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国家と軍事と営利企業の戦略に従属する開発援助でいいのか---学習会チョ→簡単報告4月5〜6日に東京で開催されるG8開発大臣会合に対するアクションを企画している【STOP!G8 4・5南と北の連帯マーチ《take 1》コレクティブ】が、開発問題、とりわけ日本の開発政策における問題を学ぶために事前の学習会を開きました。 お話は、日本国際ボランティアセンターの高橋清貴さんと、すぺーすアライズの鈴木ふみさん。以下、メモ報告です。抜け漏れなどご容赦ください。 高橋清貴さん 開発援助コンサルティングとして仕事をしていた経験から、日本のODAが現在でも、さまざまな手法で見えざる「ひも付き」となって、富が日本企業に還元されるカラクリがある。 日本のODAの現状を他の援助国などと比較すると他の国々と比べインフラ整備などいわゆる「ハコモノ」に極端に偏重している。援助の規模は97年をピークにして減少し、現在では8000億円規模。 日本の開発援助政策は、21世紀に入り変化を見せた。2001年911テロと、それにつづくアフガン、イラクに対する米英等の軍事侵攻が影響している。財務省からは「自衛隊が人道復興支援しているのであればODA予算は減らしてもいいのでは」という圧力が外務省にある。 開発援助の問題点はさまざまある。わたしたちは説明責任(アカウンタビリティ)を問い続けている。ODAが援助政策であるなら、あくまで援助の現場で、援助の影響を受ける人々に対する説明責任が重要である。しかし政府はODAを「戦略的」に活用していく方針に大きく舵を切りつつあり、援助の現場や人びとの必要性からますます乖離していくことは問題である。日本のNGOも、首相以下担当大臣のトップダウンによる「国家戦略としてODA」には介入する余地がない。 日本政府は、アジア経済成長の「奇跡」をアフリカに、というが、日本のODAは円借款などのローンの割合が大きく、それがアジアにもたらしたものは、巨額の債務であり、フィリピンやインドネシア、モンゴルの人びとが苦しんでいる。 理想論として笑われるかもしれないが、海外援助は、日本国憲法の前文にある「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」にのっとるべきである。 鈴木ふみさん 自分の活動のひとつである国際保健政策は、国策や国家的戦略ではなく、それぞれの国が果たさなければならない国際的責務を根拠にしている。 保健政策の原則として「利用者を害してはならない」というものがあるが、実際に実施される人口政策や母子政策の中では、その恩恵は本人にではなく、夫や家に流れ込み、女性個人の健康や彼女たちの権利にはメリットがないだけでなく、逆に負の影響を及ぼしているものもある。 1994年、カイロでの国連人口開発会議で、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖の健康を権利)が提唱されたことは、大きな一歩であったが、そこには世界銀行の政策の延長線上にあった営利企業が介入する余地が残されていた。それが現在にまで影響を与えている。 ダボスでの福田首相発言や国際会議での高村外相の発言などを見ても、「経済成長を通じた貧困削減」というのが現在の日本の開発政策であることは明らかだ。 G8サミットにむけては、サミット開催時期に、札幌で「G8女性の人権フォーラム」を企画している。女性の課題は、あらゆる分野に関係しているにもかかわらず、社会運動の中でも大きな声になっていない。サミット期間中、女性の声を発信し続ける空間をつくりたい。 G8女性の人権フォーラムの呼びかけ その後、質疑応答などが行われ、今後の取組みのアナウンスや4月5日のアクションの確認をして学習会を終えました。 4月5日に会いましょう! 文責:稲垣
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