現代企画室

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夢の本

マリーナ・アブラモヴィッチ
石牟礼 道子/寄稿
大宮 エリー/寄稿
北川 フラム/寄稿
谷川 俊太郎/寄稿
中沢 新一/寄稿
茂木 健一郎/寄稿
北川 一成/AD
2012年6月刊行
定価2000円+税
A5並製・242頁
ISBN978-4-7738-1214-5 C0078

夢の中でならば、私たちは、みな、
マリーナ・アブラモヴィッチになれる。
茂木健一郎

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」から生まれた「夢の家」。新潟県の山奥にある築100年を超える木造民家を活かした「夢」を見るための場所であり、宿泊者はその晩見た夢を「夢の本」に書き綴る。このプロジェクトは、意識と無意識、生と死、現実と虚構の境界にある「夢」をひとつの体験=パフォーマンスとしてとらえ、すべての人に新たな生の局面を開こうとするものであり、「夢の家」はそこで見られた夢を集めた「夢のアーカイブ」でもある。
「夢の家」は、2000年の開館以来、アーティストの意思を深く受けとめ、集落の人々が大切に守り育ててきたが、昨年3月12日の長野県北部地震により壊滅的な被害を受けた。しかし、大規模な復旧作業によりこの夏の芸術祭で再びオープンすることが決定した。
『夢の本』は、2000年から10年以上にわたって宿泊者が書き綴った1862の夢から選ばれた100の夢と、アブラモヴィッチや関係者の手記・証言、貴重な写真の数々によるプロジェクトの全記録、さらに茂木健一郎の「アブラモヴィッチ論」、各界著名人の「夢」をめぐるエッセイ等を収録し、大地の芸術祭での「夢の家」再開に向けて出版される。

【著者紹介】マリーナ・アブラモヴィッチ(アブラモヴィッチ,M.)

マリーナ・アブラモヴィッチは、旧ユーゴスラヴィア出身のアーティスト。肉体の限界と精神の潜在力を探求し、特に、自身の肉体に暴力を加える過激なパフォーマンスで世界的に知られる。1970年代よりパフォーマンスを開始。1976年より公私のパートナーであったウライとパフォーマンス・シリーズ“Relationworks”を行う。1988年、万里の長城の両端からそれぞれ出発した二人が3か月かけて1000キロを歩き続け、再会し、別れるというシリーズ最後の作品「恋人たち——万里の長城を歩く」が大きな話題となる。1997年には旧ユーゴスラビアでの紛争に抗議した「バルカン・バロック」でヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞。2010年のニューヨーク近代美術館(MOMA)では大規模な回顧展が開催され、2か月半にわたって観客と見つめ合い続けるパフォーマンスを行う。2011年からは彼女の数奇な半生を描いた劇作品「マリーナ・アブラモヴィッチの生と死」(監督:ロバート・ウィルソン、音楽:アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ)が世界各地で上演され、自ら出演している。2012年、米HBO局のドキュメンタリー「TheArtistisPresent」がサンダンス映画祭、カナダ映画プレミアで上映される。

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