)8187 (本社秘書室)
不買対象:京王百貨店・京王ストア・京王プラザなどの京王グループ
1996年2月15日

新宿連絡会

(新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議)


(c) 1996 渋谷・原宿 生命と権利をかちとる会
inoken@jca.ax.apc.org

$Date: 1997/08/12 14:50:22 $ 更新

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