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田浪亜央江さん(一橋大学大学院言語社会研究科)
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秦澄美江 著
『魂の殺人―清泉女子大学セクハラ事件』
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『記録』6月号ほか……潟Aストラ
『ホイッスルブローアー』……桂書房
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パレスチナ連帯のあり方を模索する
田浪 亜央江さん
(一橋大学大学院言語社会研究科)
等身大の同時代人として細くても長く関わりたい
平和を創る実践とつなげていくことで
田浪亜央江
たなみ あおえ 大学入学の年の1990年に湾岸危機が起こり、サッダーム・フセインによるパレスチナ問題とのリンケージ論が話題になったことを契機にパレスチナ問題に関わる。92年、パレスチナ・インティファーダ世代の音楽や映像の担い手を日本に招くことを通じ民衆レベルの文化交流をめざした企画「豊穣な記憶」に参加。95年〜96年、シリア・ダマスカス大学に留学、シリアのパレスチナ難民キャンプで生活。97年、一橋大学言語社会研究科入学、現在同研究科博士課程在学中。イスラエルの中のパレスチナ人の文学作品を通して彼らのアイデンティティ状況を探る。また、日本のパレスチナ連帯運動のあり方を批判的に検証する作業を行っている(『インパクション』129号/座談会「連帯運動と反戦思想 パレスチナ連帯運動史への試み」参照)。今年3月には、イスラエル国籍を持つパレスチナ人とユダヤ人を招いたシンポジウム「パレスチナ/イスラエルの女たちと語る平和・自立」の東京でのコーディネーターを務めた。【構成:大島正裕】
――田浪さんにとってパレスチナ問題とは?
大学に入った年に湾岸危機が始まって、翌年1991年1月に湾岸戦争が始まりました。アラビア語を専攻していましたので、パレスチナ人への連帯や支援に関わるのは当然だと思っていましたが、非常に単純に、パレスチナ人の民族自決権を支持する、というだけの連帯運動は、あまり興味が持てませんでした。右翼の民族主義者だって同じことを言うわけですから。
この問題の複雑さが見えてきたのが、93年のオスロ合意以降で、私にとってオスロ合意の結果が具体的に見え始めたのが、95年からのシリア留学中のことです。パレスチナの自治が始まるにあたって評議会選挙がありました。そのときにヨルダン川西岸地区とガザ地区のパレスチナ人は生まれて初めて選挙権を持ち、自分たちの議員を選び、大統領としてアラファトを選出した。ガザの熱気は大変なものでした。
このときシリアとパレスチナを往復する中で、パレスチナ人の分断状況の深刻さにとてもショックを受けました。西岸とガザに住むパレスチナ人は、全パレスチナ人の一部の人たちです。彼らには選挙権が与えられ、それ以外に離散してしまったパレスチナ人にはもちろん選挙権はない。こんな選挙はパレスチナ人を分断するだけだ、という離散パレスチナ人の激しい抗議の声は、あのとき西岸やガザに住むパレスチナ人たちには届いていなかったんです。
パレスチナ人の解放とか、パレスチナ人の帰還権とか、パレスチナ人の民族自決権とか言うけれど、離散から半世紀近くたったパレスチナ人自体がおかれている歴史的情況とは別に、別々の場所に置かれている自分たちの、それぞれの利益しか考えられない。パレスチナ人を非難しているのではなくて、それってある意味では当たり前のことだと思うんですね。
そういうパレスチナ人の姿を通して、私たちが生活の安寧を求めてわりとセコいことを考えていたりするのと同じように、普通の人間として見えてきたような気がします。対等な関係の中で、お互い批判することは批判し、その上で国民国家をつくることだけに集約されない解放のあり方を模索したい。彼らの闘いを理想化して、それに依拠していてはいけない。それに、そんなことしていても、あまり面白くないと思います。
――いま、パレスチナ人社会にどのような変化が起こっているのですか? その中で私たちはどのようなつながり方を模索すべきでしょうか?。
離散から約半世紀、パレスチナ人の社会とか文化のありようが本当に変わってきています。イスラエル国内の特に都市部のパレスチナ人はイスラエルの消費文化を通じて欧米化しているし、欧米諸国に離散したパレスチナ人はそれぞれの文化・社会の影響を受けた若い世代との文化ギャップに直面しています。自治が始まって、海外にいたパレスチナ人が自治区に戻るようになり、そういう問題も見えてくるようになりました。
日本の中ではパレスチナ人を一枚岩の存在として「抵抗する人びと」みたいな観念で語ることが多かったように思えますが、世代間の葛藤や、パレスチナ人のあいだの差異に対するとまどいを抱えるパレスチナ人を見れば、そんなこと言えなくなる。等身大の同時代人として、細くてもいいから長くかかわれるような関係を作りたいと思います。
以下、本紙をご参照下さい。
5月20、21日発表された朝日新聞の世論調査によれば、小泉内閣の支持率は3割台に落ち、不支持率は5割に届こうとしている。あわせて調査は、人びとの政治情報は圧倒的にテレビから得るものであることも明らかにしている。換言すれば、九割にも達しようとしていた1年前の小泉支持率も、5割も減少した現在の支持率も、同じテレビによってもたらされたということである。
テレビが必要とする才能はわかりやすさである。確たる裏付けがなくても簡明なフレーズで表現するのがよい。小泉はそのことにおいてはヒトラー級の才能の持主である。
「痛みを伴う構造改革」は生活基盤を脅かし、病気や老後の不安を加速させることとしてでなく、「失われた10年」をとり戻し、政と官の腐敗、特権に対する闘争宣言としてうけとめられた。この1年で現実に進行したものは前者であり、後者は幻想にすぎないが、幻想を現実であるかのように人びとに思いこませたのは、テレビの政治トークショーであった。
有事三法について「あまり知らない」か「全く知らない」人は64%、小泉内閣が法案を十分説明していないと考える人は71%に達する。「備えあれば憂いなし」と言うが、何に対して備えるのかはさっぱりわからない。国民がわからなくてもよいのだ。わからないほうがやりやすいと、やってきたのが小泉である。
こうした小泉の政治手法のインチキを誰にもわかるように暴露したのは、皮肉にもテレビであった。「一所懸命」外務省改革をやってきた田中真紀子を更迭し、泣いて悔しがらせたのが小泉である。テレビが繰り返し真紀子の涙を放映するたびに、小泉の改革は嘘だと人びとは確信し、支持しなくなった。
瀋陽の日本総領事館への北朝鮮人のかけこみ映像は、日中両政府の国家主権を巡る歪少な争いを余すところなく暴いた。国家に生活権を奪われた人間は国家を捨てる権利を持っており、その権利はいかなる国家も無条件に承認すべきことを映像は訴えている。
けだし、テレビは双刃の剣である。
小寺山康雄
エルデ・フェアバント (東京)
*足と靴の相談室*
エルデ・フェアバントは、自然と調和し人間性に根ざした豊かな生活の実現を提案しています。
ご紹介する製品は、国内外の作り手の素顔が見える優れたものばかりです。それらはすべて、原料の生産から製造工程に至るまで、環境負荷のないもの、あるいは最大限の配慮をしたものばかりです。
自然素材を伝統技術で加工した作り手の見える製品は、作る人と使う人の健康を損なわず自然環境にも破壊的な作用を及ぼさない、本当の意味での人間的で豊かな生活用品だと考えます。また新技術や新素材は、生産から使用後の最終処理までの社会的なコストを考慮した上で、それによって生活が豊かなものになる人たちがいるのであるなら、それらも人間的で豊かな生活用品だと考えます。
これらの生活用品の提供と、それらを必要とし求める人たち、つくる人たちとの交流、情報交換の場となることをめざして活動しています。
〔取り扱い商品〕 ドイツのエコロジー靴とエコロジー皮革ケアワックス、国産漆の漆器・浄法寺漆器、アルプカーゼの山のチーズ、大麻繊維製断熱材テルモハンフ(ドイツ製)、ナチュラルべットシステム・MAL(ドイツ製)、他、オーガニックカフェコーナー・エルデカフェ
〔営業時間〕朝10時〜夜7時(木曜定休日)
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