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特定非営利活動法人
日本下水文化研究会
Japan Association of Drainage and Environment
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定例研究会




第26回 定例研究会



都市水代謝デザイン

谷口 孚幸氏

 本年度初めてとなります第26回定例研究会を下記のとおり開催いたします。講演終了後会場でささやかな懇親会もあります。ふるってご参加ください。

日時:10月25日(金)6時半
場所:水道会館会議室
講演者:谷口 孚幸氏
演題:都市水代謝デザイン
【講演概要】
 従来、拡大開放を前提条件として整備されてきた我が国の上下水道も水資源の量的不足や質的劣化によってその普遍性が疑問視されるようになりました。上下水道が最早画一的なものではあり得ないことが判っても、新しいシステムのあり方を見極めるのは容易ではありません。
 新しい用排水システムの構築には技術革新に基づく新技術と都市計画にリンクした都市水環境システム計画手法の確立が望まれています。これについての研究は 始まったばかりですが、講演者は各都市の有する歴史、自然環境、都市環境など多くの要素を勘案しながら作られた水循環マスタープランを提示しています。持 続可能で安定的な水循環を実現する用排水システムの探索について講演者とともに考えたいと思います。
【講師紹介】
 1968年北海道大学工学部衛生工学科卒業、1982年工学博士(北海道大学)、現在大成建設(株)都市開発本部部長、著書に「地域暖房とエネルギーの有効利用」共著、「地球環境都市デザイン」、「都市水代謝デザイン」等




定例研究会報告

谷口 尚弘

 去る10月25日、日本水道協会会議室で第26回定例研究会が約30名の会員が出席して開催されました。講師には以前にも講演していただいたいたことのある大成建設の谷口孚幸氏をお招きし、「都市水代謝デザイン」と題して行われました。
 このテーマは、拡大開放型の計画思想によって整備されてきた我が国の近代上下水道は水資源の量的限界や質的劣化が進行したことにより、従来からの延長線 上では最早成立し得ないという問題意識に基づいています。このような場合、とかく問題は提起してもその解決法まで提案することはなかなか難しいことです。 はっきりしていることは様々な環境制約の条件下では画一的な解決法はあり得ないということです。
 そこで、谷口講師は新しい用排水システムを構築するに当たり、最新の水処理技術を踏まえて都市計画にリンクした都市水環境システムの計画手法を確立しよ うと試みております。この方法論を講師は「都市水代謝デザイン」と名付けております。講演の中では、都市水環境システム計画における都市水政策モデルと都 市政策モデルの関係を紹介し、それぞれのモデルを構築する時の与条件を例示されました。そして、この都市用排水システムの検討結果として、泉市と霞ヶ浦流 域について行ったケーススタディを紹介されました。
 最近は、流域管理の視点を取り入れて水量、汚濁負荷、水系リスクのコントロールを行うべきとの議論が「下水道政策委員会」からも提言されるなど、従来思 考から脱皮する時期に来ていることは間違いありません。その意味で少し難しい面もありましたが、参考になる講演であったと思います。
 詳しい内容ついては次号の機関誌に講演録を抄録する予定ですので、是非お読みになって頂きたいと思います。

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