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日本下水文化研究会
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定例研究会




第17回 定例研究会



都史の循環系再生と「公民責任分担」の仕組みづくり

松下 潤 氏



 都市開発における代謝系施設の特性比較と下水道

〜住都公団都市整備部松下潤次長が講演〜

 今年度の第一回定例研究会が、9月25日(土)に千駄ヶ谷の「けんぽプラザ」で開かれた。講師は、本会の会員で ある住宅都市整備公団神奈川地域支社・整備部次長の松下潤氏で、氏が東京大学の博士号を取得したのを記念して、その学位論文「(研究報告)都市開発におけ る代謝系施設の特性比較と下水道」の内容について講演した。
 都市開発の領域では、道路整備が開発目的そのものとされているのに対して、水・廃棄物・エネルギー分野の事業はこれまで、「供給処理施設」として、副次的な役割を担ってきた。
 松下氏は『これまで言わば"月見草"的な存在であった、これら供給処理施設は、地球環境問題やリサイクルといった時代の要請により、表舞台に登場することになった』と語り、従来の都市計画のフレームに代えて、環境面の制約に加えた循環型の新しい都市代謝構造へ転換していく方向を喚起した。これは、40年間にわたる住都公団の都市開発を分析し、 公民の役割分担をもとにした循環システムとして、水系では中水道、水循環システム、廃棄物系では厨芥類緑地還元システム、エネルギー系では地域冷暖房シス テムを新しい施設計画の枠組みとして提案し、今後の都市再構築において一定の普遍性を持ちうることになろうと結論づけている。
 講演は、膨大な資料とOHPを使って、予定時間を30分以上超過する熱のこもったものだった。

(記 中村隆一)
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