G8国際対抗フォーラム実行委員会設立のお知らせ

以下のように、大学関係者などを中心とした行動がたちあがりました。
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G8対抗国際フォーラム実行委員会結成に向けた呼びかけ

 1994年のサパティスタの蜂起、1999年のシアトルWTO抗議行動、これらの反グローバリズム運動は、90年代の段階では依然、欧米・ラテンアメリカ中心の運動連合でした。しかし21世 紀に入り、「世界社会フォーラム」あるいは「地域社会フォーラム」、「オルタナティブフォーラム」が各大陸でおこなわれ、またWTO、IMF、アジア開発銀行などのグローバル/リージョナルな国際組織への抵抗闘争が蓄積されることで国際交流が進み、運動はアジア・アフリカ・オセアニア地域も巻き込むその名の通りグローバルなものになりつつあります。

 日本では2000年、沖縄サミットに対抗する3万人を超える人々が結集した大規模な闘いがありました。そこで結集した運動は、沖縄の人びとにとっての死活的課題である米軍基地問題を中心に取り組みを進めました。しかし、そのことがG8そのものの問題性とどのように繋がっていくのか、またグローバルな運動とどのように連帯していくのかという課題については十分に詰められたとはいえません。サミットへの対抗行動が反グローバリズム運動と本格的に接続したのは、翌2001年のジェノバ・サミットからであり、この10年の間に運動の質実は飛躍的な転換を見せています。反グローバリズム運動という観点からすれば、沖縄はまさに「前哨戦」であり、2008年の北海道・洞爺湖において私たちは、これまでの経験と教訓を踏まえつつ、新たなステージを迎えることになります。

 2007年6月にドイツ・ハイリゲンダムで行われたG8サミットに対する対抗行動は、運動の飛躍的な発展を十全に示したものでした。また日本から現場の運動に数多く参加し、洞爺湖G8サ ミットへの対抗行動を射程にいれ現地の活動家との交流とネットワークの構築を実践したという点において、極めて有意義なものでした。ハイリゲンダムでの経験をうけ、来年にむけた新たな国際的連帯と国際的結集への動きはますます活発化しています。これまでにないこの動きは、 一方で反グローバリズム運動のダイナミズムの基底にある労働者/農民/学生/様々な専門家などの自由で新たな連帯と交流をすすめることなしには力を得ることができません。

 私たちは、かかる問題意識からこうした運動に参画し、運動実践と知的省察の新たな結合を試みるために、2008年にG8対抗国際フォーラムの開催を提起します。その基本的主旨は、これまで世界各地で反グローバリズム運動を担ってきた学者、ジャーナリスト、活動家を招聘し、日本を含むアジア諸国において、彼らの反グローバリズム運動の経験を、世界的な権力構造との関係で討議し、未来への展望を考察していくことにあります。この「フォーラム」は、2008年6月下旬に京都、東京、7月に札幌と「洞爺湖G8対抗行動」と併走していきたいと考えています。運動と討議の時空間を共有しその成果を分かち合い各々の持ち場に広げていくという不断の試みこそが、大変動期の最中にある日本政治にオルタナティブを打ち込むうえでもかかせない作業だからです。

 こうした試みは私たちにとっても未経験であり、このプロセスを支えるためにはできるだけ多くの方々に参画してもらう必要があることはいうまでもありません。憲法「改正」と軍事化、貧困と「格差」、ジェンダー/セクシャリティ、治安国家と排除等々、噴出する社会的困難と日々格闘する方々がこのプロセスに加わることが運動そのものの多様性に力を与えるためにも必要です。以上のような主旨から、G8対抗国際フォーラム実行委員会結成への参加と協力を広く呼びかけます。

呼びかけ人
阿部小涼(琉球大学)、市田良彦(神戸大学)、稲葉奈々子(茨城大学)、岩崎稔(東京外国語大学)、鵜飼哲(一橋大学)、小倉利丸(富山大学)、加藤哲郎(一橋大学)、木下ちがや(一橋大学)、高祖岩三郎(Autonomedia、VOL編集委員)、酒井隆史(大阪府立大学)、坂元ひろ子(一橋大学)、崎山政毅(立命館大学)、渋谷望(千葉大学)、白石嘉治(上智大学)、杉村昌昭(龍谷大学)、田崎英明(立教大学)、平井玄(東京藝術大学)、平沢剛(明治学院大学)、本橋哲也(東京経済大学)、森千香子(南山大学)、矢部史郎(No! G8 Action)、山森亮(同志社大学)、吉見俊哉(東京大学)
(50音順)

問い合わせ先
gohi@mail.meijigakuin.ac.jp