国際海洋法裁判所の12月3日の決定に関するアイルランド政府の声明


2001年12月3日
原子力の安全性についての責任を持っているジョー・ジェイコブ大臣からのMOXについての声明

アイルランド公共事業庁・プレスリリース



 英国はアイリッシュ海の放射能汚染を中止しなければならないと認めた国際海洋法裁判所からの命令を、アイルランドは歓迎する。

 「我々は、仲裁裁判所に管轄権があるという、裁判所の全会一致の決定を歓迎する。我々は、英国がアイルランドに協力する義務を負うこと、MOX工場の運転の結果として起こるかもしれない海洋環境の汚染を防ぐ義務を英国が負うことを認めた暫定措置の発令を、裁判所が全会一致で決定したことを歓迎する。」

 アイルランドと英国は12月17日−MOX工場の運転開始が予定されている3日前にあたる−までに、MOX工場からアイリッシュ海への汚染を防ぐために、両者が考案した措置について、国際海洋法裁判所に返事をしなければならない。

 このような合意が不可能なら、アイルランドには、早ければ12月18日に、国際海洋法裁判所にさらなる救済を求める権利がある。

 裁判所は、国際海洋法条約の下でのアイルランドの権利を断固として認めた。これらの権利は守られなければならないと裁判所は述べた。裁判所は英国の2つの主張をともに退けた。英国の主張とは、すなわち、いかなる暫定措置も発令されるべきではなく、アイルランドは英国の(裁判)費用を支払うべきである、というものだ。裁判所は、英国にMOX工場からアイリッシュ海への汚染を防止する措置を考案するよう命令した。裁判所は、2002年10月よりも前に、MOX工場の運転にともなう、放射性物質のセラフィールドへの海上輸送も、セラフィールドからの海上輸送も一切行わないという英国の供述を承認した。

 両当事者が、裁判所の命令に従って、MOX工場からの汚染を防止する措置について合意に達するまで、我々はMOX工場の運転開始を延期するよう英国に要求する。

 我々は、英国がアイリッシュ海の汚染を永久に中止すること、MOX工場を適切な環境アセスメントに従わせること、アイルランドにさらに協力的になることを確かなものにするために、精力とエネルギーと献身性をもって裁判を続けるものとする。我々は、さらに、隠されているMOX工場についての情報を開示するよう英国に命令するようオスパー条約の仲裁裁判所を説得することも続行する。そして、MOX工場は経済的正当性があるという英国の決定に対し、ヨーロッパ司法裁判所に訴えるためにどのような準備をとるかどうかを検討することになる。



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