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Nから子どもたちへ ペルーの子どもたちと、今 1997年8月、東京拘置所に留置されていたひとりの死刑囚が処刑されました。 Nこと永山則夫。彼はその30年ほど前、19歳の時に、ピストルで4人の人びとを殺し、そのため死刑の判決が確定していたのです。 その彼は、処刑の直前、ある言葉を遺しました。「本を出版して、印税で、世界の、日本の、とくにペルーの貧しいこどもたちへ送って下さい」。 彼は以前から獄中で自分の犯罪を見つめ、反省し、死なせた人や遺族と向き合う作業の中で、「無知の涙」をはじめとするたくさんの本を書き、出版してきました。その彼の処刑に衝撃を受け、大勢の人びとが新たに彼の本を買い求めました。処刑から1年後、印税総額は一千万円を越えました。遺言に従って、私たちはそのお金をペルーの子どもたちに送り届けてきました。 その対象のひとつは、マナソップという、働く子どもたちの自主運営組織です。一万人の会員を有するこの組織は、貧しいこどもたちが職業訓練を受け、花屋などを経営しながら、こどもたちの自立をめざしてユニークな活動を続けています。そのマナソップから、二人が来日します。パティことパトリシアという名の、こどもたちのリーダーで、17歳の子どもと、こどもたちの後見人というべきクシアノビッチ神父です。 Nは獄中で、日本大使公邸占拠・人質事件の新聞報道を通して、ペルーに住む大勢の貧しいこどもたちの存在を知りました。そして自分のように貧困に押しつぶされることなく、ペルーのこどもたちに生き抜いてほしいという希望をこめて、上の遺言を遺したのです。おくられたお金で「ナガヤマ・ノリオ基金」を作ったこどもたちは、どう活用しているのか。Nの生きた人生やこの献金の意味を、こどもたちはどう捉えているのか。 Nとペルーのこどもたちの、思いがけない出会いをつくった人質事件をあらためてふりかえりながら、現地からの報告に耳を傾ける一夜を用意しました。ぜひお出かけください。 |
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日時:5月19日〔金〕午後6時〜8時30分 場所:早稲田奉仕園会館1号館小ホール 「刑務所の壁を超えた想像力:Nとペルーのこどもたちの出会い」 太田昌国(民族問題研究) 参加費:大人:500円、子ども(15歳以下):無料
「現地からの報告」 |
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