野宿者の「就労支援プロジェクト」への取材要請
今年5月26日に、国と6関係自治体で構成される「ホームレス問題連絡会議」が深刻化する野宿者問題対策として、各自治体に「自立支援センター」を建てる方針を打ち出したことは、すでにご存知だと思います。
しかし同時に、東京都が1996年8月以来建設を予定している「自立支援センター」がいまだ本格実施の見通しすら立たない状況にあることも、またよく知られています。国が乗り出したからといって、今後の諸障壁を考えれば、事態は決して楽観できる状態ではありません。
他方、路上はすでに野宿者であふれかえっており、いつまでも行政の遅々とした対応を待っているわけにはいきません。
そこで「のじれん」では、野宿者の相互扶助に基づく「就労支援プロジェクト」をこの4月からスタートさせました。その内容は下記のとおりです。
- 月給仕事を見つけた野宿者に対するアパートおよび生活費の貸与
- 就労相談窓口の開設(毎週日曜日)
- 野宿者自身による手作り弁当の販売(実績5回)
- 協力農家への「援農」の実施(2回、1名が山梨県の農家に移住=路上脱却を実現)
- 協力NGO団体事務所での事務手伝い(毎週1回)
その他にも野宿者が集めてきた物資をフリーマーケットへ出店することや草刈りのアルバイトなど、多様な取組を実施/構想しています。
そして、そこでの収益は野宿者に分配されるとともに、野宿者の管理の下、全体の共用財産として就労活動の諸経費などに運用されています(「児童会館資金」)。
私たちは、自らの手で自らの未来を切り開こうとしている野宿者のこうした「自助努力」が、野宿者に対する社会的偏見を打破し、今後の行政の施策のあり方にある方向付けを与える意義を有している、と考えています。
そこで、こうした野宿者の努力を実態に即して報道してくれる報道機関を探しています。御協力ください。
1999年6月24日
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