■[トピック] |
◆辛口レビュー イラク攻撃は許さない
豊田 直巳さん(フォトジャーナリスト)
◆CATCH UP ◆いずみ(編集長コラム)
◆[1面関連]豊田直巳写真展&講演会
◆医薬品医療機器総合寄稿法案に断固反対! 川田悦子(衆院議員)
◆10・26 反原子力の日・東海村現地行動
◆11・15 石原都政にNO! 市民の集い
◆東京大気汚染裁判東京高裁へ控訴
◆末端私論―拉致問題
◆緊急集会・「モスクワ人人質事件はなぜ起こった?」共同声明
◆浪速の唄う巨人・趙博さん『彼処此処』発売
◆法談閑談(14) 憲法調査会が中間報告
◆Hot Issue in the World(11) モスクワ・劇場占拠事件
◆〈集中連載〉貧乏記者のアフガン現地ルポH
◆11・17 「虹と緑」 2003年統一地方選キャンペーン・スタート集会
◆あったか毛布キャンペーン
◆[販売の案内]“日の出の森”パンフ
◆笠間市・産廃処分場建設工事差し止め訴訟@
◆11・10 共生共走リレーマラソン
◆白井文さん新市長に!
◆千葉・松戸市議選 吉野信次さん・むさか紀子さんが当選!
◆反住基ネット国会請願署名
◆BOOK Review
寺町みどり 著/上野千鶴子 プロデュース『市民派議員になるための本』
田島征三 著 『人生のお汁』
◆テレビ丼
◆〈新作映画情報〉六ヶ所村を描くドキュメンタリー『田神有楽』
◆[案内]工房ちゃ展
◆[プレゼント]ジョゼ・ボベさんの写真
◆[お知らせ]2003年新年合併号メッセージ広告にご賛同ください
◆広告(3面) 『オバハンからの緊急レポート』・『言論の覚悟』……創出版
『記録』12月号ほか……潟Aストラ
『李朝残影―梶山李之朝鮮小説集』……インパクト出版会
スペースじょあん
イラク攻撃は許さない!
豊田 直巳さん
(フォトジャーナリスト)
米国のいう民主主義は全部ウソ
「悪の枢軸」なんて思ってるアラブ人は誰もいませんよ
豊田直巳
とよだ なおみ 1956年、静岡県生まれ。「戦争と平和」をテーマに雑誌やテレビなど各種メディアで作品を発表している。83年から20年にわたってパレスチナ問題を中心に、レバノン、シリア、ヨルダン、イラク、イスラエルなどで精力的な中東取材を敢行。また95年以降、世界各地の難民取材もおこなってきた。学校現場での平和教育の一環として難民のおかれている現状を話したり、そのほか数多くの講演や写真展をおこなっている。ご自身のウェブサイト「境界線の記憶」は必見!→http://www.ne.jp/asahi/n/toyoda/index.html
この9月にフォト・ルポルタージュ『難民の世紀〜漂流する民』が出版文化社より刊行された。この本の収益金の一部は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の難民支援プログラムに活用されている。豊田さんへの講演会・写真展のお問い合わせは小紙編集部まで。【写真:清水直子/構成:大島正裕】
――今年の4月〜5月にイラクを取材されたそうですが現地の状況は如何でしたか?
湾岸戦争直前の90年、99年、今回の3回訪れましたが、誤解を恐れずにいえば10年前の風景と今の風景は変わっていません。止まってしまったといえるかもしれない。同じアラブでもベイルートなどでは風景が全然変わっていますが、産油国であるイラクはなぜか変わっていない。
では、その風景はどんなものかというと、イラク独自の風景なんてないんですね。ダマスカスの新市街の風景、あるいはベイルートの下町の風景とバグダッドのそれは基本的に変わらない。つまり、イラクというものを国境の向こう側に想定しない方がいいということです。
ただ、これはイラクが産油国であることと関係しますが道路や病院などインフラはすごくいい。湾岸戦争直前のWTOレポートは、イラクは中東一医療水準が高いと太鼓判を押している。もちろん、この10年の戦争と経済封鎖の影響は大きいですが。バグダッドの貧しいエリアの人びとはパレスチナ難民キャンプの人びとくらい貧しい。一方で金持ちの地域はアンマンの金持ちの地域と変わらない。
もう一つ、3年前との違いでいうと、あの頃は確かに一番きつい時期で、車なんかタイヤはすり減ってるわ、おんぼろ車ばっかり。それが今回行ったら、中国製のピカピカの2階建てバスや、現代の新車のタクシーが走っていて、金持ちはベンツを乗りまわしている。外とのつながりが開けてきたということですね。
それから、私はサダム・フセイン大統領誕生日週間に行ったのですが、その取材にアルジャジーラTVだけでなくサウジのTV局が来ていて、「えっ、サウジが来れるんだ」って驚きました。また、イスラム教シーア派のモスクにはイランからたくさんの人がバスで巡礼に来ている。それほど周辺諸国との関係改善が進んでいるのが分かりました。
――そこは、日本ではあまり報道されていませんね。
3年前は車で陸路を行くしかありませんでしたが、現在飛行禁止区域が解かれていない中でも、ダマスカスから商業用の定期便が週4便、アンマンからも週四便飛んでいます。そういう関係改善の動きは、イラクを孤立をさせるために経済制裁をし続け、今にも戦争を始めたい米国にとっては都合が悪いですよね。
実はシリアとの関係もかなり前から進んでいます。袂を分かってからのシリア・バース党とイラク・バース党は犬猿の仲で、まして湾岸戦争時にシリアは多国籍軍側に付いた。それが今、石油パイプラインをシリア経由で地中海に流しているだけじゃなくて、その他のインフラも交易も人的交流もある。闇商人だけが儲かる構造ではなくて、人びとにも開かれてきている。
そこは北朝鮮を巡る状況とはちがい、閉じられた国境、閉じられた空間ではなく、周辺国とのつながりも広がってきている。だから当然、ほかの国のアラブ人は誰もイラクを「悪の枢軸」だなんて思ってはいない。東京人が大阪人を「悪の枢軸」なんて思わないのと同じことです。
以下、本紙をご参照下さい。
豊田直巳写真展&講演会
■写真展「いま、イラクの子どもたちは〜劣化ウラン弾の被害者の現在」
12月1日(日)〜16日(月)10時〜20時(最終日18時)
早稲田奉仕園セミナーハウス(地下鉄早稲田駅下車徒歩10分)
TEL 03-3205-5411
■トークライブ「イラクの今と難民の子どもたち」
12月8日(日)18時〜
ジュンク堂池袋店(TEL 03-5956-6111)4F喫茶スペース
千円(ドリンク付)
■トークライブ「イラク最新報告」
12月14日(土)17時〜
早稲田奉仕園
千円
※ビデオ上映あり
知的・道徳的ヘゲモニーは朝鮮人側にあって、日本人側には断じてない。「共和国」による日本人拉致事件をめぐるマスメディアにおける在日朝鮮人と日本人の言説をくらべるがいい。論理構成、志、品格のいずれにおいても、くらべるに値しないほど彼我の差は歴然としている。
1910年の韓国併合以降一世紀近い年月、日本人とその国家は朝鮮人を抑圧、差別してきた。90万もの強制連行、田畑を強奪した結果としての日本への「自発的移住」、採炭、ダム、道路建設などの強制労働、日本軍による性奴隷、関東大震災下数千人の虐殺、姓名と言語の剥奪。奪い尽くし焼き尽くし犯し尽くしてきた。戦後も在日朝鮮人への抑圧差別は続いたままだ。
日韓条約も過日の平壌宣言も歴史の負債を清算したわけではない。相手の弱みにつけこんで、あろうことか恩恵として経済協力してやるというのだ。拉致問題は格好の切札なのだ。そのうえ加害者としての負い目を清算するカードとして使いまくっている。石原慎太郎などは再び朝鮮半島に派兵せよと妄言しているがそれを批判する言説はマスメディアにはない。それどころかまるで戦争前夜のようにはしゃいでいる国家主義者、反「共和国」派、朝鮮人蔑視者に言いたい放題させている。
拉致を許し難い国家犯罪と指弾し拉致被害者に同情するのであれば、なにゆえ日本国家の歴史的犯罪に言及しないのか。それは国益に反する売国的言動とでも言いたいのだろう。あるいは日本人の人権と朝鮮人の人権に格差があって当然とでもいうのだろう。
こうした唾棄すべき言説が横行する中で、在日朝鮮人の知識人、自立的運動団体の言説はまことに清すがしい。抑圧され差別されてきたがゆえに、拉致された人間とその家族の悲痛な叫びに共感し、拉致疑惑に関心を寄せてこなかった自身を慚じている。しかもこうした言説は、一時的にせよ「共和国」に思い入れてきた人びとほど苦痛をまじえて語っているのである。「民族と国境をこえた被抑圧者の人間的連帯」は陳腐なスローガン扱いされてきたが、今ここに甦った。
小寺山康雄
ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
@お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)
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