1月下旬、南米エクアドルで、アンデス山脈の村から首都に駆け付けた数千人の先住民族が国会に突入し、大統領の辞任を要求した。大統領が発表していた、自国通貨を廃止し米ドルに変えるという政策に反対したのだという。先住民族組織は国軍の一部と救国評議会を結成し、大統領は辞任した。
その翌日、国軍の主導で評議会は解散となり、前政権の副大統領に権限は委譲された。米国政府が「国会占拠は違憲」で「クーデタは悲惨な結果を招く」と非難したことが、その背景にはある。この出来事に関わるニュースは、わずか数日間で日本のメディアから消えた。だが、少なくとも二つの問題が残った。
メキシコ・チアパス州の先住民族の蜂起(1994年のサパティスタ)に続いて、同じラテンアメリカ地域のエクアドルで、先住民族の解放運動が活性化しているのは、なぜか。
先進大国やIMF(国際通貨基金)・世界銀行などの国際金融機関によって経済政策を「指導」されているエクアドルにおいて、政府が通貨のドル化政策を打ち出すに至った背景には何があるのか。
この問題を考えるうえできわめて参考になる映画『ここから出ていけ!』(ボリビア・ウカマウ集団制作、ホルヘ・サンヒネス監督、撮影地:エクアドル、1977年)を上映し、討論を行なう緊急の集まりを開きます。ぜひ、お出かけください。 |