裁判年表

裁判年表の読み方

 甲山事件の裁判は刑事裁判から始まったのではない。不当な逮捕・取調べで侵害された人権の回復を求めて、山田さんとその同僚の3名が国・県に対して起こした国家賠償請求訴訟(国賠)にはじまるのである。
 荒木園長、多田指導員などのアリバイ証言によって、国賠裁判は原告・山田さんらの勝訴が確実なものとなりつつあった1978年2月27日、とつぜん神戸地検は、山田さんを男子園児の殺害容疑で再逮捕した。同時に、荒木園長と多田指導員を、この国賠裁判での証言を「偽証」として逮捕した。
 この再逮捕・起訴により国賠は中断し、現在に至っている。そしてここから、刑事裁判が始まる。

 刑事裁判は「殺人罪」裁判と「偽証罪」裁判の2つが存在し、国賠とあわせてこの3つの裁判が甲山裁判の大きな柱として位置付けられる。
 2つの刑事裁判はときに併合し、ときに分離しながら、ともに、一審=無罪判決、二審=差し戻し判決、最高裁・上告審=上告棄却、差し戻し審=再び無罪判決。そして現在、第二次控訴審は結審し判決待ちという経過をたどり、今にいたる。実に、国賠裁判開始から25年の歳月が流れている。

 甲山裁判の被告たちは、二つの被告事件の「併合」や「分離」を経て、現在に至っている。3人一緒の併合審として開始された元一審は、1984年12月、第66回公判で山田さんの「殺人罪」に関する事実調べが終了したのを機に、荒木さん・多田さんの「偽証罪」公判が分離された。
 山田さんの「殺人罪」は1985年10月、無罪判決を得る。一方「偽証罪」の二人は、1986年2月分離公判として審理が開始されたのち、1987年11月、同じく無罪判決を得た。
 その後、検察が「殺人罪」「偽証罪」ともに大阪高裁へ控訴。控訴審は分離公判のまま行われ、「殺人罪」は1990年3月に、「偽証罪」は1993年1月に、ともに「原判決破棄、差し戻し」判決となる。
 この判決に対して山田さんは即日上告するが、最高裁は「上告棄却」の判決。「偽証罪」の方は上告せず、二つの事件ともに神戸地裁の差し戻し審へと審理の場を移した。

 1993年2月「殺人罪」差し戻し審開始、同年12月には「偽証罪」差し戻し審が開始される。そして、「偽証罪」差し戻し審の第2回公判で再び裁判所の提案で併合が決まり、すでに第13回まですすんでいた「殺人罪」差し戻し審と併合される。
 さらに差し戻し審第65回公判(1997年4月)から、公判の分離を希望していた多田さんの「偽証罪」裁判のみ分離となる。
 差し戻し審は1998年3月、山田さんと荒木さんに、続いて分離公判の多田さんに、ともに二度目の無罪判決。しかし検察は控訴期限ぎりぎりに再び控訴。

 第二次控訴審は山田さんの「殺人罪」と、荒木さんの「偽証罪」の併合審と、多田さんの「偽証罪」公判の二本立てで始まった。途中、一時多田さんの被告人質問の一回廷のみ併合されたが、 ふたたび多田さんの公判が分離され、結審をした。
 そうして、1999年9月29日、山田さんに、10月22日には荒木さん、続いて10月29日に多田さんに、いづれも完全無罪判決。 検察は上告を断念し、ここに甲山刑事裁判のすべてが無罪終結した。


裁判年表

国家賠償請求訴訟審理

  年 月 日 回 数  内 容
1974年 7月30日 沢崎悦子さん,N.S.,M.T.3名で国,兵庫県を相手に国家賠償請求訴訟を提訴
1974年11月22日 国賠訴訟 01回
1975年 1月24日 国賠訴訟 02回
1975年 2月28日 国賠訴訟 03回
1975年 4月25日 国賠訴訟 04回
1975年 5月23日 国賠訴訟 05回
1975年 6月13日 国賠訴訟 06回
1975年 7月18日 国賠訴訟 07回
1975年 9月19日   第1回現場検証 於 甲山学園
1975年10月17日   現場検証は雨天のため中止
1975年11月21日   第2回現場検証 於 甲山学園
1975年12月19日 国賠訴訟 08回 証人調べ 荒木さん(甲山学園長)
1976年 1月16日 国賠訴訟 09回 証人調べ 荒木さん
1976年 2月20日 国賠訴訟 10回 証人調べ 荒木さん
1976年 3月19日 国賠訴訟 11回 本人調べ N.S.(甲山学園青葉寮指導員)
1976年 4月16日 国賠訴訟 12回 警察官の傍聴,出動について
1976年 5月21日   警察官の傍聴について紛糾したため期日変更決定
1976年 6月18日 国賠訴訟 13回 本人調べ N.S.
1976年 7月16日 国賠訴訟 14回 警察官傍聴について原告弁護側の意見陳述(排除せよとの)
1976年 9月17日   証拠調べ N.S. 於 甲山学園会議室
1976年10月15日 国賠訴訟 15回 証人調べ 多田さん(甲山学園若葉寮指導員)
1976年11月19日 国賠訴訟 16回 証人調べ 多田さん
1976年12月17日 国賠訴訟 17回 証人調べ T.K.(神戸国際会館保安係)
1977年 2月 5日   録音テープ検証 A.(生け花の師匠),S.(ラジオ大阪)録音テープ 於 裁判官室
1977年 2月18日 国賠訴訟 18回 証人調べ
小島直臣(兵庫県警察本部刑事部捜査第一課警部補),
開田保章(兵庫県警察本部刑事部機動捜査隊警部補)
1977年 3月18日 国賠訴訟 19回 証人調べ
伊東香保(弁護士),
H.T.(ボランティアお誕生日ありがとう運動責任者)
1977年 5月20日 国賠訴訟 20回 証人調べ 間瀬俊道(弁護士)
1977年 6月17日 国賠訴訟 21回 証人調べ 小島直臣
1977年 7月15日 国賠訴訟 22回 証人調べ 小島直臣
1977年 9月16日 国賠訴訟 23回 証人調べ 開田保章
1977年10月21日 国賠訴訟 24回 証人調べ T.N.(甲山学園青葉寮保母)
1977年11月18日 国賠訴訟 25回 証人調べ T.N.
1977年12月16日 国賠訴訟 26回 証人調べ T.N.
1978年 1月20日   T.N.証人が病気を理由に不出廷のため中止
1978年 2月17日 国賠訴訟 27回 証人調べ T.N.
1978年 3月17日 国賠訴訟 28回 証人調べ N.M.(甲山学園青葉寮指導員)

殺人罪審理が開始したため、一旦中断。1997年再開の手続きが進められている。


殺人罪審理

※ ?付きの数字は、1980年 8月 4日の公判(午前と午後)の計数の仕方が違っていたためにずれたもの。当時の資料等はこの計数を用いた場合が多いので注意

  年 月 日 回 数  内 容
1978年 6月 5日 元1審 01回 刑事公判,起訴状朗読
1978年 7月10日 元1審 02回 弁護側公訴棄却申立。証拠全面開示要求
1978年 8月15日   公訴棄却申立却下
1978年 9月 4日 元1審 03回 公訴棄却申立却下に対する弁護側意見陳述
1978年10月 2日 元1審 04回 弁護側証拠全面開示要求。
検察冒頭陳述書朗読。証拠申請
1978年11月 6日 元1審 05回 弁護側冒頭陳述に対する求釈明。証拠開示要求
1978年12月 4日 元1審 06回 検察側手持証拠中の存否について求釈明と釈明。
証拠開示を拒否する検察側に対する弁護側の反論。
検察側の証拠開示案
1979年 1月16日 元1審 07回 検察側申請証拠に対する弁護側の同意,不同意の判断
裁判所の証拠開示についての判断
1979年 2月 6日   第1回現場検証
1979年 3月 6日   第2回現場検証
1979年 4月 3日   第3回現場検証
1979年 5月 8日 元1審 08回 N.M.(元甲山学園職員)に対する検察側主尋問
1979年 6月 5日 元1審 09回 T.N.(元甲山学園職員)に対する検察側主尋問
1979年 8月21日 元1審 10回 N.M.に対する弁護側反対尋問1
1979年 9月 4日 元1審 11回 N.M.に対する弁護側反対尋問2
1979年10月 2日 元1審 12回 N.M.に対する弁護側反対尋問3
1979年11月 6日 元1審 13回 T.N.に対する弁護側反対尋問1
1979年12月 4日 元1審 14回 T.N.に対する弁護側反対尋問2
元園児に対する取調方法についての弁論と非公開で行うとの裁判所の決定
1979年12月10日   弁護側の異議申立棄却に対する特別抗告申立
1979年12月21日   最高裁特別抗告を棄却
1980年 1月14日 非公開法廷 01回 甲山学園元園児A[M.M.]に対する検察側主尋問1
1980年 2月 4日 非公開法廷 02回 甲山学園元園児A,C[H.M.]に対する検察側主尋問
1980年 3月 1日 非公開法廷 03回 甲山学園元園児B[S.S.]に対する検察側主尋問
1980年 4月30日 非公開法廷 04回 甲山学園元園児D[S.T.]に対する検察側主尋問
1980年 5月20日 非公開法廷 05回 甲山学園元園児E[T.K.]に対する検察側主尋問
1980年 6月 2日 元1審 15回 更新弁論,証拠開示弁論,
T.N.に対する弁護側反対尋問 3
1980年 7月 7日 元1審 16回 T.N.に対する弁護側反対尋問 4
1980年 8月 4日 元1審 17回 証拠開示弁論
1980年 8月 4日 元1審 18回  ?17 T.N.に対する弁護側反対尋問 5
1980年 9月 1日 元1審 19回  ?18 証拠開示弁論. 裁判官忌避
1980年10月 1日 元1審 20回  ? 忌避却下決定 即時抗告→棄却
1980年12月 1日 非公開法廷 06回 元園児Dに対する弁護側反対尋問
1980年12月16日 非公開法廷 07回 元園児Eに対する弁護側反対尋問1
1981年 1月17日 非公開法廷 08回 元園児Bに対する弁護側反対尋問
1981年 2月19日 非公開法廷 09回 元園児Aに対する弁護側反対尋問1
1981年 3月19日 非公開法廷 10回 元園児Aに対する弁護側反対尋問2
1981年 4月16日 非公開法廷 11回 元園児Aに対する弁護側反対尋問3
1981年 5月14日 非公開法廷 12回 元園児Eに対する弁護側反対尋問2
1981年 6月 4日 非公開法廷 13回 元園児Cに対する弁護側反対尋問1
1981年 6月25日 非公開法廷 14回 元園児Cに対する弁護側反対尋問2
1981年 7月16日 非公開法廷 15回 元園児Cに対する弁護側反対尋問3
1981年 9月10日 非公開法廷 16回 元園児Cに対する弁護側反対尋問4
1981年10月 8日 非公開法廷 17回 元園児Cに対する弁護側反対尋問5
1982年 1月22日 元1審 21回  ?19 非公開尋問調書の朗読(1/3)
1982年 2月19日 元1審 22回  ?20 非公開尋問調書の朗読(2/3)
1982年 3月19日 元1審 23回  ?21 非公開尋問調書の朗読(3/3)
1982年 4月23日 元1審 24回  ?22 更新弁論,検察側証人申請についての意見
1982年 5月21日 元1審 25回  ?23 学園周辺の検索,現場とその周辺の検証,死体引上げに関する証人調べ
湯元小一,播磨宏他,下坂宇一
1982年 6月18日 元1審 26回  ?24 「繊維の相互付着」に関し検察側証人に対する検察側主尋問
榎 広:西宮署鑑識係,巡査部長
宇高時雄:西宮署保安課少年係,巡査部長
高橋 亨:兵庫県警本部捜査一課,警部 甲山事件捜査主任
志賀信義:兵庫県警西宮署,司法巡査
1982年 7月 5日 元1審 27回  ?25 信西清人(兵庫県警科学検査所技術吏員)及び勝 忠明に対する検察側主尋問
1982年 8月 6日 元1審 28回  ?26 勝 忠明に対する検察側主尋問
死体解剖に関して溝井泰彦(神戸大学医学部教授)に対する検察側主尋問
1982年 9月10日 元1審 29回  ?27 榎 広,宇高時雄,志賀信義,古東文夫に対する弁護側反対尋問
1982年10月 8日 元1審 30回  ?28 勝 忠明に対する弁護側反対尋問
1982年11月12日 元1審 31回  ?29 勝 忠明に対する弁護側反対尋問,検察側再主尋問,弁護側再反対尋問
信西清人に対する弁護側反対尋問
1982年11月26日 元1審 32回  ?30 死体解剖に関して溝井泰彦に対する弁護側反対尋問
1982年12月17日 元1審 33回  ?31 高橋 亨に対する弁護側反対尋問,
信西清人に対する検察側再主尋問
「繊維鑑定」に関して信西清人に対する検察側主尋問
1983年 1月11日 元1審 34回  ?32 脇本 繁(大阪市立工業研究所研究主任)に対する検察側主尋問
1983年 2月 8日 元1審 35回  ?33 浦畑俊博(大阪市立工業研究所研究主幹)に対する検察側主尋問
1983年 3月 1日 元1審 36回  ?34 西海四郎(東洋レーヨン株式会社商品研究室長),
前田富之(京都島津製作所分析センター技師)に対する検察側主尋問
1983年 4月26日 元1審 37回  ?35 裁判長変更に伴う更新弁論(角谷裁判長へ)
西海四郎,前田富之に対する検察側主尋問
1983年 5月17日 元1審 38回  ?36 信西清人に対する弁護側反対尋問
1983年 6月 7日 元1審 39回  ?37 西海四郎に対する弁護側反対尋問
1983年 6月28日 元1審 40回  ?38 脇本 繁に対する弁護側反対尋問1
1983年 7月12日 元1審 41回  ?39 脇本 繁に対する弁護側反対尋問2
1983年 7月19日 元1審 42回  ?40 脇本 繁に対する弁護側反対尋問3,検察側再主尋問
1983年 8月30日 元1審 43回  ?41 浦畑俊博に対する弁護側反対尋問
1983年 9月20日 元1審 44回  ?42 元園児Eに関して
逢坂貞夫(第2次捜査の主任検察官),仲内 勉(第2次捜査の検察官)に対する検察側主尋問
1983年10月18日 元1審 45回  ?43 元園児Eに関して逢坂貞夫に対する弁護側反対尋問
1983年11月18日 元1審 46回  ?44 元園児E,Dに関して仲内 勉に対する弁護側反対尋問
Dに関して加納駿亮(第2次捜査の検察官)に対する検察側主尋問
1983年12月13日 元1審 47回  ?45 元園児Bに関して村上秀夫に対する検察側主尋問,弁護側反対尋問
逢坂貞夫に対する検察側主尋問
1984年 1月20日 元1審 48回  ?46 元園児B,Dに関して逢坂貞夫,加納駿亮に対する弁護側反対尋問
1984年 2月17日 元1審 49回  ?47 元園児A,Cに関して逢坂貞夫に対する検察側主尋問
山科勢一(神戸地検尼崎支部副検事)に対する検察側主尋問,弁護側反対尋問
1984年 3月23日 元1審 50回  ?48 元園児Aに関して山科勢一に対する弁護側反対尋問
1984年 4月27日 元1審 51回  ?49 更新弁論,
元園児Cに関して逢坂貞夫に対する弁護側反対尋問
1984年 5月16日 元1審 52回  ?50 元園児Aに関して樋口禎志(第1次捜査の検察官)に対する検察側主尋問,弁護側反対尋問
1984年 6月 1日 元1審 53回  ?51 「自白」に関して勝 忠明に対する検察側主尋問
1984年 6月22日 元1審 54回  ?52 勝 忠明,山崎清麿に対する検察側主尋問
1984年 7月 6日 元1審 55回  ?53 勝 忠明に対する弁護側反対尋問
1984年 7月25日 元1審 56回  ?54 勝 忠明に対する弁護側反対尋問
1984年 8月 8日 元1審 57回  ?55 勝 忠明,山崎清麿に対する弁護側反対尋問
1984年 9月 5日 元1審 58回  ?56 山崎清麿に対する弁護側反対尋問
1984年 9月14日 元1審 59回  ?57 山崎清麿に対する弁護側反対尋問
1984年10月 3日 元1審 60回  ?58 山崎清麿に対する弁護側反対尋問
佐藤惣一郎(第1次捜査の検察官)に対する検察側主尋問と弁護側反対尋問
1984年10月17日 元1審 61回  ?59 M.T.(元甲山学園職員)に対する弁護側主尋問,検察側反対尋問
山田悦子さんに対する弁護側質問1
1984年11月 2日 元1審 62回  ?60 山田悦子さんに対する弁護側質問2
1984年11月14日 元1審 63回  ?61 山田悦子さんに対する弁護側質問3
1984年11月30日 元1審 64回  ?62 山田悦子さんに対する弁護側質問4,
山田悦子さんに対する検察側反対質問1
1984年12月14日 元1審 65回  ?63 山田悦子さんに対する検察側反対質問2,弁護側補充質問,
検察側 23名の証人申請
1984年12月26日 元1審 66回  ?64 検察側の証人申請に対する裁判所の採否決定(却下)
偽証罪の審理を分離。殺人罪の事実調べ終了。
1985年 4月18日 元1審 67回  ?65 検察側論告求刑,懲役13年を求刑
1985年 6月20日 元1審 68回  ?66 弁護側最終弁論,山田悦子さん意見陳述―結審
1985年10月17日 元1審 69回  ?67 完全無罪判決 判決文

※ ?付きの数字は、1980年 8月 4日の公判(午前と午後)の計数の仕方が違っていたために
   ずれたもの。当時の資料等はこの計数を用いた場合が多いので注意




偽証罪審理

※ 回数の右側の数は元1審を含めた回数(計数の仕方が違ったため。当時の資料等はこの計数を用いた場合がある)

  年 月 日 回 数  内 容
1986年 2月12日 偽証再開 01回 67 弁護側公訴棄却申立
1986年 3月10日 偽証再開 02回 68 弁護側求釈明
1986年 5月 7日 偽証再開 03回 69 検察側証人 N.Y.(元甲山学園職員)主尋問,
弁護側反対尋問1回目
1986年 6月11日 偽証再開 04回 70 検察側証人 N.Y.弁護側反対尋問2回目
1986年 7月16日 偽証再開 05回 71 検察側証人 H.T.(ボランティア)主尋問
1986年 8月27日 偽証再開 06回 72 検察側証人 H.T.弁護側反対尋問
1986年 9月17日 偽証再開 07回 73 検察側証人 Y.T.(元甲山学園副園長)主尋問
1986年10月15日 偽証再開 08回 74 検察側証人 Y.T.弁護側反対尋問
1986年11月12日 偽証再開 09回 75 多田さん質問(弁護側)
1986年12月17日 偽証再開 10回 76 荒木さん質問(弁護側)
1987年 1月20日 偽証再開 11回 77 多田さん質問(検察側1回目)
1987年 1月20日 偽証再開 12回 78 多田さん質問(検察側2回目)
1987年 2月27日 偽証再開 13回 79 多田さん質問(検察側3回目)
1987年 3月10日 偽証再開 14回 80 荒木さん質問(検察側)
1987年 3月24日 偽証再開 15回 81 証拠採否決定
1987年 6月30日 偽証再開 16回 82 検察論告
1987年 9月 1日 偽証再開 17回 83 弁護側最終弁論
1987年11月17日 偽証再開 18回 84 完全無罪判決
1992年10月16日 偽証控訴大阪高裁 01回 弁護人答弁書朗読。検察側証拠請求、弁護側証拠開示要求。
1992年11月11日 偽証控訴大阪高裁 02回 裁判所は証拠開示命令を出さず。弁護側は意見を拒否したまま結審。
1993年 1月22日 偽証控訴大阪高裁 03回 大阪高裁判決「原判決を破棄、神戸地裁へ差し戻す」判決。

※ 回数の右側の数は元1審を含めた回数(計数の仕方が違ったため。当時の資料等はこの計数を用いた場合がある)


控訴審

  年 月 日 回 数  内 容
1988年10月12日 大阪高裁 01回 人定質問,陳述,証拠申請
1988年12月 9日 大阪高裁 02回 弁護人意見陳述
1989年 2月 1日 大阪高裁 03回 鑑定人一谷証人検察主尋問
1989年 2月22日 大阪高裁 04回 鑑定人一谷証人弁護側反対尋問
1989年 3月24日 大阪高裁 05回 鑑定人赤羽目証人検察側主尋問,弁護側反対尋問
1989年 4月12日 大阪高裁 06回 鑑定人一谷証人検察側主尋問
1989年 5月12日 大阪高裁 07回 鑑定人武貞主尋問,反対尋問
1989年 5月31日 大阪高裁 08回 鑑定人一谷証人反対尋問
1989年 6月14日 大阪高裁 09回 鑑定人吉田証人主尋問,反対尋問
1989年 6月30日 大阪高裁 10回 鑑定人萩原証人主尋問,反対尋問
1989年 7月19日 大阪高裁 11回 西村末春(警察官)証人検察主尋問
1989年 8月23日 大阪高裁 12回 西村末春証人弁護側反対尋問
1989年 9月 6日 大阪高裁 13回 弁護側証人O.N.弁護側主尋問
1989年 9月29日 大阪高裁 14回 O.N.検察側反対尋問,大内検察側主尋問
1989年10月13日 大阪高裁 15回 検察側証人大内弁護側反対尋問
1989年11月 1日 大阪高裁 16回 朝倉証人検察側主尋問,弁護側反対尋問
1989年11月15日   期日外 M.T.証人検察主尋問,弁護側反対尋問
1989年12月 1日 大阪高裁 17回 H.M.証人検察側主尋問,弁護側反対尋問
1990年 1月19日 大阪高裁 18回 検察,弁護側最終弁論
1990年 3月23日 大阪高裁 19回 差戻し判決, 弁護側即日上告
1991年 6月28日 上告趣意書提出
1992年 4月 7日 最高裁 上告棄却(8万人の署名を提出した直後に)

差し戻し審

  年 月 日 回 数  内 容
1993年 2月19日 差戻審 01回 人定質問,起訴状朗読,罪状認否,
弁護人意見陳述の1回目
1993年 3月 2日 差戻審 02回 弁護人意見陳述の2回目
1993年 3月16日 差戻審 03回 弁護人意見陳述の3回目
1993年 4月20日 差戻審 04回 検察冒頭陳述−従前と変更なし(朗読省略),弁護側求釈明
1993年 5月18日 差戻審 05回 元1審証拠調べ(調書の主要部分のみ朗読)と弁護側意見1回目
1993年 6月 8日 差戻審 06回 元1審証拠調べ(調書の主要部分のみ朗読)と弁護側意見2回目
1993年 6月29日 差戻審 07回 元1審証拠調べ(調書の主要部分のみ朗読)と弁護側意見3回目
1993年 7月13日 差戻審 08回 元1審証拠調べ(調書の主要部分のみ朗読)と弁護側意見4回目
1993年 8月 3日 差戻審 09回 元2審証拠調べと弁護側意見, 検察側証拠調べと請求意見書朗読
1993年 9月28日 差戻審 10回 検察意見に対する弁護側反論と求釈明,
検察側釈明拒否の意見
1993年10月19日 差戻審 11回 裁判所釈明命令,検察側釈明,弁護側証拠開示要求
1993年11月 9日 差戻審 12回 検察申請証拠に対する弁護側意見,弁護側証拠申請と意見
1993年12月 3日 偽証公判 1回 起訴状朗読,罪状認否,弁護人意見陳述,元1審証拠調べ
1993年12月14日 偽証公判 2回 元1審証拠採用についての弁護人意見
1993年12月14日 差戻審 13回 (これより併合審) 証拠(証人)調べ決定
1994年 2月17日 差戻審 14回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
O.(国際会館保安係),H.(ボランティア)
1994年 3月10日 差戻審 15回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
Z.(ラジオ大阪),元園児Cの父
1994年 3月29日 差戻審 16回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
元園児Cの父の同僚,お花の先生A.(弁護側申請)
1994年 4月21日 差戻審 17回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
S(ラジオ大阪)の妻,吉崎(西宮署)(検察主尋問)
1994年 5月10日 差戻審 18回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
S(ラジオ大阪),吉崎(西宮署)(弁護側反対尋問)
1994年 5月26日 差戻審 19回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
吉崎(西宮署)(反対尋問)
池上(西宮署)(検察主尋問)    
1994年 6月14日 差戻審 20回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
縄手(西宮署)(検察主尋問,弁護側反対尋問)
切通(西宮署)(検察主尋問)
1994年 6月30日 差戻審 21回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
池上(西宮署)反対尋問,切通(西宮署)反対尋問
1994年 7月19日 差戻審 22回 アリバイ関連証拠調の評価,今後の証拠採用について、双方からの意見
1994年 8月25日 差戻審 23回 釈明論争,裁判所による証人採用決定
1994年 9月13日 差戻審 24回 証人調べ(17日,19日の学園内の状況に関し)
T.S.(若葉寮職員),N..[旧姓Y.](若葉寮職員)(検察主尋問)
1994年 9月27日 差戻審 25回 証人調べ(17日,19日の学園内の状況に関し)
T.S.,N.[旧姓Y.].(弁護側反対尋問) 
1994年10月11日 差戻審 26回 証人調べ(17日,19日の学園内の状況に関し)
M.K.(若葉寮職員保母)検察主尋問,弁護側反対尋問 
1994年11月 8日 差戻審 27回 証人調べ(M子さん死亡時刻について)
遺体鑑定人溝井泰彦(神戸大学医学部教授)
1994年11月29日 差戻審 28回 証人調べ(17日,19日の学園内の状況に関し)
K.(若葉寮介護実習生),I.(用務員) 
1994年12月15日 差戻審 29回 証人調べ(17日,19日の学園内の状況に関し)
保護者H.(母親),保護者I.(父親) 
1995年 3月 8日 差戻審 30回 証人調べ(事件後の職員の言動,繊維の相互付着に関し)
N.H.[旧姓H.](青葉寮職員保母)検察主尋問,
H.K.[旧姓H.](青葉寮職員保母)検察主尋問,
U.M.[旧姓M.](青葉寮職員)検察主尋問,     
1995年 3月27日 差戻審 31回 証人調べ(事件後の職員の言動,繊維の相互付着に関し)
T.Y.[旧姓K.],H.K.[旧姓H.](弁護側反対尋問)
1995年 4月17日 差戻審 32回 証人調べ(事件後の職員の言動,繊維の相互付着に関し)
U.M.[旧姓M.](弁護側反対尋問)
1995年 5月10日 差戻審 33回 証人調べ(17日,19日の学園内の状況に関し)
K.(若葉寮職員)(検察主尋問,弁護側反対尋問)
(園児供述の信用性[S君の性格,口止め]に関し)
S君の母
1995年 5月29日 差戻審 34回 証人調べ(園児供述の信用性[S君の性格,口止め]に関し)
S君の母(検察主尋問の続き,弁護側反対尋問) 
1995年 6月12日 差戻審 35回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
I.E.(甲山福祉センター事務局次長)( 検察主尋問)
H.S.(寿園職員事件当時当直)( 検察主尋問)
K.H.(甲山学園ボイラーマン)(検察主尋問,弁護側反対尋問)
1995年 6月26日 差戻審 36回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
K.S.(甲寿園寮母事件当日夜勤) 検察主尋問
T.K.(甲山診療所職員薬剤師) 検察主尋問
K.A.(甲山厨房調理師) 検察主尋問
1995年 7月17日 期日外証人調べ
福井地裁出張尋問
証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
S.[旧姓K.](若葉寮指導員)検察主尋問,弁護側反対尋問
1995年 8月23日 差戻審 37回 証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
K.S.(甲寿園寮母)弁護側反対尋問,
T.K.(甲山診療所薬剤師)弁護側反対尋問,
K.A.(厨房調理師)弁護側反対
1995年 9月13日 差戻審 38回 証人調べ(事件後の職員の言動,繊維の相互付着,園児供述の信用性[口止め関連]に関し)
N.H.[旧姓H.](青葉寮職員)弁護側反対尋問1回目
1995年10月 4日 差戻審 39回 証人調べ
T.M.,M.H.(弁護側反対尋問)(電話の時刻・順序に関し)
H.
(若葉寮職員)(双方申請)(事件後の職員の言動に関し) 
1995年10月23日 差戻審 40回 証人調べ(事件後の職員の言動,繊維の相互付着,園児供述の信用性[口止め関連]に関し)
N.H.[旧姓H.](青葉寮職員)弁護側反対尋問2回目
U.O.・U.A.夫妻(弁護側申請)(電話の順序・時刻に関し)
1995年11月13日 差戻審 41回 証人調べ(被告人の取り調べ状況[荒木さん,多田さん関係]に関し)
開田保章(警察官)検察主尋問,
小島直臣(警察官)検察主尋問
1995年11月29日 差戻審 42回 証人調べ(被告人の取り調べ状況)
開田保章 弁護側反対尋問,
1995年12月18日 差戻審 43回 証人調べ(被告人の取り調べ状況)
小島直臣 弁護側反対尋問
田中勇郎(警察官) 検察主尋問
1996年 1月 8日 期日外証人調べ
熊本地裁出張尋問
証人調べ(電話の時刻・順序に関し)
M.(特別老人ホーム甲寿園寮母)
1996年 1月23日 差戻審 44回 証人調べ(被告人の取り調べ状況に関し)
田中勇郎(警察官) 弁護側反対尋問
M.証人の期日外証人調べ証拠手続き
1996年 2月 6日 差戻審 45回 証人調べ(被告人の取り調べ状況に関し)
大内幸人(警察官)(自白関連)主尋問,反対尋問,
高橋 亨(警察捜査主任)(双方申請)(捜査の経過)主尋問
1996年 2月27日 差戻審 46回 証人調べ
高橋 亨(弁護側反対尋問),証拠開示請求却下
1996年 3月19日 差戻審 47回 証人調べ
高橋 亨(弁護側反対尋問),
1996年 4月 5日 差戻審 48回 証人調べ
高橋 亨(弁護側反対尋問),
1996年 4月26日 差戻審 49回 証人調べ(荒木被告取り調べ経過)
加納駿亮(検察官)検察主尋問
1996年 5月17日 差戻審 50回 証人調べ
加納駿亮(弁護側反対尋問)
1996年 6月 7日 差戻審 51回 証人調べ(みかん関連)
H.S.(厨房栄養士)
小沢良和(和歌山県果樹園芸試験場職員)検察主尋問 
1996年 6月21日 差戻審 52回 証人調べ(みかん関連)
小沢良和 弁護側反対尋問
鍵政(警察官) 
1996年 7月12日 差戻審 53回 証人調べ(支援活動・捜査等に関し)
N.S.(弁護側申請証人・主尋問)
1996年 7月30日 差戻審 54回 証人調べ(支援活動・捜査等に関し)
N.S.(弁護側申請証人・検察側反対尋問)
1996年 9月 6日 差戻審 55回 弁論  弁護側証人申請却下 検察証人申請(園児鑑定人)却下
1996年10月 8日 差戻審 56回 荒木さん被告人質問(弁護側)
1996年11月 1日 差戻審 57回 荒木さん被告人質問(検察側1回目)
1996年11月19日 差戻審 58回 荒木さん被告人質問(検察側2回目,弁護側補充,裁判官)
1996年12月 3日 差戻審 59回 山田悦子さん被告人質問(弁護側)
1996年12月20日 差戻審 60回 山田悦子さん被告人質問(検察側)
1997年 1月30日 差戻審 61回 多田さん被告人質問(検察側)(弁護側,裁判官はせず)
1997年 2月18日 差戻審 62回 弁論 書証等の採否決定
1997年 3月 4日 差戻審 63回 弁論 書証等の採否決定
1997年 3月25日 差戻審 64回 弁論 山田さんの取り調べテープ等、証拠の採否決定
1997年 4月 4日 差戻審 65回 弁論 検察証拠のみ採用。弁護側の証拠開示の要求も拒絶
1997年 4月18日 差戻審 66回 弁論 最後の証拠採否。元職員の警察官調書が不採用になる
1997年 7月 1日 差戻審 67回 検察官論告求刑、山田さんに懲役 13年、荒木さんに同 1年の求刑
1997年10月 8日 大阪高裁 「捜査1課長」裁判2審判決原告勝訴
田畑 豊裁判長大阪高裁82号法廷
1997年11月 4日 差戻審 68回 弁護側最終弁論
1997年11月 5日 差戻審 69回 弁護側最終弁論,山田悦子さん,荒木さん意見陳述 ― 結審
1998年 3月24日 差戻審 70回 ふたたび完全無罪判決 判決理由要旨
1998年 3月30日 差戻審  回 分離裁判となった多田さんについてもふたたび完全無罪判決
1998年 4月 6日 神戸地検が大阪高裁へ控訴。

第2次控訴審

  年 月 日  回 数 内 容
1998年 8月14日 検察控訴趣意書提出
1998年11月30日 弁護側答弁書提出
1999年 1月22日  第2次控訴審 1回 検察控訴趣意書、弁護人答弁書朗読。
1999年 1月29日 第2次控訴審 2回 検察官証拠請求。そのほとんどを却下。園児の供述録音テープは保留。
1999年 2月19日 第2次控訴審 3回 裁判所は、検察請求の多田さんの証人尋問を、多田さんの被告人質問として行うことを決定。
園児供述テープ却下。
1999年 3月 5日 第2次控訴審 4回 多田さんの公判を併合しての多田さん被告人質問。
多田さん「今までの裁判のなかでせいいっぱい思い出して述べてきました。もうこれ以上申し上げることはありません。」と黙秘権行使を表明。
1999年 3月31日 第2次控訴審 5回 検察、弁護側双方の最終弁論。結審。
1999年 9月29日 第2次控訴審 山田さん判決 山田悦子さん第2次控訴審 三度の完全無罪判決 判決理由要旨
1999年10月 8日    大阪高検が上告断念を正式に発表 山田さんの無罪が確定。
1999年10月22日 第2次控訴審 荒木さん判決 荒木さん第2次控訴審 三度の完全無罪判決 判決理由要旨
1999年10月29日 第2次控訴審 多田さん判決 多田さん第2次控訴審 三度の完全無罪判決 判決理由要旨
1999年11月 4日    大阪高検が荒木さん、多田さんに対する上告を断念。ここに甲山刑事裁判のすべてが無罪終結。


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