佐々木毅・鶴見俊輔・富永健一・中村正則・正村公宏・村上陽一郎編
『戦後史大事典』 三省堂 1991年
▼ベヘいれん
べ平連▲
ベトナム反戦の市民運動グループ。正式には「ベトナムに平和を!市民連合」といい、代表は作家の小田実。一九六五年(昭和四〇)四月二五日発足。@ベトナムに平和を、Aベトナムはベトナム人の手に、B日本政府は戦争に協力するな、を目標に掲げたが、規約や会員制度などをもたず、行動に参加する者をもってべ平連とみなすという、新しい組織形態を創出、その後の各種市民運動の基礎をきずいた。徹夜ティーチイン、『ニューヨーク・タイムズ』への反戦広告、米脱走兵援助、定例デモ『週刊アンポ』創刊、反安保の大共同行動、基地内での米兵反戦運動の組織化など、ユニークで多彩な行動を展開、多くの知識人、市民、青年を結集、最盛期には全国で五〇〇近くのべ平連グループが活動した。加害者としての自己認識など思想的にも影響を与えた。七四年一月に解散。⇒ 平和運動 吉川勇一
【参】ベトナムに平和を!市民連合編『資料・「ベ平連」運動』全三巻 河出書房新社 一九七五、R・H・ヘイブンズ『海の向こうの火事』吉川勇一訳 筑摩書房 一九九〇
写真説明 べ平連最初の反戦デモ(一九七〇年六月二六日 中央・小田実)
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なお、この事典には「加害者と被害者」というユニークな項目(鶴見俊輔筆)もある。