英国エネルギー大臣 前日になって訪日を中止
「英国民の税金でブッシュの核戦略を後押し」に議会で激しい批判

BNFLはブッシュの小型核兵器製造の手助けを狙っている
やっぱりBNFLはゴメンです


 英国エネルギー大臣は、11月3日の訪日予定を、前日になって突然キャンセルしました。インディペンデント紙によれば、訪日を来年初めまで延期したとのことです。エネルギー大臣の訪日の目的は、BNFLのMOX燃料を売り込むことでした。
 なぜ土壇場になってキャンセルしたのか、MOX売り込みよりも優先させなければならなかった事情とは何だったのか。
11月2日付インディペンデント日曜版は、BNFLが1999年に買収したウエスチングハウスが、ブッシュ政権の小型核兵器構想に参加し、核兵器の部品製造を請け負って金儲けを狙っていると暴露しています。BNFLは、これまで核兵器の原材料を提供してきました。今回は、直接的に核兵器製造に携わるというのです(注)。
 国有企業のBNFLが、つまり国民の税金を使って、ブッシュの核兵器製造を手助ける。このことは当然イギリスの国会でも大問題となり、労働党・自由党からも激しい批判の声があがっています。エネルギー大臣も3日からの国会対策を最優先せざるを得なくなったようです。
 BNFLは、あてにならない日本のMOX計画よりも戦争屋ブッシュについて行って金儲けしようと考えているのかもしれません。どちらにしても無謀で危険なものです。核兵器製造に手を染めるBNFLは、はやりゴメンです。

(注)
 軍事年鑑の「ジェーンズ」によれば、イギリスの核兵器製造をおこなっているのは英政府管轄のAWE(Atomic Wepon Establishment)で、その構成メンバーはロッキード・マーチンとBNFLとなっています。詳細は不明ですが、BNFLは従来から、英国における核兵器製造について、部品の供与や加工製造等、材料の供与以上の関与をおこなっているものと思われます。劣化ウラン弾についても、BNFLの関与は明らかです。
 今回は、その技術をもって買収先のウエスチングハウスをテコに、ブッシュの新世代小型核兵器の開発プロジェクトに噛み込もうということのようです。英国外への核技術の輸出と、核技術を用いたビジネスとういうのは初めての例であり、しかも、ブッシュの先導する核先制攻撃への加担です。英国内での激しい批判は、当然のことです。


<翻訳資料:「BNFLは米国の核兵器製造を手助けする」インディペンデント日曜版 11/2付>