363 小田実さんの新著『随論 日本人の精神』のご紹介(04/10/14掲載)

 この小田さんの新著については、本サイトの「(3)参考文献・資料集」の中の「ベ平連について論じた最近の文献の原文でその最後の部分をご紹介してあるのですが、この「ニュース」欄でお知らせするのが遅れていました。
 「随論」とは新語ですが、この本の冒頭にはつぎのようなせつめいがあります。

 ……随筆があるなら、随論があっていい.長年生き、書いて来て、私はそう考え出した。
 随筆がきのむくまま、心の動くまま、筆を執って、長く考えて来たこと、今思い浮かんだよしなしごとを書くものなら、随論は考えのおもむくままに自由に筆が動いて、ことを論じる。
 それが随論だ。……

 この本には、ベ平連の運動について触れた部分がかなり多くあります。そのベ平連の運動の精神が、武士、全共闘、あるいは、三島由紀夫や『葉隠れ』の山本常朝らの生き方、精神と比較しつつ論じられています。今、あらためてベ平連運動について考えるのに、多くの示唆が与えられる本です。筑摩書房 から年8月に発行されたもので、定価 2400円+税です。

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