2/28緊急「映画と討論」の夕べ
エクアドルで何が起ったのか,ウカマウの映画を観ながら考える 
 1月下旬、南米エクアドルで、アンデス山脈の村から首都に駆け付けた数千人の先住民族が国会に突入し、大統領の辞任を要求した。大統領が発表していた、自国通貨を廃止し米ドルに変えるという政策に反対したのだという。先住民族組織は国軍の一部と救国評議会を結成し、大統領は辞任した。  

 その翌日、国軍の主導で評議会は解散となり、前政権の副大統領に権限は委譲された。米国政府が「国会占拠は違憲」で「クーデタは悲惨な結果を招く」と非難したことが、その背景にはある。この出来事に関わるニュースは、わずか数日間で日本のメディアから消えた。だが、少なくとも二つの問題が残った。

 メキシコ・チアパス州の先住民族の蜂起(1994年のサパティスタ)に続いて、同じラテンアメリカ地域のエクアドルで、先住民族の解放運動が活性化しているのは、なぜか。

 先進大国やIMF(国際通貨基金)・世界銀行などの国際金融機関によって経済政策を「指導」されているエクアドルにおいて、政府が通貨のドル化政策を打ち出すに至った背景には何があるのか。

 この問題を考えるうえできわめて参考になる映画『ここから出ていけ!』(ボリビア・ウカマウ集団制作、ホルヘ・サンヒネス監督、撮影地:エクアドル、1977年)を上映し、討論を行なう緊急の集まりを開きます。ぜひ、お出かけください。


2月28日(月)
 
    
6:20 開場
 6:45〜8:35 映画『ここから出ていけ!』上映
 8:40〜9:15 発題『グローバリズムに抗する<場>の叛乱』
        ■太 田 昌 国 

於:飯田橋・シニアワーク東京・講堂(地階にあります)
●参加費:千円(当日券のみ)

『ここから出ていけ!』
(原題 Fuera de Aqui,ケチュア語原題 LLoksy Kaymanta,ボリビア・ウカマウ集団制作、ホルヘ・サンヒネス監督、1977年、白黒、110分)
あらすじ 北アメリカ人宣教師一行がアンデスの寒村に到着する。「暗黒の世界に光明をもたらし、世界の終末が切迫していることを警告するために」。

彼らの介入で、貧しくとも全員が一体となって暮らしていた村人は内部分裂する。宣教師はそのかん地質調査と鉱物資源の試掘調査を行なう。やがて宣教師が撤収した後に現われたのは多国籍企業。

鉱物資源の存在が確認されたとして村人に立ち退きを要求する。屈従する先住民と、抵抗する先住民。鎮圧のために導入される軍隊。敗北した先住民農民たちが、そこから学びとるものは何か……。

軍事政権下のボリビアからエクアドルに亡命していた当時のウカマウ集団が、エクアドルの映画人と先住民族農民の参加・協力を得て制作した、集団的創造の精華!

主催:メキシコ先住民族運動支援委員会(日本)
RECOM(日本ラテンアメリカ協力ネットワーク)

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