キリスト者女性ネットワーク情報
No.5
■キリスト者女性のネットワーク 登録方法
世界祈祷日を通して、エキュメニカルな女性たちの輪が各地で広がる一方、さまざまな教会の情報が、各個教会の女性たちに伝わってこないという声が寄せられています。そこで、NCC(日本キリスト教協議会)女性委員会委員会は、「すべての暴力を克服する10年」の取り組むのスタートにあたり、キリスト者女性たちの輪を広げ、世界祈祷日情報をはじめ、暴力克服の取り組み、女性たちの活動情報をダイレクトに各個教会の女性たちに届けようと、FAXとEメールによる無料発信を行っています。皆さまのまわりのキリスト者女性たちへ、登録を呼びかけてください。教会、女性会、婦人会、また個人でも結構です。
登録は…NCC女性委員会あて、FAXまたはE−mailで、連絡先(名まえ、FAX、E-mail、所属教派・教会名)をお知らせください。
■■世界祈祷日関連■■
★世界祈祷日国際委員会
世界祈祷日国際委員会(WDPIC)が4年〜5年に一度開かれ、向こう5年間の式文作成担当国とテーマを決定します。1999年4月、南アフリカ共和国のケープタウンにおいて第9回のWDPICが「地球のパートナーシップを目指す和解」をテーマにして開かれ、91カ国から200名の女性たちが集まりました。プログラムは、2つの内容に分かれ、第1は、世界のあらゆる場所で発生している困難、苦境、飢餓、病い、争い、戦争、ジェノサイド、差別などについて現場からの報告を聞き、平和、正義、愛、ホスピタリティ、和解をいかにして実現できるかを聖書の学びを通して考え、祈ることでした。第2は、そのような現状認識に基づいて、次の5年間のテーマについて検討しました。……聖書研究を担当したマーシー・オデュヨエ(ガーナ)の言葉が印象的でした。「血まみれになっているこの地球を見て神は嘆き、おう悩しているのに違いない。必要なのは、この世界が生き残るために働くチャンネルとなる存在ではないか。神の痛めつけられた身体が癒しを求めて叫んでいる。その叫びを聞き、そして、神の平和をこの地球に再・創造するために出て行こう。」 (NCCJより派遣された絹川久子委員の報告「ともに証をNo.28」より抜粋)
*向こう5年間のテーマ:
2003年 聖霊が私たちをみたすように(レバノン)、2004年 信仰によって、女性たちは未来を形成する(パナマ)、2005年 私たちの光を輝かせ(ポーランド)、2006年 時のしるし(南アフリカ)、2007年 神の天幕の下での一致(パラグアイ)が決定しています。2003年の夏には第10回WDPICが英国で開かれ、次の5年間のテーマが決められます。
*祈りのパートナー:
99年のWDPICでは、日本、韓国、台湾、フィリピン4カ国が祈りのパートナーとして5年間を互いに祈るパートナーとして支えていくことになりました。その年のテーマ、式文担当国のほか、世界各国が祈りのパートナーをもち、互いの国の女性たちのために祈っています。
*NCC女性委員会は、WDPICを通して送られてくる式文担当国の式文を、毎年日本語に翻訳しています。翻訳はNCC女性委員会に所属するさまざまな教団・団体が順に担当しています。2002年のルーマニアの式文は、日本福音ルーテルが担当。2003年のレバノンの式文は救世軍が翻訳中です。翻訳後、NCC女性委員会の世界祈祷日担当者たちが、ことばを整え、賛美歌を選んで編集します。皆さんのお手元に届く式文は、こうして各国の女性たちの検討から5年もの歳月をかけてできたものです。
■■「すべての暴力を克服する10年」関連■■
★日本と韓国のNCC女性委員会は、歴史を踏まえ、和解と協力のためにキリスト者女性の使命を模索しようと、1996年から4回にわたって連帯・交流会議を開催してきました。2001年10月31日―11月3日に行なった第4回の会議では、日本・在日・韓国の互いの立場を尊重することが再確認され、次のような共同決議文を採択しました。9つのアクションプランについて、取り組みを進めていきます。
決議文 ―第4回韓国・在日・日本 NCC女性委員会連帯・交流会議を終えて― 日韓NCC女性委員会の韓国・在日・日本のキリスト者女性は、2001年10月31日〜11月3日、韓国江原道ムンマクのオークバリーに於いて、「東アジアの平和と韓日女性の役割―新しい歴史を創造しよう(レビ記31:22)」という主題で、「第4回
韓国・在日・日本 NCC女性委員会連帯・交流会議」を開催しました。WCC(世界教会協議会)が提唱した「すべての暴力を克服する10年(2001〜2010年)」の最初の年に、韓国・在日・日本のキリスト者女性たちが、東アジアの暴力克服と平和の実現のために集ったことは、大きな意義があったといえるでしょう。
私たちは、この会議で両国の活動報告と基調講演を通し、アメリカのMD(Missile Defense:ミサイル防衛)政策、テロリズムと報復戦争、日本の参戦法の国会通過と軍事大国への動向、小泉首相の靖国神社公式参拝と歴史歪曲教科書問題、朝鮮半島の分断等が、東アジアはもちろん、アジアの平和を脅かしていることを直視しました。
また、聖書研究と討論を通し、「正義」という名目のもとに行われる戦争は、人間の傲慢による最大の暴力であり、いかなる理由があろうとも、私たちは決して許してはいけないことを確認しました。テロリズムと戦争は、神さまから与えられたいのちと人間の尊厳を冒し、女性と子どもをはじめとする社会的弱者に犠牲を強います。さらには軍事的対立を増幅し、暴力の悪循環を生み出します。私たちは東アジアに生きるキリスト者女性として、戦争とテロリズムに反対し、暴力によって苦難を受けているすべての人々のいのちを守り、平和を創造するために女性たちの連帯を強めていくことを確認しました。
ここに私たちは、平和のための働き人となるように招いてくださったイエス・キリストの召命に積極的に応え、私たちの立場を次のように表明します。
1.私たちは、テロリズムの犠牲となった人々を哀悼し、全世界で起こっているテロリズムと、アフ ガニスタンに対する報復戦争の終息を求めます。また、韓日両政府が米国の報復戦争に参 与することに強く反対します。
2.私たちは、米国の自国中心的なMD政策の放棄と、韓日両政府がこのMD政策に加担しない ことを求めます。
3.私たちは、基地周辺の住民の人権と生存権を侵害する米軍基地の早期撤退のために努力し ます。
4.私たちは、東アジアの平和を脅かす自衛隊派兵と日本の軍事大国化に反対し、軍国主義の 象徴である靖国神社への公式参拝に反対します。
5.私たちは、日本政府に対して、日本軍「慰安婦」問題をはじめとした過去の過ちに対する謝罪 と補償を実現するよう求めます。また、日韓両国の間で正しい歴史教育が行われるように努 力します。
6.私たちは、朝鮮半島の平和のために朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する経済的支 援を続け、韓国・北朝鮮・在日コリアン・日本のキリスト者女性たちの連帯と交流のために努 力します。
7.私たちは、日本による植民地支配と朝鮮半島分断に起因する在日コリアンや北朝鮮からの 亡命者、また、グローバリゼーションによって増え続ける移住労働者の人権を守るために努 力します。
8.私たちは、民族や人種に対する差別、他宗教に対する偏見を払拭し、多様性の中において 調和のとれた「生」を生きるように努力します。
9.私たちはすべての暴力の克服と、平和の実現のために、女性の神学的省察と霊性をわかち あい、平和教育に力を注いでいきます。
2001年11月3日 韓国・在日・日本 NCC女性委員会連帯・交流会議参加者一同
★絵本『アフガニスタンからきたモハメッド君のおはなし―モハメッド君をたすけよう』
大貫憲介・文、伊藤ゆさ・絵 つげ書房新社 1300円+税
昨年10月初め、アフガニスタンの男性9名が、東京近郊で不法入国などの疑いで摘発され、東京入国管理局に収容されました。全員がハラザ人などタリバンから摘発されているという少数民俗で、居所を明らかにして難民申請を行い、審査を待っている最中でした。その後2名増え、現在11名が入国管理局の牛久収容所に拘束されています。
この絵本は、このように日本で拘束されているアフガニスタンの難民の人々の弁護士たちが制作しました。拘束されているのはおとなの方たちですが、絵本では、モハメッド君という少年を主人公に描き、日本でのアフガニスタン「難民問題」をおとなにも子どもにも、わかりやすく説明しています。
この絵本を読んだ子ども達が、モハメッド君のような難民の人々を助けるためのアクションの一つとして、首相と法務大臣宛のハガキも付いています。
絵本は、NCCに事務局を置く「難民・移住労働者問題キリスト教連絡会(難キ連)」でも取り扱っています。 TEL03−3207−7801 FAX03−3204−9495
*難民・移住労働者問題キリスト教連絡会(難キ連)とは?
アジアなどからの難民や移住労働者が急増した1989年、海を越えて次々とやって来る海外からの人々を前にして、どうすれば彼女・彼らと共に生きる社会をつくっていくことができるのか、支援活動に携わるキリスト者(カトリック、プロテスタント)の連絡会として活動がはじまりました。
――世界祈祷日の献金の一部は、難キ連の活動のためにおささげしています。