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(レポート)香港のジャーナリスト16時間成田で足止めをくい、人権侵害的扱いを受ける以下、成田空港で16時間も!足止めを喰らった香港のジャーナリストの物語です。 困ったものだ。 洞爺湖サミットの取材に行った香港人の友人3人が成田空港の入管で16時間拘束された。 彼らはインターネットをベースにした独立系メディアInMediaの記者たち。 問題点は、飛行場の入管で洞爺湖サミットの取材で洞爺湖に行く旨、滞在予定で答え たら、別室に連れて行かれたのだが、その連れて行き方が1人に対して2人の係官が彼らの両腕をつかんで、引きずっていかれたと言う。香港への一報は「逮捕された」と言ってきたが、そういう連行のやり方は香港では現行犯逮捕の時にのみ許可された方法だから。 2つ目の問題点は、16時間の間、食事の提供がなかったこと。翌朝になって、何度も言 ったところ、自費で買うことを条件に係官が買ってきたそうだ。 3つ目の問題点は、16時間かけて聞かれた事はほぼ2点。洞爺湖周辺でデモをする予定 なのか、何か破壊活動をする予定なのか。彼らの話ではとにかく係官の英語はひどく分かりにくい英語で、2日目の朝からはやっと通訳をはさんで質問されたそうだ。 4つ目の問題点は、彼らの荷物を勝手に没収した上、中を調べた事。特に、記者なので いろんな取材ができるよう、事前に決めた日にホテルを予約したりしていなかったそうだが、ホテルの宿泊に十分な費用を持っているかどうか執拗に調べられたようだ。 5つ目の問題点は、事前にも事後にも「なぜ質問される必要があるのか」まったく説明がないということ。この辺は、何事にも説明を要する香港社会のほうで大きく関心を呼び、新聞にも大きく書かれている。 翌日の昼過ぎ、1時半にいきなり『上陸許可』がおり、釈放されたとのこと。 このような扱いに対して、香港の保安局から照会の問い合わせが駐日中国大使館経由で日本の当局に行っているとのこと。また、香港政府は駐港日本領事館にも問い合わせをしているようだ。 日本を訪問する『お客様』にあまりにもひどい扱いではないかと思う。しかも彼らは記者である。そのまま体験した事をニュースとして流し始めている。 確かに地上チャンネルを持つような大きな商業メディアではない。しかし、職員から ボランティアまで地道に取材をこなす独立メディアの影響力は香港ではそれなりに大きい。 去年、取り壊しがほぼ決まっていたクィーンズ波止場という歴代の香港総督が着任の 際に使っていた船着場の保存を訴えかけ、保存運動につながり、政府は政策決定を変 更し、その波止場の歴史的価値を認めた上で、保存を決めている。実際、今年から歴 史的建築物の保存に対する予算も計上されている。また、最近でも香港の時代廣場 (タイムズスクエア)ビル横の『公共空間』として使用することを条件に政府が払い 下げた土地を使って商品のプロモーションなどに場所を有料で貸し出していた管理会 社に異議を唱え、手品や弾き語りなど、その広場での大道芸を行う市民とそれを取り 囲む管理会社の警備員を報道し、『公共空間』の定義を巡って議論が深まり、香港政 府は最高で土地の返還を含む、契約違反で管理会社を刑事告発することになったのだ が、その背後に地道な取材をし、それが元で商業メディアも動かした、独立メディア の働きがある。 今回の事でも、香港の新聞は拘束された友人の名前をそのまま報道した。独立系メディアの記者でも香港人なら彼の名前をたいてい知っているだろうから。 つい最近、成田の税関職員が訓練用の大麻樹脂を香港人旅行客のカバンの中に勝手に入れ、麻薬検査犬が発見できなかったと言う事件があった。香港では麻薬を所持していたと言う事実をもって最高で25年の懲役刑になる。しかも、本人に断りなしに他人 のカバンを空け、しかも麻薬を入れたことに香港保安局はかなりショックを受けていた。保安局は日本政府に厳重抗議すると報道されていた。 なぜなら、日本は香港人にとって最も人気のある観光地だから。 香港の入管は「Immigration Service」と書く。あくまで旅行者へのサービス業なのだ。そもそも公務員自体、サービス業のはずだ。もう少し「美しい国」を目指していただければと思う。
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