−コジェマ社製MOX燃料−
◆2001年のMOX燃料の廃棄は「国が認めないと言ったから」。「我々はそれなりに作っていた」 −コンクリートの劣化調査− ◆破壊検査も非破壊検査も30年を超える原発のみ −水力発電所での大規模なデータ改ざん・法令違反− ◆不正プログラムは「標準機能」で改ざんとの認識なし。法令違反の「可能性がある」 |
2月15日、関西電力本店4階の会議室にて、グリーン・アクションと共同で関電と交渉をおこなった。関電側は広報3名、市民26名が参加した。 交渉当日の朝刊で、水力発電所における大規模なデータ改ざんと法令違反が大きく報じられたこと、新型転換炉「ふげん」のコンクリート劣化調査で想定をはるかに超える劣化が明らかになったことを踏まえ、交渉項目は多岐に渡った。午後6時より約3時間の交渉だった。 交渉はまず第1に、主にはMOX燃料に関して提出していた1月26日質問書に関するもの(2月9日に事前の電話回答)、第2にコンクリートの劣化調査に係わるもの、第3に水力での法令違反、という順で行った。 以下、主要な点について報告する。 1. 2001年のMOX燃料(コジェマ社製)の廃棄は「国が認めないと言ったから」。「我々はそれなりに作っていた」 2001年12月26日、関電はフランスのコジェマ社(当時)に製造を委託していたMOX燃料を廃棄している。その際、関電はコジェマ社に対して60億円もの賠償金を支払っている。1月26日付の質問書では、製造したMOX燃料を廃棄した理由について聞いている。 これに対して関電は事前の電話回答で、「原子力安全・保安院に当該燃料が合格する可能性を問い合わせたが、合格にできないとの回答であったため加工を中止した」と答えていた。 コジェマ社MOX燃料の廃棄問題について関電は、従来から一貫して「国が認めないと言ったから破棄した」という態度を取り続け、新しい国の検査精度を満たさないようなやり方で燃料を製造していた自らの責任について明確に認めていない。今回の電話回答も従来からの姿勢とは変わっていない。 今回の交渉では、「国の新しい検査精度に合格しないようなやり方でMOX燃料を製造していたのだということを認めますか」と、この問題に対する関電の認識を確認しようとした。しかし関電は、「認めるとか認めないということでは...」と言葉を濁し、「保安院の方から合格にできないとの回答をいただいていたので、われわれとしては加工を中止したということ。それ以上、言うことはない」と、型通りの回答を述べるにとどまった。 これに対して、「国の検査に合格しないような作り方をしていたということをどうして認めないのですか」と何度も繰り返し追及すると、「結果として合格しなかったが、われわれとしてはそれなりに作っていた」と答えた。これに対して、「国の判断を真摯に受けとめていないのか、受け入れていないということか」「それとも国の基準を満たしていたとでもいうのか」とわっと参加者から声があがった。関電は「国の回答は、『(条件が)満たされていると確認できない』というもので、『(条件を)満たしていない』とはいってない」と言い張った。あくまで自らの過ちは認めず、「国が合格にしない」とだけ、相変わらず、そして異常なまでに固執していた。 次に「60億円は電気料金から払ったということになるが、その責任はどこにあるのですか」と追及すると、「責任があるとかないとかいう問題ではない」「株主総会で会計報告し承認してもらっている」と答えた。「電気料金を払っている一般市民に対して責任があるのではないですか」と聞くと、憮然とした表情で「そうですかね」と答え、一切責任を認めようとはしなかった。 最後に、「事実確認として、MOX燃料の廃棄問題について例えば格下げになったとかいう形で誰かが明確に責任取ったという事実はないですね」と確認すると、「ないとは言明できないが、おそらくないと思う」と答えた。 結局関電は、新しい検査制度に合格しないようなやり方で製造していたのだとは認めず、保安院が合格させなかったのが悪いのだといわんばかりの姿勢を取り続けた。関電は今もって、国の判断を真摯に受けとめず、また60億円もの多額の損失を出した社会的責任を認めていないのである。 2.BNFL不正問題で、法廷にもウソの陳述書を出した桑原氏の責任問題に触れることをいやがる関電。 関電は、2004年7月12日にMOX燃料調達に関する品質保証システムの監査結果について報告書を出し、「メロックスMOX工場の品質保証体制は良好」としている。しかし、この監査の管理責任者である桑原茂原子力事業部副事業本部長は、BNFL事件の際、データ不正を見抜けなかったばかりか、データ不正の事実を知りながらそれを隠蔽した人物である。当時原子燃料部長であった桑原氏は、BNFL製MOX燃料の使用差止仮処分裁判において、大阪地裁に2度に渡って陳述書を提出している(1999年11月29日と12月10日>)。その中で同氏は、[1]BNFLが自らの都合で行った全数自動測定だけで「安全評価の前提となっている仕様値を満たしている」との明らかに誤った主張を行い、それによって事実上、品質保証検査に不正があっても安全性は保証されるとした。[2]また、英NIIからデータ不正に関する情報を入手していながら、裁判という公的な場で、高浜4号用MOX燃料についてデータ不正はないと断言した。これは明らかに社会を欺く虚偽である。 質問書では、このように桑原氏が過去にやってきたことを具体的に挙げた上で、「このような考え方の人物が行った、アレバ社メロックスMOX工場の品質保証体制の監査結果には信頼性がもてないのではありませんか」と聞いている。 これに対して関電は、事前の電話回答では「[1]メロックス工場への監査はISO9000審査員研修を修了した者が実施した、[2]フランスのビューロベリタス社が第三者機関として参加している、[3]原子力事業本部から独立した品質安全監査室の確認を受けている」という3点を挙げ、桑原氏については一言も言わなかった。とにかく桑原氏については触れないという姿勢であった。 交渉では、「桑原氏について、こういう人物がやった監査は信用できないと聞いているのに、なぜその質問に答えないんですか」「桑原さんはお飾りということですか」と関電に質した。関電は、「監査結果には信頼性がもてないと質問されているので、こう答えただけ」と、質問書の主旨をねじ曲げまともに回答しない。「質問には、『このような考え方の人物が行った』とはっきり書いているじゃないか」「桑原氏のことを聞いているのに別のことをなぜ答えるのか」と口々に声があがる。改めて、「監査の責任者である桑原氏に信頼性を持てるのかどうか答えてください」と追及すると、言いにくそうに「業務経験等から判断して云々」「まぁ、その後ちゃんとやりまして云々」とあれこれ言ったが、最後には「立派な信頼できる人物です」とした。 次に、「桑原氏はBNFLの時、全数自動測定で仕様値を満たしていると主張していましたがこれが誤りであることは認めますか」と確認を求めた。これに対して関電は、「誤った主張というよりも、品質保証という観点からはやはり抜き取り検査というものが適切に行えていなかったというのが問題」と事柄をすり換え、桑原氏が品質保証に関して誤った主張を行っていたという事実をなかなか認めようとしなかった。何度も追及すると、「全数検査でも仕様値を満たしている可能性はある」と、桑原氏と同主旨のとんでもない事も言い出す始末であった。参加者からは次々と批判の声があがった。「それでは抜き取り検査は何のためにあるのか」「これが誤りでないというのならBNFL事件は起こっていない」等々。言い逃れできなくなった関電は、「桑原というよりも当時当社としてそういう判断をしていた」と必死で桑原氏を擁護しながらも、「品質保証のための抜き取り検査と全数測定を同じように扱うことが品質保証の考え方から逸脱しているのは確か」と事実上「桑原氏の言っていたことは誤りだった」とようやく認めた。 しかし、関電広報のはぐらかし、ごまかしを重ねた桑原氏の擁護ぶりは異様なほどだった。よほど桑原氏については触れられたくないということであろう。 「BNFLの時に不正を見抜けなかった人物が、コジェマ社の品質保証の責任者として大丈夫だなんて言って誰が信用できるのか」「そんな大きなミスを犯した人間に、同じMOX燃料の監査をまかせるなんていうのは驚くべき非常識」と批判の声。「桑原氏は間違っていたことをどこかで公的に認めていますか」と聞くと、「ないと思います」。関電はプルサーマル再始動の前に、これらの問題についてまず明確にすべきである。 現在桑原氏は日本原燃に出向し、常務取締役で品質保証室長をやっている。六ヶ所再処理工場などの品質保証の程度も推して知るべしである。 3.メロックス工場の監査期間中、そこで起こっていたプルトニウム管理のトラブル(INESレベル1)については「知らない」。アレバ社の全体の品質保証体制には関心なく、監査に反映させるのは「MOX製造に影響を及ぼす部分のみ」 関電がアレバ社(当時はコジェマ)のメロックス工場の監査を実施したのは、2004年の6月15から6月21日にかけてである。この監査期間中の6月16日、メロックス工場では貯蔵建屋に許可された量以上のプルトニウムを含む廃棄物を持ち込むという違反が行われており、国際基準(INES)でレベル1のトラブルとされている。 ところが、関電の監査報告書にはこの事件が一切書かれていない。交渉では、「監査に行った翌日のトラブルについてなぜ書かれていないのか」「同じメロックス工場で、しかもプルトニウム管理に関する重大な問題ではないのか」と追及した。これに対して関電は、そのようなトラブルがあったことも「知らない」と回答した。 6月16日のトラブルが監査報告書に書かれていないのはなぜか、このトラブルをどのように評価して「メロックス工場の品質保証は良好」と結論を出したのか、積み残し課題として後日回答ということになった。 また、メロックスMOX工場では監査後の2004年7月26日に、作業員の負傷と放射線被ばくというレベル2の事故が発生している。この事故について「このような事故を起こす工場に信頼性があるのか」「7月の報告書は無効ではないか」と追及した。しかし、関電は「2004年6月の事前監査で品質保証システムが適切であることを確認している」との回答を繰り返すだけだった。 その他にもアレバ社は、INESレベル1と評価されるような大きなトラブルを頻々と起こしている。カダラッシュのATPu工場では、2006年11月7日に、粉砕処理工程に二重にMOX燃料のスクラップを投入するという事故が発生しており、この事故はINESでレベル2と評価されている。アレバ社には安全管理上の大きな欠陥があると言わざるをえない。 「アレバ社のこうした事故についてきちんと分析して監査に反映させたり見直したりしないのか」と聞いたが、情報収集は「ニュークリア・フュエルの1月15日号で見た」だけで、「アレバ社に一々事情を聴取することもない」という。また、「アレバ社としての体質が問題ではないのか」と追及しても、監査に反映させるかどうかは「MOX製造に影響を及ぼす部分だけ」とのことであった。しかも「MOX製造に影響を及ぼすか及ぼさないかどのような基準で区別するのか」と聞いても、「分からない」と言う。 関電は無責任にも、安全管理・品質保証に係わるアレバ社の重大なトラブルから目を背け、「2004年6月に監査した」、「品質保証は良好」と言い続けているのである。 4.コンクリートの破壊検査も非破壊検査も実施したのは30年を超える原発のみ。大飯3・4号、高浜3・4号についてはハンマーでたたく非破壊検査さえ行われていない。 新型転換炉「ふげん」の原子炉補助建屋のコンクリート劣化調査で、6カ所のうち5カ所の強度が設計基準を満たしていないことが破壊検査で明らかになった。最も強度が低かった所は、設計基準強度の半分以下という。マンションならば取り壊しとなるほどのものである。この検査結果は同時に、ハンマーでたたく非破壊検査の信憑性を揺るがすものでもある。しかし、関電の回答からは、非破壊検査すらほとんど行われていないという実態が明らかになった。 このコンクリート問題について、2月13日付で急遽質問書を提出した。質問書では、関電の各原発でどのような検査をおこなっているのか、コンクリートの破壊検査及び非破壊検査を実施した年月日、場所、時間を具体的に明らかにすることを求めている。なお、破壊検査とは、実際にコンクリートをくり抜き、これを実際に潰して強度を測るもので、この検査がもっとも信頼性が高い。非破壊検査とはシュミットハンマーと呼ばれるハンマーでコンクリートを叩き、反発力で強度を推定するものであるが、ハンマーの保持の仕方や打ち出す方向等、測定方法によって大きな誤差が出ることが知られている。 今回の交渉では、交渉直前の質問書ということで、詳細な回答は後日ということになった。あまり立ち入ったやり取りは行えず、簡単な事実確認にとどまった。 関電によれば、基本的に破壊検査を行ったのは、運転開始以降30年を超えた原発である。すなわち、コアをくり抜いて検査したのは、美浜1、2、3号機および高浜1、2号機の5基のみである。また、その他に蒸気発生器(SG)取り替え時に壊したコンクリートを使って破壊検査を行ったという。SG交換を実施したのは、美浜1、2、3号機、高浜1、2号機、大飯1、2号機であるから、計7基については何らかの破壊検査を行っていることになる。ただし、検査した場所や数、具体的な年月日は後日回答である。 次に、ハンマーでたたく非破壊検査については、30年を超えた原発で5年に1回のみで、現在実施したのは美浜1、2号機および高浜1、2号機のみである。美浜3号機については次回定検で実施予定ということであった。非破壊検査における強度の記録や、具体的な場所、数等についても後日回答である。 今回の交渉で、基本的にコンクリートの劣化検査は30年を超える原発にしか行われておらず、大飯3・4号機、高浜3・.4号機については非破壊検査さえ行われていないということが明らかになった。全原発対象には、年1回の目視点検と5年に1回中性化の確認をやっていると関電は回答したが、中性化の確認といっても塗装を調べるようなものであり、コンクリートの劣化の程度は分からない。結局、11基中4基についてはまったく検査が行われていないのである。 「すべての原発で破壊検査をするべきではないか」と追及すると関電は、データが「補正されていないので信頼性に乏しい」と原子力機構が「福井県における高経年化調査研究会」の会合で報告したことを持ち出し、今回の「ふげん」での検査は信憑性がないものであるかのごとく主張した。また、非破壊検査の信頼性について関電は、「確かにシュミットハンマーによる非破壊検査は精度が悪い」とは認めた。 5.水力発電所での大規模なデータ改ざん・法令違反について− 不正プログラムは「標準機能」。「改ざんと認識したのは2月2日」 「法令違反かどうかは分からない、あくまでも法令違反の可能性があるという認識」。 関電の持つ全148の水力発電所のうち、2つを除いた全ての発電所で取水量のデータ改ざんや発電電力量のデータ改ざんが行われていたことが明らかとなった。報道によると、1973年頃から本社が不正プログラムを作成、各発電所に指示していたという。会社ぐるみの違法行為である。このようなデータ改ざんが行われていたことを関電は早くから知っていた。2004年の火力発電でのデータ不正発覚後、2005年に水力での不正プログラムを密かに破棄していた。改ざん隠しである。取水量データの改ざんによって、許可量以上の水を取水、使用料も払っていなかった。長期にわたる大規模な違法行為である。新聞では、「水泥棒」とも報じられた。関電は「慣習となっており違法との認識がなかった」と会見でコメントしている。法令遵守意識の欠如が体質として染みついてしまっているのである。 まず関電に対して、データ改ざんを把握した経過等を明らかにするように求めた。「2004年に火力でのデータ不正発覚を受けて、早い時期から不正があったことを認識していたのではないか。いつから不正があるということが分かっていたのか」と聞くと、最初は「はっきりとは分からない」「水力は専門ではないもので」等々と逃げていたが、繰り返し質すと「取水量のリミッターを付けていたことがあって、解除の指示を本店から出したのが2005年8月」と認めた。この場合のリミッターとは、取水量が許可量をオーバーしても、データを許可量内に収めてしまう不正なプログラムのことである(発電量についても同様のリミッターを付けていた)。 そこで、「当時、不正をやっていたことを発表せず、こっそりプログラムを変えたのはなぜか」「隠ぺいじゃないのか」と追及すると、「その当時、改ざんという認識はなかったからだ」という。その理由を聞くと、「その当時、リミッターは標準的な機能として過去から継続してあっという認識だったので、改ざんの意識はなかった」「誤差の補正という認識とはいえ、2004年の火力以降の調査の中で、生データを修正するというのは誤解を招くという観点からリミッターを解除しただけ」と言う。 「データ改ざんが標準機能」「単に誤差を修正しただけ」という関電の回答に怒りの声が湧いた。「明らかな改ざんじゃないか」と声があがった。しかし関電は、「2005年当時は改ざんという意識がなかったので」と繰り返す。「ではいつから改ざんという認識を持つようになったのか」と聞くと、すぐには答えられない。「つい最近ということですか」と言うと、「1月31日には認識がなかった、2月2日以降、改ざんと認識した」と答えた。 明らかな嘘である。そもそも、リミッターを本社の指示で付けていたことからして、自覚的意識的にデータ改ざんをやっていたことは明らかである。 なぜリミッターを付けたのか聞くと、「よく分かりませんが....瞬間的な取水量の超過は誤差の範疇と認識してリミッターをつけたんじゃないかと思う」「標準的な機能としてあったということはどういうことか分かりませんが...」等という。 「会社ぐるみということですね」と確認すると、苦しそうに「はい、そうです」と一応は認めた。では、「関電トップはどう責任を取るのですか」と追及したが、一切答えず、「調査を進めている所」と繰り返すばかりであった。「経済同友会の代表に関電の副社長がなったということですが、少なくと辞退してください」と強く要求した。これに対しても「そういう希望があることは承って上に伝えておく」というだけであった。 次に、長期に渡って申請もなしに水の違法な取水を続けていたことに関して関電の認識を問うた。「水泥棒ですよね」と何度聞いても認めようとしない。「必要な許可の申請をしていなかったということ」と言うだけである。また、「今回申請が漏れたのは発電対象となる水量に比べて微量なので申請対象になるとは思っていなかったというのが事実」と、「微量」「微量」と強調した。さらに、「ただ発電の運転に使用する冷却水、これは単に冷却水を貯める水槽なども含めて、許可申請の中に含まれるという解釈もできることから、今後河川管理者と協議したい」とも言った。つまり、「水泥棒」とは考えていない、最初の申請にすべて含まれているという解釈もできるというのである。さらには、「我々は申請を出さなかっただけ」と強調し、それを見逃していた国交省に落ち度があるといわんばかりだ。結局、関電は、違法な取水を続けていたという認識はないということである。「新聞には、『水泥棒』と書かれていますが、それは認めないということですか」と詰め寄ったが、最後まで「微量ですから」と言い、「今後、河川管理者と協議していきたい」という答に終始した。「関電は資源を大切なんて宣伝しているが、資源を盗んでいるのは関電。今後はそういう宣伝をやめて欲しい」と言うと、「意見は承っておく」と答えた。 関電のウェブサイトのプレスリリースでも、「不適切な取り扱い」等とは書かれているが、会社として「法令違反」をやっていたという言葉はどこにもない。「コンプライアンス、コンプライアンスと書いているが法令違反をしたという意識が、プレスリリースには全然ない」と追及すると、「大変なことをやっているという認識はある」「反省はしている」「不二家と同じと思っている」と一応は言うが、「調査中ですから」と繰り返し、「違法行為をやっていた」とは認めない。 「会社として違法行為をやっていたという認識に立っているのですか」と何度質しても、「許可を得ずに微量に水を取っていた、あるいはリミッターを付けていたという認識です」と言い、「法令違反」とは明確に認めなかった。 「自分たちのやったことを認めないのか」と参加者から次々に批判の声が出る。最終的に関電は、「法令違反の可能性があるかどうかと言われたら、あくまでも法令違反の可能性があるという認識」と答えた。結局、関電は法令違反をやったという自覚はまったくないのである。 最後に参加者から、次のような痛烈な批判が関電に浴びせられた。これに対して関電は、明確な言葉を何も返すことができなかった。 「今不二家は非常に問題になっています。データごまかし、改ざんをやって、不二家の場合は消費者が買わないという形で大きな責任を取っていますよね。関電さんの場合は、他からわれわれが電気を買えるのであれば、同じようなことができるんですが、関電の場合は独占企業だからそれができないんですよ。そこにあぐらをかいているんじゃないですか。不二家の場合だったら社長が首になる、パロマだってそうじゃないですか。あなた達、桑原さんの話でも全然そういうことは一切なし、何も責任を取らないじゃないですか、奢り高ぶりとしか言いようがないです。反省もなしに何がコンプライアンスですか。」 |