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島崎直美さん(アイヌ民族共有財産裁判・原告)
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『創』10月号ほか……創出版
民族の権利回復に挑む
島崎 直美さん
(アイヌ民族共有財産裁判・原告)
最後まで言いつづけ社会を変えたい
絶対に「数」じゃないはず 人間として公正な判決を
島崎直美
しまざき なおみ 1959年生まれ。夫と子ども2人の4人暮らし。札幌市南区在住。ウタリ協会札幌支部文化部長を経て、現在ウタリ協会札幌支部の「ウポポ保存会」の事務局兼書記と、「アイヌの女の会」代表。「アイヌの女の会」では海外の先住民族の女性たちを呼んでのフォーラムや、アイヌの女性だけを対象にした聞き取りもおこなっている。当初、アイヌ文化振興法の助成金を使って聞き取りの1巻目をつくり、記録事業を3年間継続しようとしたが、アイヌ文化推進機構が認めなかったため、自分たちで出し合った会費の中で、昨年、帯広と旭川のフチ(おばあさん)たち2人の聞き取り調査を実施。※アイヌ民族共有財産裁判を支援する全国連絡会事務局(大脇方)TEL011-743-0755(FAX兼用)
http://www.dogyousei.gr.jp/ainu/ takahasi@dogyousei.gr.jp
郵振口座:02770-7-6123 加入者名:アイヌ共有財産裁判全国連
【インタビュー・写真・構成:佐々木慶子】
――共有財産は、「アイヌ民族に管理能力がない」と日本政府によって差別されて、旧土人保護法に基づいて北海道に管理されていましたが、その法律が廃止されて、アイヌ文化振興法の付則のなかに引き継がれました。まずは、この問題について、どのように思われますか。
共有財産は、旧土人保護法を廃止したら終わりではなくて、振興法に付則としてのせるくらい重要なんですね。重要でありながら、しかし、今でも実態が明らかにされていないのが実状です。
たまたま旧土人保護法が廃止になる寸前に、このことが毎度出てくるものだから、みんな目をやるようになって、なぜ共有財産が載っているのだろうかと少しずつ疑問に思ってきました。みんな共有財産じたい、それが何か分かっていませんでした。今でも、残念ながら、ほとんどのアイヌは知りません。
『アイヌの人々と人権』という人権啓発資料が、法務省・全国人権擁護委員連合会から出されていますが、第7条から第13条の共有財産の部分はなぜか掲載が省略されています。日本政府のやり方は一般の人の目に触れさせないように、わざとその部分だけをすっぽり抜け落としているのです。アイヌをバカにしていますよ。「人間は生まれながらにして自由、平等である」という世界人権宣言も載せているのに、ですよ。
日本政府は共有財産にふれられたらとても困るのです。日本国がアイヌに何をしてきたかを隠すためにもね。
――島崎さんが、アイヌ民族共有財産裁判の原告になられたきっかけは?
共有財産の公告が出たとき「あれ、何だろう」と最初に思いました。
それには2つのことがあって、まず、共有財産は私たちの持つ当然の権利であるということ。それからもうひとつは、もともと北海道は私たちの土地なのに、それをわざわざ共有財産という名目をつくって、「100何十万円返すから取りに来い」という人をバカにした、見下げたものの言い方を日本政府はしています。
今日のお金に換算した正当な額ならまだしも、何で侮辱されなければならないんだろう、という怒りで原告になりました。
明治以来の旧土人保護法にしても、ずっと中味を知らずに育ってきた私みたいな人間でも、ウタリ協会に所属してある程度、役員をやっていると、少しずつ法律の中身に触れたり、行政との交渉をやるなかで、共有財産についてもだいぶ分かってきました。しかし、ウタリ協会に所属する会員でも、実際はそんなことなかなか勉強することができませんので、分からないのは当然なんです。
反対もできないし賛成もできない、というどっちつかずの気持ちです。原告になるならないは自由意志ですが、アイヌが団結して裁判を応援し勝利をかちとるべきです。もし裁判が進んで、日本国が私たちの主張や要求を全部はねつけたら、それじゃぁ土地は全部返してもらおうじゃないか、というくらいの気持ちでしていくべきです。
日本国は誠実に非を認めるべきです。今日では情報公開がすすんで、たくさんの市民が見ているのですから。
以下、本紙をご参照下さい。
拝啓 辻元清美様
ほとんど面識がないにもかかわらず、唐突にしかもぶしつけな手紙を差し上げる非礼をお許し下さい。
仄聞(そくぶん)するところ、あなたは11月にも予測されている衆院選挙に立候補することにちゅうちょされているとのことです。また、あなたが所属されている社民党は今までのところあなたを立候補予定者にリストアップしていません。
これは一体どういうことでしょうか? 逮捕は検察による選挙活動妨害であり、反戦護憲派としてのあなたに対する権力の政治的恫喝であることは、あなたも社民党も充分ご承知のことと存じます。だとすれば立候補断念は、あなたと社民党が検察と権力に恭順の意を示すということになります。よもやそんな情けないことではありますまいが、立候補しないなら世間はそのように受け取ります。
立候補はたんにあなたが議員に返り咲くことではなく、検察と権力に対してあなたが異を唱え、闘争宣言することであります。当選すれば市民があなたの政治姿勢を支持したということなのです。
あなたをちゅうちょさせているのは、市民派の中にも今回は断念すべきという声が少なからず存在するからでしょうか? あるいは社民党から出ることに反対する意見もあるからでしょうか? 最初の声については今回闘わずして次回はないということを説得されるべきです。
社民党についてはもうすこし複雑な対応が必要です。あなたが辞職せざるをえなかった要因が、党の体質として構造化されているからです。私は、社民党は今回の一連のできごとを機に解党し、緑、フェミニズム、市民派の新しい政党として出直すべきだったと考えます。それをなしえなかったのですから、社民党は解党ではなく消党の危機を迎えているといえます。
この危機を前向きに打開し社民党を緑、フェミニズム、市民派の党として再構築できるのは数人とはいえ奮闘している市民派議員です。あなたの返り咲きはそのための決定的力になるでしょう。小智に惑わされず、蛮勇に順いましょう。
小寺山康雄
ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
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