森からのメッセージ
「水野雅夫」40歳。林業で自立できるNPO法人を目指し、現在奮闘中。 林業を生業とするまでの彼は、今で
言うところのフリーターの走りとして、ビデオカメラマンを中心とした様々な職業を経験するとともに、環境を意識した
各種イベントや市民活動の中心人物のひとりとして影響力のある動きをしてきた。その時に培ってきた人脈は計り知れず、
現在の活動にも幅広く生かされている。 そんな彼が林業の世界に飛び込んだきっかけは、長良川にある。彼は当時、
ひとりでゆったりとした時間の流れを求めて、またイベントを通して、よく長良川沿いを駆け回っていた。
そこで目にしてきた長良川は、日に日にその姿を変えていったのだという。川沿いの山林では、手入れされず放置された
ままのひょろひょろの杉や桧が立ち並んでいる光景を目の当たりにした。「誰かがこの森を守らなければならない」と
いう強い問題意識を持ち、ついに彼は、微力であると知りながらも自分がその一端を担うことを決意したのだ。
そんな彼であったが、林業現場で働くようになって様々な疑問を持ち始める。「果してこれで森は守れるのか。
再生できるのか」。そこで、林業界に新風を巻き起こすべく一念発起し、Woodsman
Workshopを設立する。彼の役割は、プロとして、またIターンで山村に暮らす者として、現場からの生の声の発信である。
都市部からの発信者である森づくりフォーラムと連携し、森からのメッセージを発信していくことであろう。
彼には、林業が置かれている立場を直視し、ひとりの就林者として、また、新規参入業者の代表として、中から林業を
見つめ、変革していくための一助となりうる存在であることが求められている。 様々な障害と戦いながらも、
「子どもたちに豊かな森を伝えていくために」彼は今日も森からのメッセージを送り続けている…。
[目次]
[理事紹介02年7月号]
[理事紹介02年5月号] |