「在留特別許可取得一斉行動」 (速報) No.3

−参院決算委員会で法務大臣が答弁−



 9月1日に21人の未登録外国人が法務大臣の在留特別許可を求めて東京入国管理局第二庁舎を訪れてから、ちょうど1ケ月が経過しました。この間の入国管理局側の対応は素早く、9月17日のビルマ人アウンんさん一家から始まってほぼ9月中には第1回ないしは2回目の違反調査が終了しています。同時に身元保証人に対しても事情聴取を行い、従来の書類のほかに身元保証人の「履歴書」を提出するようにとの要請も来ております。また仮放免の申請に関する書類も全員に渡されており、入国管理局側は次の段階である違反審査に向けて、なりふり構わず急いでいるようです。このペースで行くと本年中には結論が出てしまうのではないかと懸念しています。

 ところで、9月24日から皆様にお願いをした21人の在留特別許可を求める団体署名は9月30日に現在で100団体を突破し、運動の広がりを見せています。団体署名に際しては「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」の方々にも多大なご協力をいただきました。全国ネットの方々また署名をくださったすべての皆様に御礼を申し上げます。今後の活動としては、10月中旬から下旬にかけて、27万人署名運動をスタートさせる予定です。一人ひとりの日本人が27万人の未登録外国人に共鳴をしてもらうこと、これを通して日本における未登録外国人の問題の解決の第一歩としたいと考えています。

 去る9月29日午後1時から参議院の決算委員会の場で、民主党の川橋幸子議員が陣内孝雄法務大臣に対して「超過滞在外国人に人道的な措置を」をテーマとして質疑を行いました。川橋議員は、板橋区の大山町などでは、ビルマやバングラデシュ、イランの人たちが地域に根ざして生活をしている。今回21人の超過滞在外国人が出頭をしたが、これらの外国人の子どもたちも公立学校に通うなど、すでに生活基盤を形成しつつある。こうした人たちに対して人道的な見地から何とか在留特別許可を認めてもらえないであろうか、と言う趣旨のものでした。法務大臣の答弁は、入管局の官僚がいつも答えているように、

個別のケースを慎重に審理し、結論を出したいというものでした。出頭から1ケ月たらずのうちに、この種の質疑が国会の委員会で行われたことは異例なことと言えます。なお、当日午前中の委員会では検事出身の自民党女性議員が外国人の犯罪の増加について質問をしたそうです。このところ、入国管理局や警察による摘発が派手に報道されています。イラン人を始め19人が摘発を受け、事業主も「不法就労助長罪」で逮捕されたこと、イラン人の覚醒剤売買ルートや地下銀行の摘発など、なにか今回の一斉行動に水をさすような意図的な動きが感じられます。

 今後は、前述の27万人署名運動と各会派議員に対する働きかけと連動しつつ、学者、研究者の集いを駒井洋筑波大学教授、渡戸一郎明星大学助教授、山脇啓三明治大学助教授及び近藤敦九州産業大学助教授らを呼びかけ人としてスタートさせ、未登録外国人の処遇についての政策提言を行ってもらいます。また団体署名については、10月初旬に、15名の弁護士の連名ですでに案文が作成されている上申書とともに法務省に提出します。



1999年9月


インデックスのページへ ホームページへ ページのトップへ

ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY (APFS)