■[トピック] |
◆辛口レビュー 均等待遇に向け画期的判決
屋嘉比ふみ子さん(京ガス/男女賃金差別裁判の原告)
◆いずみ(編集長コラム) ◆CATCH UP
◆[1面関連]男女賃金差別・セクハラ裁判日程
◆2・3名護市長選挙 “基地反対”正念場
◆〈案内〉3・10 おんなたちの祭り
◆〈案内〉ピースデポ 記念講演会
◆背景としてのパレスチナ問題(上)
インタビュー・藤田進さん (東京外国語大学教員)
◆ひとときの光(12) やっぱ撮っておくものだ
◆《新連載》経介☆政子の永田町たちばなし
◆サンゴとコウモリを守れ! 白保トラスト運動へのご参加を
◆OLのつぶやき(11) 彼のはたらき方
◆法談閑談(6) 「法の支配」の復権
◆日韓投資協定基本合意・反グロバリゼーションの声を結集しよう
◆2・17日野市議選 吉田和雄さんは落とせない
◆〈募集〉ワン・デイ・ホームステイ
◆市民派議員リレートーク(39) 増本亨(佐賀県議)
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◆BOOK Review 柳光邦『ガラスの壁 分裂病になった俺』
◆かわたなつみの英国ECO留学日誌(11) 発展とは何か?
◆「ACT基金」にご協力ください
◆広告(3面) 『軍縮』2月号
『創』1・2月号/『「脱社会化」と少年犯罪』……創出版
『記録』2月号/『帰国子女自らを語る』……潟Aトラス
ビデオシリーズ『人権ってなあに』……潟Aズマックス
画期的な判決を勝ちとる
屋嘉比 ふみ子さん
(京ガス/男女賃金差別裁判の原告)
なめたらアカンで!「女の労働」
どの職場にも「同一価値労働同一賃金」の実現を!
屋嘉比ふみ子
やかび ふみこ 京都・宇治市在住。81年、京ガス(大阪ガスの工事請負会社)に入社。3年後、合理化のため女性や嘱託5名と共に解雇指名されるが、組合が闘わないため一人で闘い撤回させる。その後も嫌がらせや仕事を干される状態が続き、86年、建設部に配転、基幹的業務を一人で担当し現在に至る。組合役員としても反合や一時金闘争で成果をあげるが、男女賃金差別の壁は厚く、組合は受け入れない。94年、止むなくおんな労働組合として会社と団交、ついで大阪府地労委への救済申し立てを経て、98年、京都地裁に提訴、昨年9月勝訴する。会社側は控訴し、この1月から、大阪高裁で2審を闘う。 【構成:池島砧】
――今回の判決が画期的といわれる、その核心は何ですか。
わたしと同期に入社し、年齢も同じという男性がいて、その人は監督職となってトントン昇格し、13年たつと基本給だけでも7万円余りも差がつく。判決はわたしとは職種の違うその男性の職務を比べて、「職務の価値に差はない」から「賃金格差は女性であることを理由とする差別である」という画期的な判断を下しています。日本で初めて「職務の価値」に踏み込んで、「同一価値労働同一賃金」を認めたのです。
欧米では当たり前になっているこの原則が日本では絵に描いたモチで、女性の賃金は男性の6割から6割5分、パートは正規の3分の1ぐらいしかない。このような差別を是正する有効な手がかりにできる―ここに今回の判決の大きな意義があります。
――キーになっている「職務の価値」についてもう少し説明を
職種や雇用形態の違いはあっても「職務の価値」が同じであれば賃金は同等という原則は、IL0100号条約で決められているし、日本も67年に批准しています。これからはそれに則った運動でないとだめだと思っているんです。「職務」という概念でその価値を測ることで対等性を獲得できるのだと思う。そのためには「職務分析」をして「職務評価」することが必要です。
この裁判ではわたしは一貫して職務分析を行い、それを専門家に依頼して理論付けした「意見書」を裁判所に提出して頂きました。それは違った職種の仕事を(1)知識・技能(2)責任(3)精神的負担と疲労度(4)労働環境の4点で検討し、それぞれの職務の価値を比較評価するものです。看護婦と運転手のように違った仕事でも、職務評価をしてその価値が同じであれば男女や正規・パートなどの違いを問わず同一の賃金を支払うべきだとするものなんです。
――今回のような闘いをされるきっかけ・動機はどのような?
入社したときから女性の労働条件のひどさを感じていて、職場の女性たちとなんとかしようと考えていたが、83年に解雇されるでしょ。これは賃金差別どころではなく首がかかっていた。首をとり戻したら今度は仕事の干し上げ、嫌がらせ、強制配転、労働強化と次々やられた。首を取り戻す闘いの次は奪われた仕事を取り戻すのに必死だった。建設部に配転になったとき、ここでなんとしても自分の位置を確保したいと思い、積極的に仕事を引き受けた。それと賃金がめちゃめちゃ低く、とても生活やっていけない。シングルで、この賃金で2人も子供よく育てたなあ……と思う。
解雇事件以後、自分が女だからということで、なんでここまでやられなあかんのか、もう本当に骨身にしみたんです。
――組合や同僚はどうでしたか?
入社してすぐの組合大会で議長の「何か質問は」に、手を上げると「女は黙っとれ」という声が飛んでくる、という状態やったんですよ。首を切られた時も組合役員に何回も支援を頼んだがのれんに腕押し、地域の合同労組にも相談したが非協力的だった。「だったら1人ででも撤回させてやる」と団地や駅で連日ビラをまいた。1週間ほどして、職場から帰ろうとして自分の車を見ると、赤色の車が数十個の生卵をぶつけられオレンジ色に変っていた。
私なりに組合ではがんばってきて、みんもそれを認めているんですよ。男女賃金差別の是正を方針にしようと何回も提案するんですが、男性主体の組合では受け入れられなかった。94年、おんな組合として団交を始めると、組合は当初の「がんばってください」から「脱退してほしい」に変り、どうしても辞めないと臨時大会を開いて脱退を迫られた。役員の止めろコールに女性たちは無言で下を向いていた。それでも判決が出たとき、女性の一人は「よかったね」と言ってくれたし、一緒に仕事をしている監督職は連名で裁判所に陳述書を出してくれたんです。それも裁判にはすごく効果的だったと思う。
――1審は画期的な勝利ですが、いっそう厳しい控訴審を迎える今の気持ちを。
勝てると思っていたのはわたし1人だったみたいで、皆すごく喜んでくれたけど、私自身は「なんで勝たしてくれたんか、その理由だけ聞いたらええ」と言う感じで、全然感激がなく当然やという感じでした。入社以来20年間、骨身を削って働き、命をかけて闘ってきた結果なんですから。裁判が始まってからすごく準備をしてきたんですよ。朝起きて制服着てから会社で管理者の目の前で精一杯仕事して、帰って寝るまでずっと裁判のこと考えて、ほんと毎日24時間京ガスと向き合ってきたんですよ。
控訴審はそんなに悲観的には考えていません。2000年12月、東京高裁でも芝信用金庫の賃金差別事件ですごくいい判決が出ています。勝てる要素はそんなにたくさんはないんだけど、負ける要素も少ないと思っています。結果はわかりませんが……。「どこかアジアの片隅でのんびり過ごしたい」という夢は、もうチョットで……。
●連絡先―「京ガスの男女賃金差別裁判を支援する会」(きりの会)
→おんな労働組合(関西)
TEL・FAX 06-6354-2270
郵便振替 00930−6−77386 「きりの会」
E-mail kirinokai@mail.friend.ne.jp
「10時40分。鍵屋に玄関の鍵を開錠させる。ダメな場合は、ガラスを破損して開錠」
「11時。居座る場合には、電気・ガス・水道を遮断する」
震災復興に名を借りた区画整理に反対する芦屋市中央区の大谷建造さん一家を強制移転させるために、市に施行を委託された都市基盤整備公団の企みの極秘メモである。
一時は3分の1以上もあった仮換指定に不満な住民も、今では大谷さん一家だけになってしまった。たった一人で頑張ってきた大谷さんだったが、痴呆状態の母親、まだ年少の3人の子どものことを考えると、これ以上頑張るのは無理だった。屈辱感いっぱいで、公団と移転補償契約を結んだ。権力の暴力性は極秘メモの如き物理的なものだけでない。精神的暴力はその何倍もの打撃を与えるものだ。
7年目を迎えた1月17日、マスコミは例によって震災特番を組んだ。数十万人の見物客が集まる神戸のルミナリエ、元気印の商店街は復興のシンボルとして大だい的にとりあげられる。しかし、山を削り海を埋めて造成した新興住宅地の復興住宅という名の収容所に、1人捨てられた老人や、今だに住民の多くが帰って来ない(来れない)長田区など、復興の影の部分を報道することはない。仮に報道することはあっても、上っ面をなでるだけで、住民に直接取材したり、行政の責任を追及することは、まずない。
大谷さん一家の闘いは、7年前から始まっていた。訴訟までしていたのだ。取材して、問題を解明する時間は十分あった。住民の3分の1以上が結集する「住民の会」では、区画整理事業の非透明性、不公平・不公正について、くり返しニュースで訴えていた。
マスコミがこの問題を正面から取り上げたのは、たった一社、神戸新聞だけである。その神戸新聞にしても、大谷さんが、「苦渋の選択」を余儀なくされてからである。市や公団にとっては痛くも痒くもなくなってからだ。
市に部屋、備品、電話、担当職員まで無料提供される記者クラブ。それに正義と反権力性を求めるのは、ブッシュに知性と理性を期待する類の愚かなことだ。
小寺山康雄
ロッジウッドペッカー (新潟)
*手作り料理の高原宿*
「地球にやさしく」をコンセプトに始めた宿です。
妙高山に抱かれ、宿周辺は四季それぞれ異なった表情をみせます。宿はその中腹、標高900メートルの所に建ち、野尻湖や遠く関東県境の山々まで一望できます。
1年の半分は妙高杉ノ原スキー場のゲレンデサイドの宿兼レストランとして営業し、雪のない時期は3ヵ所ある自給農園で米野菜など食材を無農薬有機栽培しております。したがって宿の食事はこの自給食材を使った手作り料理になっております。特にグリーンシーズンは手打ちそば、天然酵母パン、豆腐等自前の物中心の玄米自然食になっており、菜食の方や食事アレルギーの方にも安心して召し上がれる食事を提供しております。また最近は農薬を使わない農業体験も会員制でやっております(予約等、詳しい手続きはHPをご参照下さい)。
今のところ食べ物に関してのみこだわっておりますが、いろいろな人との出会いのなかでコンセプトを膨らませいろいろ考えて行きたいと思っております。
高井 博之
【連絡先】新潟県中頸城郡妙高高原町杉野沢3178-464
pecker.ee7@nifty.com
http://w-pecker.com
【行き方】信越線妙高高原駅下車杉野沢行きバス終点より15分。
上信越道妙高高原ICより笹ヶ峰方面へ15分。夏期は駅より送迎あり。
ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
@お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)
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