北海道サミットを最後のG8サミットにしよう G8を問う連絡会「国際民衆連帯DAYs」参加者による宣言

北海道サミットを最後のG8サミットにしよう
G8を問う連絡会「国際民衆連帯DAYs」参加者による宣言
(英語は-->>こちら)

G8サミットは昨日、アフリカの状況を憂慮するといういつものレトリックとともに始まった。2005年のグレンイーグルス・サミットで彼らによって約束された200億ドルがどの程度達成されたかを考えれば、アフリカやその他の世界の民衆で、これらの見解を本気だととる人はほとんどいないであろう。  

実際、今回のサミットを特徴付ける何かがあるとすれば、それは「低い信用」ということになる。ジョージ・ブッシュ、ゴードン・ブラウン、ニコラ・サルコジそして福
田康夫といった、彼らを選出した有権者たちにすら人気のない、信用を失った指導者を含んでいるのである。さらに、アフリカについての放棄された約束に加えて、G8はその他の約束、特に、貧困国債務の帳消し、援助金額をGDPの0.7パーセントまで増額すること、貿易を通じた開発を促進すること、気候変動への取り組みといったことも惨めなほどに履行できていない。

G8の会合と同時に、世界は同時に展開している四つの危機に揺れている。つまり、石油価格の急騰、食料価格の急上昇、グローバル経済を屈服させた金融危機、そして地球温暖化の加速である。これらの危機が、G8が主に彼らの国々の企業エリートを利し、富ませることになっているグローバル化という企てを促進している不可避の結果であることを考えれば、G8がこれらの危機になんらかの解決策をもたらすと予測することは不可能である。

G8諸国が支配している世界銀行やIMFの庇護の下での構造調整、世界貿易機構や自由貿易/経済パートナーシップ協定を通じた貿易の自由化といったことが、発展途上国の農業の生産能力を破壊してきた。これは、金融投資家による食糧品への投機や、アメリカや欧州連合、その他の裕福な国々の政府に助成されてトウモロコシやその他の作物を食料からバイオ燃料へ転換していることなどと並んで、食料価格のすさまじい上昇の中心的な原因のひとつである。農業危機が農業分野での労働力の大きな供給源でもある子どもたちや女性たちへの悲劇を加速させていることは留意されるべきである。

世界のあらゆる場所で石油価格がめまいを起こさせるほど急激な上昇を示しており、それによって人々が苦しんでいるのも、巨大な石油独占者とG8諸国の自動車産業の邪悪な連合体によってグローバルな輸送システムを極端な石油依存形態に転換したことの不可避の結果である。

グローバル金融をほころびさせたサブプライム危機は、G8諸国の銀行などの金融機関が金融の規制緩和を後押ししたことによって起こっている。これらの規制緩和は、破壊的な1997年のアジア金融危機や2002年のアルゼンチン金融危機を含む、ここ30年にわたる他の金融危機を引き起こしてきたのである。

地球温暖化は、本質的にG8、ならびにその他の先進国による止むことのない過剰な消費、すなわち、多国籍企業の利益を維持するために高度な経済成長を奨励する政策と不可分なものである過剰消費によってもたらされたものである。とりわけ、米国、日本およびカナダは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出削減に関して、大企業の利益を保護するために、その義務的な数値設定に反対している。

本日、G8は、世界銀行の気候投資基金を支援するために拠出を約束するなど、いわゆる解決策を発表する。それは、世銀の農業生産支援に協力するために多額の資金を約束し、あるいは、遺伝子組み換え作物の作付けを基本とするアフリカにおける新たな「緑の革命」への支援を約束するものである。こうした構想は危機の根本的な原因を解決するものではなく、危機を悪化させるものである。そこからもたらされるものは、とりわけ、途上国債務の拡大、ならびに多国籍企業による中小農民に対する強制移転および土地支配の強化である。

経済のグローバル化を推進する間違った政策に対して、今日、世界の民衆はつけを負わされている。自らの意思によるものではない開発によって最も苦しめられてきた人々とは、世界の先住民族である。そして、北海道においてはアイヌの人たちである。このことは非常に皮肉なことである。それは、アイヌならびにその他の先住民族は、環境を敬い、環境と人間性ある関係を保つことに重要な価値を見出してきたにもかかわらず、G8の経済政策はそれを強引に切り離してきたからである。私たちはアイヌの人たちとの連帯を宣言し、日本政府に対して、国連の先住民族の権利宣言のもとで、先頃、国会が採択した、アイヌは先住民族であるという決議を具体的に履行するための措置を講じるよう要求する。

今日の危機とは、G8は、法的資格を持たない豊かな国の政府たちが勝手に指定した機関であるというところにある。G8は、途上国がグローバルなアクターとして登場しようとしたとき、世界経済を支配して現状を確実に維持するために、いわば非公式な政府の集まりとして1975年に設立された。それから30年以上が経過して、この体制は民衆および地球の幸福の進展にとってきわめて重大な足かせになっている。人々の苦しみに対して積極的な解決策を発表できないG8がよりどころとしているのは、軍事的な抑圧と警察による弾圧である。ここに、G8が民衆に敵対的であることを如実に示している事実がある。G8サミットと並行的に開催された市民集会に参加し、民主的な議論への参加を希望していた海外の参加者に対して、日本政府が退去強制を命じたり、もしくは、彼らに対してビザ発給を拒否したり、あるいは、平和的なデモに対して警察が過剰および人権侵害的な弾圧をしたことである。この点に関して、私たちは、退去強制された24名の韓国人活動家および7月5日のピース・ウォークの中で逮捕された4名に対して連帯を表明する。

今日の世界は、平等と平和の上に築かれた経済的な配慮、民主的な統制、ジェンダー間の平等、環境を略奪するのではなく維持することなどを求めている。世界は、私たちの時代の問題を解決するために、人々の意見を基盤にした解決策のための準備を整えている。私たちを鼓舞してくれるこの発展を示す一つの証拠は、問題を憂慮する日本の若者たちが数多く、反G8の活動に参加を始めたことである—すなわち、それは、日本においては、新自由主義が彼らの生活に否定的な影響を及ぼしていることから出てきた現象である—もう一つの証拠は、マリにおける「反G8民衆フォーラム」のような反G8活動が、過去数日の間に世界各地に増殖していると言うことである。 .

G8は私たち民衆を邪魔している。今こそまさに、リッチかつパワフルなこのマフィアを解体すべきときである。団結かつ連帯して、北海道洞爺湖サミットを最後のG8にしよう。