下水文化研究発表会
下水文化研究会では2年に一度発表会を開催しております。
第5回下水文化研究発表会報告
平成11年11月12日、神田学士会館において第5回「下水文化研究発表会」が開催されました。当日は第2回「下水文化研究発表会」の下水文化活動部門で優秀論文賞を受賞された国 立市長が来賓挨拶をしてくださいました。市長は挨拶の中で「発表の場が少ない市民のために発表の場を設けられている下水文化研究会の果たしている役割は大 きい」と述べられました。
午前中は滋賀県琵琶湖研究所所長の中村正久氏の基調講演「ワールドウォーターヴィジョンと琵琶湖」、本会代表酒井彰氏の問題提起「水に関わる環境リスクとそのマネジメント」が行われ、昼休みには避妊薬ピル服用がもたらす環境への影響についてのビデオ上映も行われました。
午後は下水文化史部門9編(内1編は紙上発表)・下水文化活動部門8編・下水文化研究部門8編の研究発表会が行われました。ある参加者は「この研究発表会は中身が濃いですね。どの論文もすばらしい研究成果ばかりに思えます」と言っておりました。
部門別発表会に引き続き「環境ホルモン−その生活と水との関わり」をテーマにパネルディスカッションが行われ、パネラーから貴重な発言や提言がされました。
今回の優秀論文には下水文化史部門の「明石城下町の排水施設」渡辺昇氏・下水文化活動部門の「住民参加による河川環境整備計画の策定に関する事例研究」高橋秀和氏・下水文化研究部門の「出産と下水文化」賀久はつ氏が選ばれ、西堀評議員代表を代行して谷口運営委員か ら各氏に賞状と記念品が渡されました。
閉会後には参加者有志による交流親睦会がなごやかに行われました。
ある参加者の感想にもあるとおり、この研究発表会は毎回中身が濃く充実したものなのですが、今回はやはり不況の影響を受けたものなのか、参加者がいままでよりも若干少なくなっていたのが残念に思いました。
(記 栗田)
第5回「下水文化を見る会」(母なる川・隅田川)に参加して
女性会員 K.Oさん
時は、平成11年11月13日(土) 晴天 午前10時30分 東京水辺ライン両国発着場集合 で始まりました。
両国から千住大橋までは、春風亭柳之助さんの落語を聞きながらの隅田川・川上りでした。私は、食いしん坊なので駒形橋ではどぜう・むぎとろ、吾妻橋に近づくと天ぷらそばと佃煮が頭をかすめ、言問橋付近はお団子・桜餅と等を想いながら景色を眺めていました。
千住大橋で船はUターンして、有明に向かって川下りです。春風亭柳之助さんから栗田彰さんにバトンタッチして隅田川の見学会に入りました。
秀吉時代に家康は江戸に軍事目的で配置されたとのこと。そのころの隅田川には橋が架かってなく、1594年東北 への遠征のために千住大橋が架けられ、これが隅田川での最初の橋だったことや、水上交通が盛んだった事を証言する隅田川(船専用)駅があったり、いまでも見え隠れする川・堀や吐口等の説明を聞きながら東京湾へ向かいました。
隅田川は包容力があり、いろいろな川や堀を受け入れ、母のようなやさしさで、江戸から今日の東京までを支えていることを改めてわかりました。
築地市場が見え、浜離宮を越すと東京湾です。昔、小さいときの東京湾は広く感じましたが、埋立によりお台場が陸と繋がり、湾と云うより隅田川の延長のような感覚で有明発着場について、処理場見学。
場長自らのご案内で見学させていただきました。普段行けない処理場内は広く、これだけの施設がないと汚水が処理 されない事を思うと、分別ゴミや電力量のPRのように、下水に流せる物と駄目な物のPRをし、下水処理問題の大切さを各家庭に行き届かせないと、自然環境は守れないと強く感じました。
私が、下水文化研究会に参加したのは、図面を描いて「東京の下水は、誰が計画したのだろう?」とのおもいでした。そのとき新聞にバルトン忌が記載されていて参加させていただきました。今回も楽しく、お勉強になる見学会をありがとうございました。