人民の勇気 (El Coraje del Pueblo) ホルヘ・サンヒネス監督、1971年、カラー、35ミリ、100分 1971年 ペサロ映画祭最優秀映画賞 1972年 ベルリン映画祭OCIC賞 |
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【あらすじ】
この映画は、以下に説明する事件が現実に起こった場所で、自らの体験を再現しつつ説明する証言者たちの直接の参加を得て撮影された。一九六七年、将軍バリエントス独裁下のボリビア軍は、シグロ・ベインテおよびカタビの両鉱山区を急襲し、多数を殺害し、逮捕した労働者や指導者を銃殺した。それは、鉱住街住民を脅迫し、労働運動の指導部を壊滅させることを目的としていた。 同地区では翌日、広汎な層を結集して、当時ボリビアの密林地帯で戦いを展開していたチェ・ゲバラ指揮下のゲリラ部隊に対する支持を公然と明らかにする予定になっていた。この精神的支持は、経済的支援を通じても具体化していくはずであった。 ラパス駐在の北アメリカ軍事顧問団がかけた圧力こそが、ボリビアで聖ヨハネの夜の大虐殺の名で知られる虐殺作戦を発動する決め手となった。すなわち、その夜は全国で伝統的な聖ヨハネの祝祭が行なわれており、人びとはかがり火をたきながら夜を撤して踊っては飲んでいたのであった。 まさにこのような事情につけいって、臼砲・機関銃のみならず飛行機まで動員した背信者たちは、朝七時を期して住民に対する爆撃と機関銃掃射を開始した。 |
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映画は、軍隊が八千人もの群衆に発砲し、四百人以上を殺害し一千人を負傷させた、一九四二年のカタビの虐殺の再現をもって始まる。
以後たび重なる虐殺の概要が写真記録で示され、さらに一九六七年に至るまでの虐殺事件の軍民双方の責任者の顔写真と名前が列挙される。生き残った証人の証言を通して、虐殺事件に先行する日々のもようが再現され、自らの権利回復のために絶えず戦い、それ故に投獄や拷問に耐えなければならなかった坑夫や主婦の生活のありさまが分析される。 そして、鉱山内の掘り下げた穴や坑道の中で秘密のうちに開かれ、ファシズムおよびそれを支え助言するヤンキー帝国主義からの解放を希求するボリビア人民の戦いの目標が政治的明晰さをもって提起されていったところの、広汎な層を結集する以前の段階の会合の様子が再現されてゆく。 夜の祝祭はシイグロ・ベインテおよびカタビの鉱山そのものを背景に再現され、虐殺のもようも現存する記録と証言すべてに忠実に表現されている。すでに延べた先行する虐殺事件についてと同じように、最後に、聖ヨハネの日の虐殺の責任者が明示される。最後の場面で、人民は、その完全な解放をもって初めて終わりを告げるであろう行進を続けていくのである。 この映画は、『コンドルの血』と同様に世界的な普及を得ており、今日もなおラテンアメリカをはじめ世界中の多くの国々の大学において教材として活用されている。エクアドルのキトだけでも、14万人以上の労働者によって観られ討論されている。 |
製作スタッフ 歴史的事実の調査と提起/オスカル・ソリア 台本/ホルヘ・サンヒネスと他のグループ員(但し、この台本は、撮影中に、現実の主人公による訂正と指示に基づいて修正されている) |
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