■[トピック] |
◆辛口レビュー ヤミカルテルの内部告発から28年
串岡弘昭さん(トナミ運輸社員/雇用差別訴訟原告)
◆いずみ(編集長コラム) ◆CATCH UP
◆イスラエルの虐殺戦争 〜米の「反テロ世界戦争」と有事法制
岡田剛士(派兵チェック編集委員会)
◆末端私論 ・「大豆畑トラスト」会員募集中
・ガンバレ、辻元さん
◆アースデイ2002東京 LOVE&PEACE Meeting
◆歩こうねっ!と東海道 大沢忠夫さんを励まそう (里程・日程表Part3)
◆テロ後のNY市民の記録
インタビュー 青野恵美子さん(ビデオ塾)
◆報復戦争に反対する決議をあげたバークレー市を訪れて
阿部知子(衆院議員/社民党)
◆有事法制阻止行動
◆〈案内〉 5・11 のむぎ平和太鼓・横浜コンサート
◆3・30シンポ報告 まやかしの外国人研修制度
川上園子(日本インドネシアNGOネットワーク)
◆ザ・主張 北朝鮮「拉致」問題―「よど号」亡命者たちの罪と罰
◆経介☆政子の永田町たちばなし(3)
◆わが町の大問題
東京・渋谷区 原宿に巨大留置場建設計画
◆市民派議員リレートーク(46) 河津享(茨城県鹿嶋市議)
◆ECOひいき
◆BOOK Review 上野千鶴子・小倉千加子『ザ・フェミニズム』
モテない問題を考える会『モテない問題を考える会通信』
◆[映評]ノー・マンズ・ランド(ダニス・タノヴィッチ監督)
◆テレビ丼 ワイドショー消滅か?
◆ACT協力員になっていただけませんか
◆広告(2・3面) 『軍縮』6月号……宇都宮軍縮研究所
『オバハンからの緊急レポート』/『言論の覚悟』……創出版
さつき印刷
『有事法制とは何か』……インパクト出版会
『QUEST』No19……オルタ・フォーラムQ
『ホイッスルブローアー』……桂書房
『記録』4月号/『帰国子女自らを語る』……潟Aトラス
広告(4面) 『愚かな国の、しなやかな市民』……ほんの木
ヤミカルテルの内部告発から28年
串岡 弘昭さん
(トナミ運輸社員/雇用差別訴訟原告)
我が心に恥じるものなし
これは私が私であるための尊厳をかけた闘いなのです
串岡弘昭
くしおか ひろあき 1946年、富山県新湊市に生まれる。70年、明治学院大学法学部卒業。同年、トナミ運輸株式会社(代表取締役会長・綿貫民輔)に入社。74年、トラック業界のヤミカルテル、不正運賃を内部告発。この行為により、以後、3度の不当配転。会社からは仕事を与えられず、3畳の一部屋に閉じこめられ、今日まで昇格なし、昇給なしの長期雇用差別を受けつづける。今年1月29日、雇用主であるトナミ運輸を相手取り、慰謝料・損害賠償総額4800万円を請求する訴訟を富山地裁に提訴。3月には著書『ホイッスルブローアー=内部告発者』(桂書房/富山市)を刊行。インタビュアーは小学校時代の1年後輩。
【インタビュー・大野隆/写真と構成・大島正裕】
――「内部告発者」という表現は、どうも負のイメージがつきまといますね。
1980年11月30日の朝日新聞に「内部告発は裏切りか」という特集記事があります。私の告発から六年後ですが、この記事は次のように締めくくられています。
「数年前、刑法改正を議論している法制審議会で『企業秘密漏示罪』を設ける話が出た。この時、猛反対の先頭に立ち、反対の連絡会をつくった日本消費者連盟は最近、内部告発を『正義の通報』と呼びかえた。『裏切り』だが、同時にそれが『正義』となると、告発される側は一体何なのか」
「警笛を鳴らす人」という意味で「ホイッスルブローアー」という言い方もなされます。この方が柔らかな表現かもしれませんが、いずれにしても間違ったことはしていないので呼称にはこだわりません。
――最近では雪印問題や食肉不正表示問題が大きな社会問題になりましたし、また内部告発者の人権を保護する立法化の動きもありますが、全体的な状況としては、22年前の特集記事が今日のことかと錯覚するほど状況は変わっていません。逆にいえば、串岡さんが運輸業界のヤミカルテルを告発して28年、一貫して闘ってこられたからこそ、ようやく立法化の動きもでてきたのだと思います。それではまず、当時の運輸業界の状況からお伺いします。
私がトナミ運輸に入社した7970年当時、日本経済は高度成長のまっただ中にありました。運輸業界も業績が伸びているということもあり、「荷物を運んでやっている」という意識が強かったように思います。また、運賃や路線などあらゆる許認可権を持つ運輸省の下で、過当競争をしながら、なおかつ共存共栄をはからなければならない、という一見矛盾する共通認識を持っていました。
運輸業界の運賃は公共交通運賃と違い、運賃改定の認可が運輸省から下りても、荷主との契約関係上、すぐに適用とはなりません。また普通運賃の上下10%、つまり20%の幅があります。なぜかというと、容積と重量、さらに荷主の運賃負担能力を勘案する際の幅なのです。この幅で運送会社と荷主が交渉して、運賃が決定されるわけです。
荷主であるA産業に対してT運輸が運賃改定に基づき値上げを言いだす際、どういうことが起きるか。それならTさんよりも安いF通運に頼みます、となるわけです。つまり運送会社にとっては、値上げが確実に成功するための担保が必要です。ダンピング競争は業界にとって最大の不利益であり、そうならないために値上げは一斉におこなう。
また、運輸省から次の運賃改定認可をとりやすくするために、業界各社が最高運賃に統一するようになります。それにとどまらず、最低運賃や持込料、中継料、距離の水増しなど、さまざまな違法運賃の収受形態が各運送会社で発生する。水増しによって2倍〜3倍の運賃を不正収受していたわけです。
商売というのは良心的にしなければならないのに、お客さんを裏切るような、こんな悪質なことがまかり通るのかと、入社四年目の私はこれを正すように上司に言っていました。それでも、会社で決めたことだし……ということで一向に改まりませんでした。
さらに業界としても、お客さんの取りあいを禁止しようというところまでいってしまいました。この荷主移動の禁止条項がヤミカルテルの成否の最大のポイントなのです。
他社のお客さんを奪ってはいけないという業界ルールがありながら、私は営業マンですから営業に出向きます。適正運賃でお客を獲得すると、元の運送会社からクレームが入り、お客さんを返さざるを得ない。全日本トラック協会でも、各地区の協会でも決まっているのに協定破りだ、ということでね。スポーツでいえば八百長試合、建設業界でいえば入札前の談合のようなものです。これは公正な自由競争にあきらかに反するヤミカルテルであるという認識を入社4年目の岐阜営業所時代に強く認識したわけです。
――その後の内部告発に至る経緯は?
私がヤミカルテルを告発したのは、74年のことです。
学生時代、読売新聞の育英奨学生だったこともあり、まずメディアという社会の公器に訴えました。なかなか記事にはしてくれませんでしたがねばり強く訴えて、この年の8月1日、「東海道路線トラック、50社ヤミ協定か」という見出しで2段記事が掲載されました。それから公正取引委員会名古屋支部に資料を持ち込んで説明をし、運輸業界のヤミカルテルに対して破棄勧告を出させるよう努力を続けました。
――「告発」後の労働組合の反応はどうでしたか?
会社の組合は新聞に載った告発記事に対し、何のリアクションも示しませんでした。掲載翌日には社内に「箝口令」が布かれていましたが、それにしても、労働条件や賃上げだけでなく、当時では安保反対など政治的、社会的な発言をしていながら、自分の会社や業界の不正に対しては目をつぶり沈黙するという労働組合の姿勢には、本当に失望させられました。
[以下2面へつづく]→本紙をご参照下さい
仙台の鉄産労(鉄道産業労働組合)から「強制配転闘争勝利」のレセプションに招かれた。うかつにも招待されるまで、この組合も闘争も知らなかったのに、この機会に、3月に定年退職した妻をみちのくの温泉で慰労しようと、ちゃっかり公私混同四泊五日の旅に出かけたのである。
鉄産労は、闘うことを忘れた動労仙台地本に見切りをつけ、八四年に独立した四十名余の小さな組合である。国鉄が分割民営化される1ヵ月前の87年3月に、13人の運転士組合員が仙台駅の飲食店や売店に強制配転され、基本給を大幅減額されるなどの迫害をうけた。15年間、1人の脱落者も出さず、地域ぐるみ家族ぐるみで闘ってきた。最高裁までいった法廷闘争も最近の裁判では異例の勝利を収め、ついにJRに不当労働行為を認めさせ、原職復帰をかちとったのである。
三代目になる現委員長の酒井さんは、自分たちの組合はこんなに小さいが、志は全世界の労働者とともにある。モットーはギリ(義理)シェヴィズム。生涯一労働者・一組合員として死ぬまで闘うと、意気軒昂に挨拶した。闘志あふれる酒井さんだが、会場を移した二次会の居酒屋では、遅れてくる来賓のために、店の外に立ち続け、案内役をするという苦労人でもある。
酒井さんのような人を委員長に担ぐこの組合は、これまで講師に招いた山川暁夫さんや、支援してくれた九人の物故者の遺影を会場に飾るなど人情あふれる組合である。
わけのわからぬまま参加したぼくも挨拶を求められた。そこで、最近の社会主義者は市民に義理を果たしても、労働者には義理を欠いている。生涯一社会主義者として、労働者へのギリシェヴィズムを忘れないと、酒の勢いで大見栄をきってしまった。
旧知の清水医師らと久闊を叙し、いい気になってオダをあげていたら、目の前の人がさつき印刷の社長さんだった。とたんにACTの多額の借金が頭をよぎり、それからは悪酔いするばかり。
この光景はどこかで見たぞと考えていたが、そう、これはイタリア映画『鉄道員』の世界だったのだ。
小寺山康雄
森のバウハウス
潟zルツェン (兵庫)
*環境に配慮したエコロジー建材*
森のバウハウスとホルツェンは同じ事務所で異なった建材を取り扱う総合エコ建材ショップです。
潟zルツェンは無垢の床材、内外装材をスウェーデンフィンランド、オーストラリアから輸入・販売しています。木製窓・天窓、ドアもあるし、珪藻土など左官材もあります。
森のバウハウスは自然塗料・ワックス、壁紙、木製浴槽、健康畳、断熱材、調湿材などを取り扱っています。どの商品も健康な住まいを求める方に安心してお使いいただける建材ばかりで新築、増改築、改装に適しています。建材選びの相談にも応じていますので、あふれる情報のなかで何を選んだらいいのかとお迷いの方はご連絡ください。
小さなショールームに実物の材料を数多く置いていますので見ていただくのが一番ですが、遠方の方にはカタログ、サンプルなど送付できます。相談→見積もり→購入は一般ユーザー・工務店・販売店を問わずどなたにでも直接対応しています。
お申し込みはTEL、FAX、Eメール、いずれの方法でも構いません。
渡辺 純子 (森のバウハウス)
【連絡先】兵庫県明石市大久保町高丘7-13-19
TEL 078-935-0664 FAX 078-935-9115
E-mail info@eco-kenzai.com
URL http://www.eco-kenzai.com
【行き方】JR東海道・山陽本線大久保駅より明石市バスで高丘7丁目下車徒歩5分(ウェブサイトに地図掲載)
ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
@お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)
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