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<コスタリカって、どんな国?>

作成者:事務局長・大山勇一
作成日:2004.6.19

<Q>コスタリカ共和国は、どこにあるのですか?
<A>中米といって、北米と南未のつなぎ目の綱長い地域にあります。北にはニカラグア、南にはパナマという国があります。

<Q>コスタリカ共和国の人口や面積などについて教えてください。
<A>コスタリカの人口は約400万人。面積は九州と四国を合わせたくらいの大きさです。首都はサンホセといいます。「コスタりカ」は「美しい海岸」という意味です。その名のとおり、とても美しい大自然を有している国です。スペイン系の白人がほとんどで、言棄もスペイン語が使われています。

<Q>最近よく「コスタリカ」という名前を聞きます。有名な国なのですか?
<A>コスタリカは2002年サッカーW杯出場を果たし、一躍有名になりましたね。しかし、有名なのはそれだけではありません、軍隊をなくし、平和への努力を続けてきた国として世界中から注目されてきました。早乙女愛さん製作の映画「軍隊を捨てた国」によってもコスタリカが知られるようになりました。また、エコツアーといって、大自然を満喫する旅行もたいへん盛んです。なんと言っても、映画「ジュラシックパーク」の舞台となった国ですから。

<Q>コスタりカはいつ、どのようにして軍隊をなくしたのですか?
<A>1948年に国内で内乱が起こりました。その内乱で2000人もの犠牲者が出たことを反省して、その当時のリーダーだったフィゲーレス氏の提唱により軍隊を廃止したのです。1949年に制定された憲法で、常備軍を持たないことが確認されました。

<Q>日本も憲法9条で軍隊を放棄していますが、コスタリカと同じではないのでしようか?
<A>憲法の理念と現実が食い違っています。政府は「自衛隊は軍隊ではない」と言い張りますが、世界第2位の予算を持つことから言っても事実上の軍隊といえます。2003年に「有事法制」という戦争協力法・国民動員法が成立しまた「イラク支援特措法」というイラク占領協力法も成立し、アメリカと一緒になって違法なイラク占領に加担し続けています。このままいけばコスタリカとは全く違う国になってしまいます。

<Q>コスタリカの人は、軍隊をなくして喜んだのですか?他の国が攻めてこないか心配にならなかったのですか?
<A>コスタリカの人々は、身近なことで争いごとが起きたら、話し合いによって解決しようという考え方を持っていました。国と国との争いも、やはり同じで、話し合いによって解決できるとみんな信じていました。したがって、軍隊をなくしたことをみんな喜び、不安には思いませんでした。

<Q>軍隊がなくなって、コスタリカの人が一番喜んだことはなんでしよう?
<A>大切な国の予算が、人々の教育や健康のために使われるようになったことを、市民は一番善びました。「兵士の数だけ教師を!」がその当時のスローガンでした。また、子どもが生まれたとき、お父さん・お母さんは、「これからは、この子を兵隊にとられて、人殺しをさせなくてすむようになる」と喜んだそうです。

<Q>コスタリカの政治家の中には、再軍備するために憲法を改正しようと考える人はいないのですか?
<A>幸いなことに、軍事力に頼る政治家はこれまでのところ現れていません。これまで70回以上も憲法が改正されましたが、1度も軍隊復活はなされていないのです。また、2002年には、4年に1度の大統領選挙が実施されましたが、非武装主義を改めようということは争点にはなりませんでした。それだけ、国民の中にしっかりと平和主義が根付いているのですね。

<Q>コスタリカは、アメリカから「軍事基地を作らせる」と圧力をかけられたことはないのですか?
<A>1983年にアメリカのレーガン大統領は、コスタリカに対して、軍事基地を作るための協力を申し出たことがあります。しかし、その当時の大所領であったモンヘ氏は、その要求をきっぱりと断りました。その中で、コスタリカは永久に非武装を貫き、中立的な立場で外交を行うという宣言を出し、世界各国から歓迎されました。

<Q>コスタリカの外交の基本は、どのようなものでしようか?
<A>世界各地で紛争が起きたときには「話し合いによって解決しませんか?話し合いの場を設定しますよ」と当事者のところへすぐに出かけて行って、紛争の種を摘んでしまう外交を行っています。自分の国だけで平和は実現できない。隣の国で戦争が起きれば必ずや自分のところに火の粉が降りかかる。だから隣の国も平和にしなければならないという発想です。アリアス大統領はノーベル平和賞をもらっていますし、コスタリカは国としても、何度もノーベル平和賞の候補に上がっています。

<Q>コスタリカには難民の人が多いと聞きましたが、どれくらいの数を受け入れているのですか?
<A>人口400万人中、難民の数は100万人とも言われています。無条件に難民を受け入れているのは、自分の国だけ豊かになればいいという考え方を持っていない証拠でしょう。「人の命に、国境の別はない」といいますが、それを国として実践してくるのがコスタリカなのです。コスタリカの人々の信条は「寛容さ」だそうです。

<Q>コスタリカの教育はとてもユニ一クで、子どもたちは生き生きしているという話を聞きましたが?
<A>そのとおりです。確かにコスタリカは日本ほどの国民所得はなく、発展途上の国です。しかし、学校の授業では、政治や国際社会についてしっかりと勉強し、なによりも自分の意見を伝える技術や争いごとを話し合いで解決する方法を学んでいます。コスタリカの学校をのぞいてみると分かりますが、いつも先生と生徒は床に車座になって、熱心にそして愉快に対話をしています。一人一人の表情はとても豊かです。また、隣国ニカラグアからの多数の難民の子どもにも、平等な無償教育を実施しています。

<Q>どうして、コスタリカの人々は、争いごとは話し合いによって解決していこうと考えることができるのでしょうか?
<A>コスタリカでは、子どものころから、徹底して平和教育・民主主義教育がなされます。一人一人の人間性を大切にする思想、話し合いによる解決の方法、国際社会の現状を広く理解し、政治はみんなで作り上げていくものだという教育がなされているからこそ、争いごとも話し合いによって解決していけるのです。また、国内の経済状態は日本ほど豊かではありませんが、極端なお金持ちはいません。国民の生活レベルにあまり差がないことも、紛争を生じさせない原因かもしれません。

<Q>日本もコスタリカのように、周辺の国々と平和な関係を築けるでしょうか?
<A>もちろん、築けます。武力によって周りの国の不正義を正すことは、一見即効性があるように見えて、結局は後々まで禍根を残します。過去の歴史において、武力によって紛争が解決した例はありません。コスタリカに学ぶ点は、周辺の国と歴史を共有し、経済的な結びつきを強化し、国民同士の信頼関係を粘り強く作り上げていくことだと思います。

<Q>日本が平和を望んでいるのに、他の国が攻めてくることも考えられませんか?それでも軍隊はいらないのですか?
<A>現在、日本を本格釣に攻めこめる軍事力を持った国はありません。これは政府も認めていることです。北朝群が日本に対して挑発行為を行なっていますが、これは日本がアメリカと一体となって、経済的・軍事的に縛り上げようとしていることに対する一時的な反発です。その証拠に、隣の国、韓国は、これからも「太暖政策」を堅持していき、朝鮮半島の平和的な統合をめざしています。日本も、紛争がおきても、多くの国の参加による平和的な話し合いで解決する努力を尽くすべきです。そのほうが、結果的には多くの犠牲を払わずにすみます。市民どうしの平和的・文化的交流を広げていくことで、東アジアの国々と信頼関係を強めていくことも戦争防止に役立ちます。

<Q>これまでの「コスタリカ平和の会」の最近の取り組みを教えてください。
<A>私たちの「コスタリカ平和の会」は、結成されて2周年を迎えました。2002年1月のコスタリカ平和視察団メンバーを中心に結成された平和NGOです。これまで、カレンさんの講演会を企画したり、イラク攻撃反対のための署名を集め、大使館に要請に行ったりしました。また、「コスタリカと有事法制」というテーマで合宿も開きました。また、東大PeaceTのメンバーと共催で、「ヒバクシャ」シンポジウムも開催し、被曝・被爆の問題、劣化ウラン弾の脅威についても学びました。平和な社会づくり、環境との共生、教育・福祉の改善のために、私たち「コスタリカ平和の会」とともに行動をして見ませんか?

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