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『ACT―市民の政治―』213号(2004年3月4日)

Line Up

  ◆[日の丸・君が代]を強制しないで!
      「斉唱時の起立・斉唱・伴奏義務不在確認」訴訟原告
      川上絵理さん(東京都立高校教諭・仮名)に聞く
  ◆[案内]WORLD PEACE NOW 3・20
  ◆CATCH UP  ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆ACT読者アンケート
     「日の丸・君が代」強制、教育基本法改悪――私はこう考える
  ◆2・23名古屋地裁 自衛隊イラク派兵差し止め訴訟
  ◆社民党からの定期便C
  ◆末端私論―読者の声
  ◆OLのつぶやき・会社のかたすみから
  ◆ACT関西企画
    緑の政治ユーザーズガイドH
    リーバイのアメリカ緑事情
  ◆参院選・東京選挙区に市民派候補者を
  ◆立川で派兵反対活動に弾圧
  ◆経介☆政子の永田町たちばなし(21)
  ◆住民投票津々浦々[2月1日〜15日]
  ◆小田急線高架訴訟・最高裁に向けての闘い(下)〜木下泰之議員に聞く
  ◆[映評] 『戦場の夏休み〜小学2年生が見たイラク魂〜』
           (2004年/アップリンク/監督:吉岡逸夫)
         『アフガン零年』
           (2003年/アフガニスタン=日本=アイルランド/監督:セティク・バルマク)
  ◆BOOK Review
     フランク・パヴロフ 物語/ヴィンセント・ギャロ 絵 『茶色の絵』
  ◆広告(3面) 『創』4月号……創出版
            『軍縮』4月号……潟Aストラ
            入浴剤「芳泉」……ほんの木   

インタビュー

「日の丸・君が代」を強制しないで!
 川上 絵理さん [仮名]
( 「斉唱時の起立・斉唱・伴奏義務不在確認」訴訟原告/東京都立高校教諭)

石原さん、人の心に
鎖はかけられませんよ!

  卒業式シーズン。これから始まる新しい生活に大きな希望と多少の不安を胸にした生徒・児童たちこそが主役だが、そんなハレの場を東京都は、処分をちらつかせながら「日の丸・君が代」を教員に強制する〈首実検〉の場にしようとしている。実際、昨年末の周年行事で都教育委員会の指導主事が式場を歩き回り、君が代を歌っているかどうか教員1人ひとりをチェックし始めた。昨年10月23日、都教委が出した「通達・実施指針」、さらに各学校長から個々の教員に手渡された「職務命令書」により、勇気と良識をもって教育現場における「日の丸・君が代」強制に抗してきた教員たちは今、崖っぷちに立たされている。1月30日、200人を原告教員によって提訴された「予防訴訟」の原告の1人である、川上絵理さん(仮名)にお話を伺った。【構成・大島正裕】



 私が最初に赴任した定時制高校では在日コリアン、ベトナムやカンボジアの難民、いわゆる中国残留孤児の2世、3世など、特別の事情をもった生徒が多くいました。そういう子どもたちと接した経験から、日の丸・君が代の強制は教育の現場になじまないとずっと感じてきました。
 それから日本の戦争責任や人権、平和について実際に自分が授業で言ってきたことと日の丸にむかって君が代を歌うということの矛盾ですね。日の丸・君が代は自国民はおろかアジアの人たちを苦しめた日本軍国主義の象徴なのですから。平和憲法を守ろうということは、社会科教育の大きな使命だと思うんです。
 言ってることとやってることが違う、そんな私たち教員を生徒たちはどう思うでしょう。「処分が怖いから、君が代を歌ってる。思想・良心の自由なんて偉そうなこと言ってたけど、結局、権力に負けてるじゃないか。憲法は守られてないじゃないか」と思わせることは、若者の精神を傷つけることでもあるのです。
 社会科は戦前なかったもので、戦後民主主義の象徴のような教科です。それを自分が担当している以上、日本国憲法の9条(戦争放棄、軍備及び交戦権の否認)や19条(思想及び良心の自由)、教育基本法の理念を生徒に伝えることが私の使命であり、また私が教員になった動機でもあるので、それができないのであれば、教員をやっている意味がない……。卒業式で、生徒の前で君が代を立って歌うということは教員である私を否定することだし、これまでやってきた全て否定することなんです。その精神的な圧迫、ストレスというのは、簡単に説明することはできません。
 実は昨日、校長名で「職務命令書」が教員一人ひとりに手渡されました。「国歌斉唱に当たっては、会場の指定された席で、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱すること。また、着席の指示があるまで起立していること」など6項目の「命令」が記されています。これまで1度だってなかったことです。処分をちらつかせた命令を出して、人の心に鎖をかけるようなことをしている。それじゃあファシズムですよね、本当に。
 こんなことが今、どうして許されるのかというと、みんなが知らないからだと思うんです。どうして大きなメディアは報道しないのかって思います。あまり報道されませんでしたが、1月30日、「斉唱時の起立・斉唱・伴奏義務不存在確認」訴訟(予防訴訟)を都立学校の教員228人が原告となり東京地裁に集団提訴しました。
以下、本紙をご覧ください
 1月30日、東京地裁に集団提訴された「日の丸・君が代強制反対/斉唱時の起立・斉唱・伴奏義務不存在確認」訴訟(「予防訴訟」)。提訴時、東京都立学校の教員228人が、原告団に名前を連ねました。
 「日の丸・君が代」の強制によって教員の心に鎖をかけ教育現場の管理統制を強化し、国家にとって都合のよい「愛国心」を子どもたちに植え付けようとする石原都政の横暴は益々強まっています。
 勇気と良識を持って踏みとどまっている教員のみなさんを、市民の力で支えていきましょう。
●連絡先/カンパ先
「日の丸・君が代」強制反対/予防訴訟をすすめる会
  東京都新宿区本塩町4−4 祥平館ビル9階 東京中央法律事務所気付
   TEL 03-3353-1911/FAX 03-3353-3420
【郵便振替口座】
  口座名:予防訴訟をすすめる会番号
  口座番号:00110-1-740042      

いずみ

 オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)に対する1審判決が出た。求刑どおり死刑判決である。
「松本は自分の思い描いた空想の妨げとなる者は、教団の内外を問わず、敵対視し……命を奪ってまでも排斥しようと考えた」
「(死者27人、負傷者21人に上る13件の凶悪犯罪は)松本の自己を顕示し人を支配しようとする欲望の極度の発現の結果であり、多数の生命を奪い、奪おうとした犯行の動機・目的はあまりにもあさましく愚かしい限りというほかなく、極限ともいうべき非難に値する」
「広く、我が国や諸外国の人々を極度の恐怖に陥れ、人間社会に与えた影響が甚大かつ深刻で広範に及ぶことにおいて、これまで、我々が知ることのなかった、誠に凶悪かつ重大な一連の犯罪だ」
「将来、様々な出来事や人々と巡り合い、様々な感動に出会いながら家族、近親者、友人、仲間らとともに精一杯に充実させて生きていくはずだった人生をことごとく無残にも奪われたその無念さ」
 被害者の無念は、よくわかる。麻原を一刻も早く吊せと叫ぶのも、死刑制度には反対だが心情はわかる。わかるからこそ思うのだ。ブッシュに殺されたアフガンやイラクの無辜の人びとは、無念でなかったか。ブッシュを吊したいと思わないだろうか。ブッシュの腰巾着・小泉や、小泉を支持し続けている日本国民に憤りを覚えないだろうか。
 ブッシュは、タリバンがビン・ラディンを匿っていると空想し、フセインが大量破壊兵器を隠していると妄想し、虚言を操って、彼らの命を奪っても排斥しようとした。ディジイカッターや劣化ウラン弾で大量殺戮し、全世界の人々を極度の恐怖に陥れた前代未聞の凶悪犯である。貧しくとも精一杯に人生を生きていくはずだったアフガンやイラクの人びとの人生をブッシュはことごとく奪った。自国を顕示し、世界を支配しようとするあさましくも愚かな帝国の野望の極度の発現である。
 拉致問題で憎悪と排外感情をむきだしにするこの国はブッシュおよびオウムと変わるところはない。

                                                     小寺山康雄 


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)

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