フィジーワークショップ報告書
文責:大西 祥世

1.2000年5月6日(土)から7日(日)の2日間にわたり、アジア太平洋地域国内人権機関フォーラム「女性の国際人権に関する国内人権機関の役割に関する地域ワークショップ」が開催された。主催はフィジー共和国人権委員会、共催は国連人権高等弁務官事務所、後援はオーストラリア国際開発庁(AusAID)を通じたオーストラリア政府、ニュージーランド国際協力機構(NZODA)を通じたニュージーランド政府である。会場は、フィジー共和国の首都スバ市にあるセントラホテルであった。

 ワークショップの参加者は85名であった。人権フォーラム21からはNMPメンバーである大西が参加し、またバングラデシュ・チッタゴン大学講師のトゥシャール・カンティ・ダス法学博士(法政大学)も参加に協力した。この他に日本からの参加者は、(社)自由人権協会(JCLU)の江橋崇代表理事である。

2.アジア太平洋地域国内人権機関フォーラムからはKieren Fitzpatrick氏やBill Baker氏などが参加したが、ワークショップと別にNGOワークショップを開催するには至らなかったので、大西はワークショップおよびレセプションなどにおける報告討議と情報交換に集中した。

3.ワークショップは、開催に先立つ5日夜に、フィジー共和国のマヘンドラ・P・チョウドゥリー首相の出席のもとに開会式を行った。同首相の挨拶は、フィジー共和国の女性の人権に関する諸政策を体系的に述べ、また、太平洋島嶼諸国における国内人権機関の設立に向けた積極的な姿勢を表明するものであり、参加者に強い印象を与え、翌日以降のマスメディアで広く報道された。開会式ではまた、南太平洋大学副学長のメア・プリア教授、フィジー共和国人権委員会委員長のケパ判事、国連人権高等弁務官事務所特別アドバイザーのブライアン・バートキン氏、女性差別撤廃委員会のシルビア・カートライト委員による積極的な取組をめざす挨拶が行われた。

4.ワークショップは、5月6日・7日の両日、以下のアジェンダにそって行われた。

<5月6日>
(1)全体会1:「女性の権利:フォーラム加盟国と太平洋諸国におけ
        る主要な論点:地域における国内人権機関の役割」
(2)分科会:(1)「国内人権機関の使命と一般的な活動」
        (2)「女性に対する暴力」
(3)全体会2:「国内人権機関におけるジェンダーに関する論点」
(4)分科会:(1)研修と雇用機会均等
        (2)国内人権機関の委員と事務局職員レベルにおけるジェンダーバランスの推進

<5月7日>
(1)全体会3:「女性の権利:国際的な状況との関連で」
(2)全体会4:「反人種主義世界会議、人種差別主義と女性の権利」
(3)全体会5:「アジア太平洋地域国内人権機関フォーラムとNGOの役割」
(4)全体会6:「分科会の報告のまとめ」
(5)全体会7:「ワークショップの最終宣言に関する討議」
(6)閉会式

5.大西は5月6日の分科会において、人権フォーラム21の活動を紹介し、会議の内外を通じて各国の参加者と意見を交換した。ダスもまた、分科会において、人権フォーラム21の協力により参加できた経緯を説明し、バングラデシュにおける女性問題の現状について報告した。

6.次回の年次会合(第5回)は、2000年8月7日〜9日にニュージーランドのロトルア市で開催されることが報告された。

7.会議は、最終日に以下の決議を採択して閉会した。

アジア太平洋地域国内人権機関フォーラム
女性の国際人権に関する国内人権機関の役割に関する地域ワークショップ
2000年5月5日−7日、フィジー共和国スバ市

最終宣言と勧告


 

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