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◆地球は売り物じゃない――WTOに異議あり
10・27−11・1 フランス農民同盟ジョゼ・ボベさん来日講演
◆CATCH UP ◆いずみ(編集長コラム)
◆「チェチェンの子どもを支援する会」通信D
◆狭山事件第2次再審請求中央集会
◆中国チベット弾圧 ガワン・ワンドゥンさん・スピーキングツアー
◆〈案内〉12・7 電磁波問題市民研究会・学習会
◆コトパンジャンダム訴訟 「支援する会」訴状パンフ
◆拉致問題雑感―ある歌に寄せて 生田卍(ミュージシャン)
◆〈写真コラム・路傍の片隅から〉D
◆〈末端私論〉 グローバリゼーション渦のなかの中国
◆経介☆政子の永田町たちばなし(9)
◆〈集中連載〉貧乏記者のアフガン現地ルポG
◆〈管理社会にNO! 反住基ネット各地の取り組み〉大阪寝屋川市
◆〈案内〉たんぽぽ舎 風力発電ツアー
◆市民派議員リレートーク(55) 玉田文江(静岡県磐田市議)
◆10・29 東京大気汚染裁判・東京地裁判決
◆BOOK Review
ジョジョ企画 『女たちの便利帳4』・『姉妹たちよ 女の暦2003』
ピナツボ復興むさしのネット・山田伸男・出口雅子 編著 『フィリピンと出会おう』
エドガー・カーン 著 『この世の中に役に立たない人はいない』
◆[映評] 『凶気の桜』(日本/監督:薗田賢次)
◆〈案内〉ピースデポ 出版記念講演会
◆〈案内〉EARTH VISION 第11回地球環境映像・プレイベント
◆〈案内〉『チョムスキー9・11』拡大公開
◆広告(3面) スペースじょあん
『市民派候補のための選挙必勝マニュアル』……虹と緑
『QUEST』NO.20……オルタ・フォーラムQ
『オバハンからの緊急レポート』・『言論の覚悟』……創出版
(4面) 『軍縮』12月号……宇都宮軍縮研究所
ビデオシリーズ『人権ってなあに』……潟Aズマックス
[フランス農民同盟]ジョゼ・ボベさん来日 10・27〜11・1
地球は売り物じゃない―WTOに異議あり
昨年8月、「米国の食の象徴」マクドナルドの店舗を壊し、遺伝子組み換え作物(GMO)反対のデモンストレーションとして農業化学企業の広大な畑のトウモロコシを次々と引き抜いた、フランス農民同盟の指導者ジョゼ・ボベさんが10月末、来日した。5日間で全国6地域をまわるハードなスケジュールの中、各会場は超満員、全国総計で2000人を超える人びとが、ボベさんの話に耳を傾けた。小紙掲載は東京講演の要旨。【文責は編集部・大島正裕】
日本の農業の状況というのは、世界中でみられる状況とほとんど同じだと思います。地球上の至るところで同じ帰結がもたらされていますが、これは同じ原因、論理によるものです。日本の農業が経験していることは、かつて私たちが経験したことでもあり、南米、アフリカの農民が経験している状況と同じです。
この論理は、農民たちをそこから追い出すロジックであり、食品の質を悪化させるロジックであり、環境を悪化させるロジックです。こうした帰結をもたらす原因は、今日のWTO(世界貿易機関)体制にほかなりません。
今日、WTOがおこなっていることは、農民による農業を破壊して、多国籍企業のアグリビジネスに道を開こうとする選択です。これは各国が自らの農業で生きつづけることを阻害することにほかなりません。WTOは、その必要がないにもかかわらず、それぞれの国が食糧を輸入しなければならないような状況に追い込もうとしています。グローバルプライスを設けて食糧の輸入を強制することで莫大な利益を得るのは、ひとにぎりの食糧輸出国と多国籍企業だけです。さまざまな国に関税障壁を低くすることを強制し、自国の農業を支えることを禁止しています。
この論理は1986年、GATT(関税貿易一般協定)ウルグアイラウンドの枠組の中で決定されました。WTO設立とともに加速されたこのプロセスにより、ダンピング価格で生産される食料を輸入させられる各国の農業生産が破壊されるという、非常にカタストロフィックな結果をもたらすわけです。そして、その被害者は、たんに農民だけではなくて、消費者も、そして環境も被害を受けます。
ただし最初に被害を受けるのは自らの土地を手放さなくてはならなくなり、収入を破壊される農民です。収入を保証したり収入にフォローを与えることは、WTOのルールによって禁止されています。しかし一部の国々、米国や欧州においては、環境に対する援助だと称し、実は補助金が支給されていて、ダンピング価格での他国への輸出が可能になっているわけです。このような不公平なシステムは当然認めることはできません。
とくに米国は昨年、農業補助金を70%増額した一方で他の国々に対して、農業補助金を減額せよ、関税障壁をなくせ、と強硬に主張しています。米国の究極的な目的は、この地球に対する帝国主義的な支配にほかなりません。また米国がおこなう食料援助も、食糧輸出の偽装されたかたちにほかなりません。
今日、明らかなことは、こうしたシステムを変えなければならないということです。さもないと、農民たちは消滅してしまいます。そして「食糧主権」という考え方、つまり自国の生産物によって自国の人びとを養うという権利、これはすべての民族にとって失うことはできないということも明らかです。そして、その権利をWTO体制が阻害しているのです。これは許し難いことだと思います。
今日においても世界の労働人口の約50%は農民です。WTOの政策は、この農民の大部分を消滅させるのみならず、この地球という星の均衡にとって自殺的な政策です。中国がWTOに加盟しましたが、これにより二億五千万人もの農民が離農しなければならなりません。
俺のアメリカ嫌いは高じる一方である。ブッシュのまぬけ面がテレビに映ると、その日一日中不愉快になる。ハーバード仕込みの竹中平蔵がご託を並べるたびにジンマシンが出るし、CNNを聞くだけで血圧が上がる。マックの店を避けるためには遠廻りも辞さない。
「あんた病気とちゃう?」と、つれあいが本気に心配するので、ハリウッド映画でインテリがやっているように精神科医に行くのもカッコええかなと、あわや、アメリカ文化に毒されかかったが、辛うじて踏みとどまった。マーク・ハーツガード『だからアメリカは嫌われる』(草思社)、マイケル・ムーア『アホで、マヌケなアメリカ白人』(柏書房)にめぐりあったからだ。インチキカウンセラーより安上がりで、病気どころか正常すぎることがよくわかった。
両書ともブッシュが大統領になるにあたって、いかにいかさまを使ったかから説き起こし、アメリカの政治、経済、社会、文化のいかがわしさを縦横に論じている。念のために断っておくと、二人とも白人男性である。前者はジャーナリスト、後者は映画・TVプロデューサー。つまりマイナーでなく、しかもエスタブリュッシュメントなのだ。いわば内部告発の書である。
ハーツガードは昨年5月から11月にかけて15ヵ国を訪れ、「アメリカと聞いて何を思い浮かべるか」という質問から対話を始めた。それを10のテーマにまとめて、アメリカ人が考えようともしないアメリカ国家の醜悪さを浮き彫りにしている。日本は独自の文化を持っているのに、何から何までアメリカの模倣をしていることに驚いているが、竹中などは必読すべきだ。
ブラジル大統領に「あなたの国にも黒人はいますか」と訊ねるブッシュのようなバカが人類皆殺しのボタンを押す権限を持っているとムーアは書いたため、本は発禁寸前になった。マスコミにも無視されたが、ベストセラーを続けているという。
チョムスキーやサイードがいて、こんな本がベストセラーになるアメリカ。好きとは言わないが嫌いになりきれないのが困る。
小寺山康雄
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