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『ACT―市民の政治―』186号(2003年1月20日)

Line Up

  ◆辛口レビュー 元兵士102名の証言を記録
              松岡 環さん(『南京戦・閉ざされた記憶を尋ねて』)
  ◆CATCH UP  ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆1・18 イラク・ピースアクション「チェチェンの子どもを支援する会」通信E
  ◆〈案内〉元イラク査察官 スコット・リッター氏緊急来日
  ◆労働委員会サボ−トセンター設立
  ◆〈案内〉豊田直巳さん イラク写真展
  ◆[1面関連]本『南京戦・閉ざされた記憶を尋ねて』
           『南京戦・閉ざされた記憶を尋ねて』パネル写真展
  ◆法談閑談(15) 『ナショナリズムの克服』を読む
  ◆OLのつぶやき・会社のかたすみから(19)
  ◆イラク攻撃反対 ブッシュに葉書で一言
  ◆韓国大統領選 盧武鉉大統領の登場と市民社会の地殻変動
  ◆〈案内〉グリーン・ユースキャンペーン ケリー・ネトルさん来日講演
  ◆Hot Issue in the World(12) 香港・国家反逆罪への立法化反対の声
  ◆2・2愛知県知事選 池住よしのりさんを新しいリーダーに!
  ◆2・2広島市長選 秋葉忠利氏再選のために必要なこと
  ◆富山・大山町長選 野入美津恵さん当選ならず
  ◆札幌高裁 アイヌ史資料集裁判報告
  ◆〈案内〉アイヌ民族の強制就学を追う
  ◆ECOひいき 東京 レラ・チセ
  ◆BOOK Review
     菅野芳秀 著 『生ゴミはよみがえる』
     浜岡原発をとめよう裁判の会、「人間家族」編集室
       『「人間家族」別冊 とめよう!浜岡原発――東海地震が過ぎるまで』
  ◆テレビ丼
  ◆広告(3面) 『市民派候補のための選挙必勝マニュアル』……虹と緑
            『創』1-2月号・『オバハンからの緊急レポート』……創出版
            『記録』2月号……潟Aストラ
            『医学の暴力にさらされる女たち』・『「源氏物語」と戦争』……インパクト出版会
       (6面) 健康食品ケンコウキン……泣Jルティエ
            『人生のお汁』ほか……偕成社

辛口レビュー

元兵士102名の証言を記録
 松岡 環さん
(『南京戦・閉ざされた記憶を尋ねて』編著者)

南京大虐殺という負の歴史ときちんと向き合い考えよう

日本はどんどん怖い国になっていく

松岡環
まつおか たまき
 1947年生まれ。小学校教員。88年以降、南京を30回以上訪中、現地調査や聞き取りをおこない、現地での追悼集会や日中共同研究集会などに参加。93年より日本各地で中国人幸存者の証言集会を開き、95年からは「南京大虐殺絵画展」も開催。97年より同志とともに、南京戦に参加した元兵士の聞き取り調査を始め、近畿各地で約200人と面接、それを集大成した「証言集」を昨年7月に上梓。「南京大虐殺60ヵ年全国連絡会」共同代表。【インタビュー・構成 池島砧】

 昨年の8月15日、「ニュース・ステーション」が、「終戦」記念特集のなかで、南京戦に参加した元兵士の証言をまとめた『南京戦・閉ざされた記憶を尋ねて』(社会評論社)を取り上げ、大きな反響を呼んだ。日本が再び戦争の道を歩もうとしている今、あらためてこの本について、執筆者の松岡環さんにお話を伺った(インタビューには、中日民衆交流史を研究されているA氏にも同席いただいた)。

 ――テレビ放映後、どのような反響があったのですか。

松岡 そのときは南京にいたので、友人から「久米さんが元兵士からの聞き取りの一部を読み上げたりして、とてもよかった」といった電話がありました。本の売れ行きもかなり伸びたようです。その一方でインターネットには「兵士の証言はウソや」「著者は何も知らないで書いている」というような中傷が流されました。
A テレビ局にも多くの賛意とともに、単なる誤植ミスを捉えて「11歳の子どもを強姦するエロ話や」とか「英霊への冒涜だ」といった中傷や抗議の電話がありましたが、それも同様に組織的な攻撃と感じました。また、南京大虐殺を否定する研究者からの公開質問状や「偏向放送だ」といった右翼からの攻撃もありました

 ――聞き取りは困難だったのではありませんか? 相手は高齢ですし、巷では「南京大虐殺はなかった」論が台頭していることもあって……。

松岡 アポを取るため、電話で「南京のこと調べているんですが」というとガチャン。それまで活き活きとしゃべっていて南京の話になると急に「ワシ忙しいんや」と怒鳴ったり、「忘れた」となることがよくありました。集会での証言を頼んでも「そんなん、怖いもん」という。だから、一部のマスコミで「南京大虐殺などない」と書く影響は大きいと思います。実際にあったことでも話せる人はほとんどいない。おじいさんらは社会から無言の恫喝を受けている、と感じましたね。

 ――「自分がやった」虐殺や強姦については?

松岡 ほかのことは得々と話をする、けど強姦や農民のなぶり殺しの話はふれたがらない。それでもなかには
「50人ぐらいやった、南京でもクーニャン(娘)を『飼っていて』、部隊長が先頭になって(強姦を)やっていた。酷かったなあ」と語る人もいました。
 多くの兵士が蛮行を犯した根底には中国人に対する蔑視感があると思います。そういう差別意識を今もずうっと引きずったままなんですね。強姦についてはっきり言った人は10人ぐらい。虐殺についてはもっとありましたが。

以下、本紙をご覧ください。

2面に関連記事掲載



いずみ

 朝日新聞社が78年から年末のたびに実施してきた国民意識調査が昨年末で25回目を迎えた。調査結果の詳細は同紙1月8日号を参照していただくとして、ここでは独断偏見にもとづく“いずみ”流分析と解説を試みよう。
 今の社会は「混乱」し「不平等」で、みんな「身勝手」すぎる。とくに若者の身勝手が目に余る。身勝手は若者の特権で、身勝手な行動はしばしば世の中に警鐘を打ち鳴らし、社会を変える突破口を開いてきたものだが、今の若者は「無気力」とくるから、どうしようもない。
 警察も教師も信用度はガタ落ち。銀行にいたっては35%も信用が下落した。政治家を信用できないのは四半世紀一貫しており、50人に1人しか信用していない。占いと同レベルの低い信用度だ。それでも2人に1人が投票所に行くのは、占い師の所に出かける程度の暇潰しのためだ。
 不可解なのは新聞と医者の信用度が高いことだ。たぶん新聞は政治、経済、社説などは素通りして、信用度の高い天気予報とテレビ欄を読むためだろう。誤診と医療過誤を繰り返している医者だが、質問に答えた人は幸いにも、まだ医者に殺されていないからだろう。
 日本人の自画像は相も変わらず「勤勉」で「人情味」あふれているというものだが、反面「無作法で協調性なく、不正直」。そのうえ「国際性に乏しい」とくる。これではまるで夜郎自大のアホを自認していることになって、自虐史観派は地団駄踏んで悔しがるだろう。それでも自認しているだけ、ブッシュとそれを支持するアメリカ人より賢いというべきだろう。
 縮み志向の日本人は周りから「平凡」でも「正直でやさしい人」に見られたがっている。「有能」で「個性的」、「信念のある頼もしい人」は、日本社会では支持度は低い。「有能」な政治家や高級官僚に裏切られ続けてきた庶民の、退嬰的ではあるが、ささやかな抵抗感がうかがえる。
 それでも20代では自立心と独創性をプラス価値と考える傾向が次第に増えている。これに期待したいと身勝手に思うのである。

                                                     小寺山康雄 


ECOひいき

レラ・チセ (東京)
 *アイヌ文化を体感*

 首都圏在住のアイヌ民族団体レラの会が運営するアイヌ料理店レラ・チセは、1994年5月に早稲田に設立されました。自分達の活動の拠点として、食を通じたアイヌ文化の情報発信基地として、アイヌ料理店をつくることは私たちの長年の夢でした。国連の国際先住民年の93年に支援の協力を得て運動を開始し全国からのカンパを集めました。
 レラとはアイヌ語で風、チセは家を意味します。アイヌ文化が風に乗って広がるようにとの願いが込められています。
 鮭・鹿肉、ギョウジャニンニクなどの山菜、さまざまな自然の素材を生かした伝統のアイヌ料理からオリジナル料理までさまざまな味と、北海道の地ビール・焼酎などのお酒も楽しめます。そのほか、アイヌ民芸品やCD、書籍なども販売。民族音楽ライブやアイヌ文化のワークショップなども行っています。月に1度のアイヌ語の勉強会もあります。また店内には着物や木彫作品、民具なども展示してあります。
 アイヌ民族のことを知りたい方、理屈ではなく、アイヌ文化を五覚で体験し味わえる店です。
 店は、2000年12月に中野に移転しました。「薬師あいロード」にある三階建ての建物です。大きな鮭の看板が目印です。営業時間はランチ−11時半〜14時半、夜−18時〜24時(ラストオーダーは23時)、定休日は月曜日です(ただし1月は無休。「8」のつく月曜日は縁日のため営業し、翌日休業)。

大野 徹人

【行き方】 JR中野駅より徒歩12分、西武新宿線新井薬師前駅より7分
【連絡先】 東京都中野区新井1−37−12
        TEL03-3387-2252(FAX兼)
        http://www.reracise.com/


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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