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『ACT―市民の政治―』206号(2003年11月24日)

Line Up

  ◆自衛隊はイラクへ行くな!殺すな!殺されるな!
  ◆私の提案と意見……阿部知子(衆議院議員)
     「社民党内外の人々に再建議論への参加を呼びかけ、
      批判と意見を受け再建大会へ生かすことに全力を」
  ◆CATCH UP  ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆結果発表!総選挙アンケート第2弾〜投票行動と結果分析
  ◆経介☆政子の永田町たちばなし(18)
  ◆Hot Issue in the World(19) 第2回ヨーロッパ社会フォーラム
  ◆[映評] 『自転車でいこう』(2003年/潟c塔^ージュ/監督:杉本信昭)
  ◆新年メッセージ広告へのご賛同のお願い
  ◆ケイト・ウォンさん(アメリカ労働運動の活動・研究家)が来日講演
  ◆法談閑談/「ナショナリズム」というやっかいなもの
  ◆〈写真コラム・路傍の片隅から〉L
  ◆ACT関西企画
    緑の政治ユーザーズガイドF グローバリゼーション
    リーバイのアメリカ緑事情
    就職活動記
  ◆[案内]愛知・イラク派兵反対集会
  ◆広告(5面) 『創』12月号……創出版
            『記録』11月号……潟Aストラ
            さつき印刷
            ACT新聞社事業部

自衛隊はイラクへ行くな!
殺すな! 殺されるな!

"第二のベトナム化"するイラク・中東情勢

 11月19日、第二次内閣を発足させた小泉首相は記者会見で、自衛隊のイラク派兵に関し「安全面に十分配慮して派遣しなければならない。いつ派遣するかについては、状況を見極めながら判断したい」と発言し、自衛隊の年内派兵を断念した、とマスメディアは伝えている。
 バグダッドの日本大使館への銃撃事件、アルカイダによる東京でのテロ予告、そしてなによりも、連日のようにおこなわれているサダム・フセイン派ゲリラによる米軍への攻撃で、より混迷化するイラク情勢からして、「自衛隊のイラク派兵見送り」は当然の結論ではあるが、小泉首相をはじめとした自民党タカ派がこれをあきらめたわけでは、けっしてない。
 イラク全土で地下にもぐったフセイン派の反撃攻勢、米軍の被害拡大、国連の撤退等々、泥沼化する戦局、つまりアメリカにとって「第二のベトナム」ともいえる混沌状況にあってもなお、小泉内閣の閣僚や防衛庁の幹部は、「現時点では、イラク全域が(自衛隊の活動が可能となる)非戦闘地域だ」との強弁を続けてきた。その彼らが次のチャンスを虎視眈々と狙っていることは火をみるよりも明らかである。米軍の巻き返しが始まれば、すぐにでも自衛隊派兵をおこなうだろう。
 11月14日、小泉首相はラムズフェルド米国防長官との会談のなかで、自衛隊の年内派兵は厳しい情勢にあることを伝え、同長官からは、日本の自衛隊による「軍事的貢献」よりも、50億ドル(約5500億円)の資金拠出を「高く評価」された。
 いまから約10年前の湾岸戦争、それにつづく自衛隊のPKO派遣、米軍を中心とした多国籍軍への莫大な資金拠出という構造と比して、今日的構造は、いったいどこが違っているというのか。ほとんど同じように見える一方で、しかし、着実に地中深くまで根っこを張りめぐらされつつあることも確かである。
 さきの総選挙では、「政権交代可能な二大政党制」や「マニフェスト」が喧伝されたという要因があるにせよ、「憲法9条」や「自衛隊のイラク派兵」は残念なことにほとんど争点にならなかった。その結果、「護憲」「反戦・平和」の議会勢力は大きく衰退し、「派兵」「有事体制」派が絶対多数を占めた。
 これが一直接的に改憲へと進むかどうかは論点だが、少なくとも「憲法9条」という理想を高く掲げた「戦後的一国平和主義」が内的にも外的にもすでに崩壊し、その理想であった、否、今日でも理想である日本国憲法第9条じたいがまさに風前の灯火なのだという認識が必要である。
 「自衛隊はイラクへ行くな!殺すな! 殺されるな!」
 「日本は戦争をぜったいにしない! 世界中の戦争に反対する!」
 そう言い続けたい。そしてそのようにあらしめたいからこそ、「護憲」しか言えずに敗れた「護憲派」の今回の選挙を真に教訓化しなければならない。

大島 正裕(編集委員)              


いずみ

 マスコミがこぞって鉦(かね)太鼓ではやしたてた「二大政党制時代本格的幕開け」の総選挙であった。9議席から4議席に半減し、党首が落選した保守党は早ばやと、自民党に里帰りした。18議席から6議席に激減し、同じく党首が小選挙区で敗北した社民党では民主党合流論が勢いを増している。そして、共産党は19議席から1ケタの9議席に落ち込み、市民派のシンボル川田悦子さんは落選した。
 激減したとはいえ、共産党と社民党の比例区での得票率を合算すると13%だが、議席では3%を占めるにすぎない。財界が切望し、民主党がマニフェストしている比例区定数が削減されれば、「民意の反映」はさらにいびつになる。戦後60年、ひたすらアメリカ化してきたこの国だが、いよいよアメリカンナイズの総仕上げに向かっているのである。
 自民党と民主党のマニフェストを比べてみるがいい。新自由主義一辺倒の経済政策、福祉切り捨て、自衛隊の海外派兵、有事体制化、改憲志向、どれをとっても差異はない。引退した野中広務が輝いて見えるほど両党は戦争国家づくり、弱者切り捨て政治に共鳴しあっている。「強姦発言野郎」西村真悟が民主党に違和感ないのも道理だ。
 兵庫県では「9プラス25改憲阻止市民の会運動」が、社民党、新社会党、市民派の三者の共働で進んでいる。今回の選挙では社民党の土井、中川、北川を応援し、兵庫1区では「市民の会」の統一候補を擁立し、共産党を上回る票を得た。来年夏の参院選に向けて、この運動をもっと大きくしなければならない。
 存亡の危機に直面している社民党だが、民主党に合流することで国会での発言権を得ようとするのは幻想である。自社さ連合政権で何を得たか。党のアイデンティティを根こそぎ失って、得たのは大臣の席だけではなかったか。
 党再建は解党的出直し以外にあり得ない。市民や党外の知識人と共働して、全国各地で再生のための公開討論会をやるべきだ。市民の共有財産として社民党を再生させるのだ。社民党はそれだけの価値がある。

                                                     小寺山康雄 


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)

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