9月1日に出頭した21名に対する裁決が2月2日から順次出され、2月14日までにに全員の裁決が出されました。結果は、すでにご存じのように4家族16名に在留特別許可が認められました。そしてビルマ人家族3名と単身者2名に対しては不許可の裁決が出されました。ビルマ人のマウン・ミンスイさんのみ、裁決が出された日に収容されてしまい、現在は茨城県の東日本入国者センターに収容されています。2月9日にはミンスイさん一家3名の不許可について法務大臣を相手として訴訟を起こしました。収容の取消も求めているのですが、現状では極めて困難だとのことです。また単身者2名についても3月初旬までには、同様の訴訟を起こす予定ですが、2名は治療目的で仮放免が認められているため、当事者も交えて今後の対策をたてられることになります。現在16名の弁護団の先生が分担をして訴訟の準備等を進めていますが、初めてのケースでもあり注目をされています。
今後、APFSとしては第一陣で不許可となった5名に対して法務大臣が在留特別許可を認めるように活動を強化していくとともに、収容中のミンスイさんの仮放免を一日も早く実現することに活動を集中させたいと考えています。また第二陣の5家族17名はすでに違反審査を終了した家族もあり、2月24日には2家族に仮放免が認められていることから、第一陣同様に法務省−入国管理局が早期決着を図ってくるとの警戒感を深めています。
さらに昨年10月に長女一人を除いて高校3年生の次女までをも不許可とした中国人の許さん一家への裁決に対しては徹底的に争っていく決意です。今回の一斉出頭では、小学校6年生の女の子を持つ家族に在留特別許可が認められており、許さん一家にもこの「基準」からすると当然認められていいものと考えています。いずれにしても運動の力、世論の広がりのなかでしか勝利はありえないと考えており、当面は27万人署名運動を強化すること、また法務省前や東京入国管理局第二庁舎前での抗議行動などを予定しています。
27万人署名については、第1次提出分の5,300名と新たにこれまで32,000名の人から届いており、できれば50,000名の署名が集まり次第法務省に提出をしていきたいと考えています。ご協力をお願いします。
この間、頻繁に弁護団会議も開かれており、第一陣については法廷の場に主なステージを移し、法務大臣の裁量権の矛盾点や問題点を指摘していきたいと考えています。また学者、研究者の集いについては、2月24日で一旦活動を停止し、新たな事態が起きた場合に、再度集いを持つことなどが確認されました。第一陣の裁決の結果については、未登録外国人の在留について新たな基準ができたという意見や基準が緩和されたという意見、またそもそも基準というものが存在しなかったのではないかという考え方も出ています。APFSとしては、今回の活動と裁決の結果について深く検証するなかから、中間総括を近々皆様にも提起していきたいと考えています。これまでのご支援に感謝します。
2000年2月27日
ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY
(A.P.F.S.)
ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY (APFS)