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◆辛口レビュー 反戦をアピールする白いリボン
浮田久子さん(平和の白いリボン行動実行委員会)
◆いずみ(編集長コラム) ◆CATCH UP
◆テロ・報復攻撃・戦争協力許さず
ペシャワール会・中村哲さんの報告会“報告安易な対立構図否定”
報復戦争開始後の市民の取り組み
◆緊急支援・新たな難民をつくらないために―アフガンいのちの基金
◆末端私論「テロと報復」
◆ゲバ太はこう見る
「反テロ」の社会システム構築は正しくない 田中良太(ジャーナリスト)
◆YUI−結−のページ
川田悦子さんを中心に緑の政策研究会を結成
◆経済ウォッチング(19) 出鼻くじかれた小泉改革
◆法談閑談(4) いま立憲政治が問われている
◆長岡京市議選・尾崎百合子さん初当選!! 佐々木允(大学生/選対スタッフ)
◆今月のしなやかヤッシー(4) 方針転換し、副知事設置へ!
◆〈ご案内〉グローバルグリーンズ世界大会報告&シンポジウム
◆Ecoひいき 京都・ひらたや
◆意識のオルタナティブ(4) 平和への方程式
◆かわたなつみの英国Eco留学日誌(9)
◆BOOK Review 内田雅敏『懲戒除名―非行弁護士を撃て』
◆《新連載》 テレビ丼
◆広告(3面) 『創』11月号/『「脱社会化」と少年犯罪』……創出版
『監視社会とプライバシー』ほか……インパクト出版会
『記録』11月号ほか……潟Aトラス
さつき印刷
反戦アピールする白いリボン
浮田 久子さん
(平和の白いリボン行動実行委員会)
こういう時代だからこそ
冷静な思いやりが必要
対案は私たちのなかに詰まっている
浮田久子さんプロフィール
うきた ひさこ 1918年、東京生まれ。父親の仕事の関係で小学校3年生までサンフランシスコで育つ。聖心女子学院英文科卒業。1942年に辻堂(藤沢市)に疎開し、そのまま今日まで在住。戦後、浮田さんの子どもたちと米国の友人の子どもたちの交換留学をとおして、また国際的平和運動をとおして、アメリカ市民の暮らしと考え方に、今日までたえずふれあってきた。カトリック正義と平和協議会会員。日本平和学会会員(元副会長)。婦人国際平和自由連盟日本支部(Women's
International League for Peace and Freedom)会員(元副会長)。
※「平和の白いリボン行動実行委員会」のウェブサイト http://comcom.jca.apc.org/ribon/ [構成:大島正裕]
10月8日未明の米軍によるアフガニスタン空襲から一週間余りで、日本の国会では米軍戦争支援特措法案(政府側呼称はテロ対策特措法案)が衆院を通過してしまった。法案成立は時間の問題だ。私たちは、この憲法違反の特別立法を廃止に追い込まなければならないことはもちろん、これまで以上に「テロにも戦争にも反対」「暴力の連鎖を断ち切ろう」という市民の声を盛り上げていかなければならない。今号で紹介する「平和の白いリボン」を、皆さんの地域で、職場で広げていかれることを、ぜひ提案したい。
この文明はどこへ
行こうとしているのか
私、6月はじめから約2ヵ月、久しぶりにアメリカに行ってきたのね。もう3、40年前に私の家にホームステイしていた「アメリカの子どもたち」が招いてくれたの。かれらとは家族同然に、当時からヒロシマ、ナガサキ、オキナワのことやベトナム戦争について話し合ってきました。
今度のアメリカ滞在では、まさか戦争が起こるなんて思いもしなかったけれど、どこへ行っても感じたことは、ローマ帝国の爛熟期のような繁栄をみんなが謳歌している、ということ。そのころにはシリコンバレーにも不況の波が押し寄せていたけれど、まだ普通の市民はそんなふうに思っていないから、無邪気に繁栄を謳歌しているのね。たった10年で、こんなに変わるものかというくらいに。
ただサンフランシスコの街で不思議に思ったことは、歩いている人たちがものすごく疲れた顔をしているのね。丸の内のビジネスマンのような顔なの。友だちが言うには、アメリカのブルーカラーの労働時間は日本よりも多くなっていて、それでももっと働いてもっとお金が欲しい。アメリカ人は金、金、金、物、物、物という欲望の虜になっている、と私も感じました。
それともう一つ、東海岸のいろんな街も訪ねてみたけれども、共通しているのは、すごく太っている人が多いの。
――いやぁ、すみません
あなた、それだったら上等よ。老若男女を問わず病的に太っている人が多いんで、友だちにどうしてって聞いてみたのね。食べたいという欲求を自制することができなくなっている人がものすごく増えているんですって。街にはファーストフードや自販機が溢れ、お金と物に踊らされる社会で自己実現ができず希望をもてない、今のアメリカ社会の病理現象じゃないかなって思ったのね。対処療法として胃の部分切除をする人が、昨年は全米で4万5000人もいたそうよ。この文明はどこへ行こうとしているのかって、そのとき思ったの。
――帰国後、1ヵ月半後に想像を絶するあのテロ事件が起きたわけですが……。
テレビの映像であれを見たときには本当にショックだったのよね。翌朝すぐアメリカの友人たちに電話をすると、恐怖、不安、憎悪の入り交じった感情で、さすがにみんな声が震えているんです。
イサカという街に住んでいる女性は、事件から一週間も経たないうちに「報復戦争反対」を掲げて仲間たちと毎日、ピースウォークをしていると言っていました。これって本当に勇気のいることなのよ。
そんな彼女が、イサカにあるコーネル大学で、反戦・平和をアピールする白いリボンを着ける学生が日に日に増えている、ということを教えてくれたの。彼女はベトナム反戦大学生だったから「ママ、やっぱり若い人たちに希望がもてる!」って言うのよ。私は即座に「あなたや若い人たちを応援するために、私も日本で白いリボンを着ける運動を始めるね」って言ったの。ものすごく喜んでくれたわ。
平和への道筋は
一人ひとりの中に
それで、翌日の9月17日から始まったのが、藤沢の白いリボン行動なのよ。藤沢は市民活動が盛んなところで、一声かけると十数人が集まってくれて2時間で300個以上の白いリボンができました。チラシも作って藤沢駅前にくりだしてアピールしていると「テロは絶対反対。報復戦争も絶対反対。平和を」という訴えが次から次へと起こってきたんです。
9月23日の駅頭アピールのときは、もうびっくり。いろんな人が持ちよった手づくりの白いリボンが2000個も集まったのよ。10月4日にも50人くらいが集まってくれて、その次はたまたまアメリカが空爆を開始した10月8日だったの。風雨の中、この日もたくさんの人が来てくれて白いリボンを道行く人たちに手渡すことができました。
その間、ホームページも立ち上げて、日本中の人、世界中の人と情報のやりとりができるようになりました。それで痛切に感じたのは、各国の権力者たちと、その国に暮らしている普通の市民の平和を願う気持ちが、どんなに離れているかということ。
小泉首相のやろうとしている国際協調って何なの? ブッシュさんの顔色しか見ていないから、憲法の規定をはるかに飛び越えたことを平然とできるんです。
こういう時代だからこそ、冷静に物事を見つめ、お互いに思いやりのある本当に人間らしい市民というものの存在が、カギを握ると思うの。自分の立っているところで、どんなに地味な方法でもいいから何かを始めて、21世紀を平和と希望の世紀にするための世界的な土台を創らなければいけないのよね。平和の白いリボン行動は、そのひとつなの。
――今ごろ気づいたことがあります。「何でも反対で対案がない」という批判に対して言い返せませんでしたが、対案は反戦・平和、環境、女性、護憲、人権などなど、運動それ自体の中に含まれてるじゃないか!って。
そうよ。私たち一人ひとりのなかに、たくさんの対案が詰まっているのよ!
まもなく7年になろうとする阪神淡路大震災であるが、本欄でもたびたび書いてきたように、大震災はこの国のかたちをあますところなく照らし出した。
6000人を越える死者、数10万戸にのぼる全半壊、数万に達する失職などの被害は、その大半が低所得者を襲った。
震災の下、誰もが平等の被害にあったのではない。ふだんは見えない積年の階級差別が一挙に露呈したのだ。明らかに人災である。政治的犯罪といっても過言ではない。
政府、自治体は天災として扱うことで、自らを免責しようとした。生命、住宅、職を奪われた人は、階級差別の結果でなく、たんに不運だったというのである。不運な人は同情しても、救済の対象ではない。こうして一瞬照らし出されたこの国の差別構造が、再び隠され、人びとの意識からもかき消されてしまった。
自爆テロは、実行者が誰であり、いかなる目的で決行したのか、明示されていない。明示されていないが、これまでのどんなテロルよりも、そのメッセージは明確である。95年1月17日の惨事と同様に、何が起こったかについては、誰もが分かっている。
しかし、それがなぜ起こったのかについての議論は少ない。アメリカの政府とマスコミはむろん、この国の国会議論、マスコミも、その議論を意識的に避けている。テロの卑劣さ、残虐性をくり返し強調することで、なぜ、テロが起こったかのかの自問すべき問題は斥けられ、テロリスト根絶の「大義」を大合唱しているのだ。
自問を避け、隠そうとしているものは、アメリカがベトナム、イラク、パレスチナでやってき、加担してきた国家的テロである。アフガンを超大国の政治的利害によって引きずりまわし、それによって数百万人にのぼる難民と経済的困窮をもたらした責任もまた、隠そうとしている。
そのことに怒り、憎悪するのは一握りの「狂信的」テロリストだけであろうか。広範な人びとの怒りであり、憎悪でもあるのではないかと、想像し、思いを馳せることは、果たして、数千人の死者を冒涜することになるのだろうか。
小寺山康雄
ひらたや (京都)
*わぎれのみせ*
京都府宇治市にある古い着物と布のみせ・ひらたやです。昭和30年に建った古い家がそのまま店になっています。庭には大きな桐の木としだれ桜があります。店がスタートしたのは、平成七年です。それまでは、古い家屋をなんとか壊さずに生かせないかと、貸しスペースをしていました。
古い着物を扱いだしたのは、お客さまの要望からです。京都という土地柄も幸いして、買取りの商品にもよいものが多く、安い値段で色・柄ともに美しい着物・布をご提供させて頂いております。
取り扱い商品は、古い着物・かすり・ちりめんなどの布地が主です。最近は若い方に銘仙の着物がパーティ用として人気があります。お値段も2000円からご用意しております。
「京都市内より安い。」とわざわざ観光のついでに足を運んで下さる方が増えました。いまある着物をどう利用したらよいかわからない、という方のために、着物リフォーム用型紙も用意しています。また、天然素材のボタン・タイシルクも販売しております。
店のポリシーとして、商品を売るほかに、リフォーム・リサイクルの情報も同時にご提供させて頂くようにしております。店の催しとして、年2回の所蔵品の展示、月1回・第4水曜日に「アートマーケット」と題して、京都周辺の手作り作家の方によるマーケットを開催しています。マーケットは晴天なら庭で開催しています。
宇治は源氏物語にあるように、古くから平安貴族の別荘地として栄えたところで
す。京都にお越しのおりは、ぜひひらたやにお立ちより下さい。
〈営業時間〉
毎週水・土のみ午前11時から午後5時まで
【連絡先】 京都府宇治市広野町西裏57
TEL 0774-46-4789
FAX 0774-44-2504
URL:http://plaza8.mbn.or.jp/~hirataya/
【行き方】 JR京都駅で近鉄京都線に乗り換え、近鉄大久保駅徒歩2分
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